今回のテーマは、
「ホークスが優先すべきは支配下外国人選手か育成日本人選手か,育成外国人選手か?」
です。
なぜこのテーマにしたかというと、ホークスが現在の選手の優先度を間違えている気がしたからです。
選手起用の中で最優先されているのは支配下日本人選手。
「日本人枠」というルールはNPBに存在しないのでこれは当然のことです。
支配下日本人選手がいなければチームは回りません。
問題はその次です。
支配下外国人選手を優先している気がするのは私だけでしょうか。
獲得の段階からです。
本当にこの選択は正しいのでしょうか?
なんとなく支配下の外国人を獲得することを当たり前とせず、外国人選手と育成選手のバランスについて今一度考えていきましょう。
活躍具合の定義
今回はこちらのブレイク選手の定義を採用し、外国人選手と育成選手の活躍具合を確認します。
<NPB一軍>
先発投手 10先発
中継ぎ投手 30登板
野手 100試合出場
先発投手、中継ぎ投手、野手に分けた1シーズン当たりこれだけ出場すればチームの戦力となっているだろうという数字を私が勝手に考えました。
こちらも併せてご確認ください。
こちらの定義であれば主観を一切入れることなく機械的な活躍の判断ができます。
調査ルール
今回比較するにあたり、調査開始年度は2005年にしました。
なぜならこの年から育成制度が開始されたからです。
よって2005~2023年に入団した育成選手,外国人選手を見ていきます。
育成選手を基準にするため、外国人選手の入団時期は2005年オフから2023年シーズン終了までとします。
支配下外国人選手は育成~支配下の選手、トレード選手を含めません。
トレード選手に関しては、別の記事でまとめているからです。
つまりレビロメロ選手はトレード選手のくくりになります。
詳しくはこちらから。
また、日本人枠の外国人選手は外国人に含めません。
日本人枠外国人選手の具体例はバレンティン選手,李杜軒選手,金無英投手です。
デスパイネ選手やスタンリッジ投手,レイ投手等、再入団の経験がある外国人選手は1回目と2回目の入団を別の選手として計算します。
育成日本人選手
2005~2023年にドラフト入団したホークスの育成日本人選手の中で「活躍の定義」に当てはまる選手は以下の10名でした。
活躍の定義を満たした年齢別に分けてます。
こちらを参考にしました。
ドラフト入団の育成選手は全員で101名。
その中で支配下契約を勝ち取れたのは27名。
ホークスで支配下契約を勝ち取れた選手に限ると25名。
ホークスで支配下契約を勝ち取った選手の中で「活躍の定義」に当てはまる選手は10名。
つまり支配下選手になった育成選手の内、40.0%が活躍します。
育成日本人選手が一軍で活躍する確率は9.9%です。
育成外国人選手
2005~2023年に育成入団したホークスの外国人選手の中で「活躍の定義」に当てはまる選手はモイネロ投手の1名でした。
モイネロ投手が活躍の定義を満たした年齢は22歳です。
育成選手は全員で13名。
その中で支配下契約を勝ち取れたのは2名。
つまり支配下選手になった育成選手の内、50.0%が活躍します。
育成外国人選手が一軍で活躍する確率は7.7%です。
支配下外国人選手
2005~2023年に入団したホークスの支配下外国人選手の中で「活躍の定義」に当てはまる選手は以下の23名でした。
活躍の定義を満たした年齢別に分けてます。
支配下外国人選手は全員で57名。
つまり支配下外国人の中で活躍定義を満たした割合は40.4%です。
またホークスが獲得した外国人選手の内、NPB11球団から直接獲得した割合は19.3%、NPB外から直接獲得した割合は80.7%。
意外と自前でも発掘を試みているなという印象です。
ただ、NPB11球団から獲得した外国人選手の中で定義を満たした割合は72.7%、NPB外から獲得した外国人選手の中で定義を満たした割合は32.6%。
NPBを経験している選手が経験していない選手より2倍以上活躍しやすいことが分かります。
そもそもホークスはNPBで実績を残している外国人選手を取りがちなところはありますが。
考察
育成選手と外国人選手のどちらが大事かを一言で言い切ることはできません。
どちらも大事です。
ただ優先順位はあります。
まずはこちらの表をご覧ください。
こう見ると、支配下の外国人選手を獲得するのが最も効率よく見えます。
NPB他球団から獲得できるのがベストで、そうでなければ自前で外国人選手を獲得すればいいとなります。
ただこのデータは甘いです。
なぜなら支配下選手と育成選手を直接比較しているからです。
比較できるのは支配下外国人選手と支配下になった育成選手です。
そちらを比較したものがこちら。
ここで自前で獲得した支配下外国人選手を育成選手が逆転します。
正直、自前で発掘した外国人選手よりも育成選手の方が活躍する確率が高いのは当然のことです。
ファームでしっかり結果を残し、一軍の戦力になると判断されてから支配下選手になるからです。
海外リーグで結果を残した選手はあくまでも海外リーグの成績なので、NPBでも活躍できるとは限りません。
NPB11球団から獲得した選手は既にNPB一軍で結果を残しているので活躍確率72.7%は妥当な数字です。
せっかくの支配下70枠。
ベンチ入り外国人4枠。
活躍の可能性が高い選手で埋めた方がいいに決まってます。
2023年度の支配下外国人選手は9名。
その内、自前で獲得した選手はデスパイネ,ホーキンス,アストゥディーヨ,スチュワート,ガルビス,ヘルナンデスの6名。
活躍確率が低い選手を多く集めて、仮に活躍しても計4人しか出場できない。
こんなことをしていたらせっかくの多くの育成選手が入り込める隙がありません。
また、活躍定義を満たした平均年齢は育成選手23.9歳、支配下外国人選手31.9歳となっており、育成選手の方が長期的な活躍を見込めます。
もう答えは出ているはずです。
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