2024年ドラフトで福岡ソフトバンクホークスから二巡目指名を受けた神奈川大学の庄子雄大選手。
神奈川大学野球リーグ通算打率.330の打撃の確実性と、通算盗塁数54の快速が武器の内外野手です。
そんな庄子選手のプロ1年目に期待することが今回のテーマです。
まさかまさかの予想的中
庄子選手はスピード特化型の即戦力内外野手。
ホークスが好きそうなタイプだと感じていました。
実際1年前(2023年2月)に出した記事では、宗山選手をくじで外した場合に指名するだろうと予想。
まさかピンポイントで当たるとは思いません。
ドラフト当日、宗山選手を外した瞬間にこの庄子雄大選手と、地元九州の長崎県出身で九州産業大学の浦田俊輔選手のどちらかは指名するだろうというところで、地元なので可能性としては浦田選手の方が高いと思っている部分もありました。
それぐらい甲乙つけがたかったです。
2010年ドラフトでホークスが柳田悠岐選手と秋山翔吾選手を比べて「どちらが飛ばすか」という判断のもと柳田選手を指名したのは有名な話ですが、もしかすると今回は「どちらの方が足が速いか」という判断のもと庄子選手を指名したのではないでしょうか。
2010~2023年の大卒ドラ2内野手
2010~2023年にドラフト2位で指名された大卒内野手をまとめてみました。
2018年ドラフト2位でオリックスに捕手として入団し、その後一塁手としての起用が続く頓宮裕真選手は除いてます。
2022年 村松開人
2022年ドラフトで中日から2位指名を受けた村松開人選手。
明治大学時代は161打席に立ちリーグ戦通算打率.323&通算盗塁15を記録。
プロ入り後はその打撃の確実性を遺憾なく発揮。
プロ2年目となる2024年シーズンでは、109試合418打席で打率.275の好成績を残し、遊撃手のレギュラーをほぼほぼ手中に収めました。
2025年シーズンでは規定打席到達(443打席)が期待されます。
2022年 友杉篤輝
2022年ドラフトでロッテから2位指名を受けた友杉篤輝選手。
天理大学時代は2022年春にMVP、2020年秋2022年春に首位打者、2020年秋2021年春秋2022年春に遊撃手としてベストナインのタイトルを獲得。
プロ入り後は打つほうで目立つことはできていませんが、2024年シーズンは自己最多の125試合に出場。
今後の飛躍が期待されます。
2021年 野口智哉
2021年ドラフトでオリックスから2位指名を受けた野口智哉選手。
関西大学時代は2021年秋にMVP、2019年秋2020年秋2021年春秋に遊撃手としてベストナイン(遊撃)のタイトルを獲得し強肩強打の内野手として注目を集めました。
プロ入り後は、1年目に54試合、2年目に76試合と徐々に一軍出場試合数を伸ばすも、3年目となる2024年シーズンはまさかの12試合出場に留まりました。
4年目の2025年シーズンは失った信頼を取り戻す1年にしたいところです。
2021年 池田来翔
2021年ドラフトでロッテから2位指名を受けた池田来翔選手。
国士舘大学時代は強打の右の内野手として注目を集めました。
プロ入り後は2023年シーズン(2年目)に一軍戦40試合に出場し頭角を現すも、一軍定着とはならず、2024年シーズン(3年目)は21試合出場に留まりました。
4年目となる2025年シーズンは間違いなく勝負の年になります。
2020年 牧秀悟
2020年ドラフトでDeNAから2位指名を受けた牧秀悟選手。
中央大学時代は佐藤輝明選手と共に打撃力を高く評価されており、大学リーグでは19年秋にMVP、19春に首位打者、18年秋にベストナイン(遊撃手)、19年春秋20年秋にベストナイン(二塁手)のタイトルを獲得。
プロ入り後は1年目からDeNAの主力選手となりました。
プロ通算4年で、4年連続打率.291以上、本塁打22本以上、OPS.837以上。
2024年現在の日本最強セカンドは彼で間違いありません。
2018年 伊藤裕季也
2018年ドラフトでDeNAから2位指名を受けた伊藤裕季也選手。
立正大学時代は大学通算8本の本塁打を放つなどパンチ力で注目を集め、大学リーグでは18年秋にMVP、17年春に2部のMVP、18年秋にベストナイン(二塁)のタイトルを獲得。
プロ入り後DeNAでは立場を確立できなかったものの、4年目途中に楽天へトレード移籍すると、そこから出場機会を大きく伸ばします。
2023年シーズン(5年目)は一軍戦87試合、2024年シーズン(6年目)は一軍戦44試合に出場。
ただ、まだ正ポジションを獲得できたわけではないので、来年(2025年シーズン)も勝負の年です。
2016年 京田陽太
2016年ドラフトで中日から2位指名を受けた京田陽太選手。
日本大学時代は俊足堅守の遊撃手として注目を集め、大学リーグでは15年秋と16年秋にベストナインのタイトルを獲得。
プロ入り後は1年目にいきなり新人王を獲得し、遊撃手のレギュラーを勝ち取り、5年間はレギュラーを守り抜きました。
プロ6年目(2022年シーズン)に不調に陥り43試合出場に留まると、その年のオフにトレードでDeNAへ。
DeNAではユーティリティー選手として出場機会を増やしています。
2016年 石井一成
2016年ドラフトで日本ハムから2位指名を受けた石井一成選手。
早稲田大学時代は走攻守バランスの取れた遊撃手として注目を集め、大学リーグでは15年春にベストナイン(遊撃)のタイトルを獲得。
プロ入り後は完全なレギュラーというわけではないものの、時折パンチ力のある打撃で好投手を打ち崩す場面もあり、ラッキーボーイ的な存在としてチームに欠かせない存在となってます。
ただ2025年シーズンは31歳を迎えるということで間違いなく勝負の年になります。
プロ野球選手は30歳を超えると一年一年が勝負です。
2015年 吉持亮汰
2015年ドラフトで楽天から2位指名を受けた吉持亮汰選手。
大阪商業大学時代はリーグ通算90試合で62盗塁を記録した俊足で注目を集め、15年春に首位打者、13年春秋にベストナイン(三塁)、15年春秋にベストナイン(遊撃)のタイトルも獲得しました。
プロ入り後は度重なる怪我に苦しみ、一軍戦出場は1年目に記録した21試合のみ。
2019年以降は育成選手として支配下登録を目指すも、2022年オフに楽天を退団しました。
2013年 西浦直亨
2013年ドラフトでヤクルトから2位指名を受けた西浦直亨選手。
法政大学時代は堅守が魅力の遊撃手として注目を集め、大学リーグでは13年春にベストナインのタイトルを獲得。
プロ入り後は5年目(2018年シーズン)にレギュラーを掴み、初の規定打席に到達。
その後は若手の台頭もあり出場機会を減らしていきましたが、「守備」という武器があるため2024年シーズンまで11年という長いプロ野球生活を送ることができました。
2025年からはヤクルトのコーチに就任されるそうです。
2013年 山川穂高
2013年ドラフトで西武から2位指名を受けた山川穂高選手。
富士大学時代は強打の内野手として注目を集め、大学リーグでは10年秋に打点王、10年春12年春にベストナイン(一塁)、11年春にベストナイン(外野)、13年春にベストナイン(DH)のタイトルを獲得。
プロ入り後はすぐに二軍で結果を残すも一軍定着とはならず。
ただ3年目(2016年シーズン)で一軍戦49試合に出場し14本塁打を記録すると、4年目(2017年シーズン)は後半戦に打ちまくり78試合出場で23本塁打。
5年目(2018年シーズン)からは本格的に球界を代表する強打者になりました。
いろいろあって2024年からは福岡ソフトバンクホークスで活躍を続けています。
2012年 大累進
2012年ドラフトで巨人から2位指名を受けた大累進選手。
道都大学時代は50m5.7秒の俊足遊撃手として注目を集め、大学リーグでは11年秋に首位打者、11年春秋にベストナインのタイトルを獲得。
プロ入り後は「打撃面」で結果を残せず、持ち味の俊足を生かせませんでした。
2018年オフに現役を引退し、2019年以降は2016年途中から所属していたファイターズの球団職員としてご活躍されています。
2011年 菊池涼介
2011年ドラフトで広島から2位指名を受けた菊池涼介選手。
中京学院大学時代は身体能力抜群の遊撃手として注目を集め、大学リーグでは08年秋09年春秋10年秋11年春にベストナイン、09年春秋に首位打者、09年春秋に本塁打王、08年春09年春に打点王のタイトルを獲得。
プロ入り後は2年目(2014年シーズン)にレギュラーを掴み、そこから12年連続でその座を譲っていません。
2013~2022年にかけては、10年連続でゴールデングラブ賞(二塁手)のタイトルを獲得。
球界を代表する忍者です。
庄子雄大選手に期待すること
2010年以降ドラフト2位で指名された大卒内野手を振り返ると、庄子選手が目指すべきプレイヤー像が見えてきます。
牧選手や山川選手のようなパワー系の選手ではなく、当然菊池選手や京田選手のようなスピード系の選手です。
今回挙げた選手の中で庄子選手の他に50mのタイムが5秒台の快速選手は、村松開人選手、友杉篤輝選手、京田陽太選手、吉持亮汰選手、大累進選手、菊池涼介選手の6名。
この6名の中で1シーズン100試合以上(一軍戦)に出場したことがあるのが、村松開人選手、友杉篤輝選手、京田陽太選手、菊池涼介選手の4名。
足がある、守れる、そしてある程度打てるというだけで一軍の戦力になります。
ただ、これらの能力を持っていたとしても試合に出れるとは限りません。
同ポジションに絶対的な選手がいたら物理的に試合に出れないからです。
菊池選手は晩年の東出選手から二塁手のレギュラーを奪取。
村松選手は他に絶対的な選手がいない中で2024年は遊撃手のレギュラーを奪取。
友杉選手は藤岡選手の二塁手コンバート&中村選手の三塁手コンバートによって空いた遊撃手のレギュラーを絶対的な選手がいない中で奪取。
京田選手は前年レギュラーを務めた堂上直倫選手との争いを制し遊撃手のレギュラーを奪取。
このように実力だけでなく「運」も必要です。
ホークスには現在、今宮健太選手という絶対的遊撃手がいます。
2024年シーズンには自身4度目となるベストナインに輝いたバリバリのスター選手から、庄子選手がいきなりレギュラーポジションを奪うのは難しい話。
怪我さえなければ、ほぼほぼ開幕スタメンは決まってます。
よって1年目からレギュラーを狙うなら外野(中堅手)になるのかなという気がしてます。
これまで内野手の話をずっとしてきて、結局外野手かよと思われる方もいるかもしれませんが、庄子選手は内外野を守れるユーティリティー選手。
内野一本の選手ではありません。
シーズン序盤は代走や守備固めで遊撃手&外野手として出場しながら、周東選手の調子が落ちてきたときにチャンスを活かし中堅手のレギュラーを奪取。
もしくは春季キャンプで猛アピールし、周東選手の手術の回復具合が遅れて開幕スタメン。
この2つのイメージが湧きます。
もしくは将来的なレギュラーを目指すため、まずは廣瀨隆太選手のように二軍戦で打席数を重ねることも考えられます。
ただ次世代の牧原大成選手を目指す勢いで、どのポジションも高水準で守れるようにと、二塁手の練習を始めるのは考えにくいかなと個人的には思います。
なぜならそういう起用を2024年シーズンに小久保監督がしなかったからです。
遊撃手と外野手。
それだけ守れたら十分です。
これらを踏まえて、庄子選手のプロ1年目に期待することは「怪我無く一軍で20盗塁」です。
おそらく最初から「代走専門、守備固め専門」の選手として起用しないはず。
将来のレギュラー候補としてスタメン起用されつつ20盗塁を記録できたなら、それ相応の打撃成績は残っているでしょう。
2年目以降に繋がる1年目にしてもらいたいです。
周東選手の打撃の調子が良いときは「代走庄子」
庄子選手の打撃の調子が良いときは「代走周東」
このような起用ができたら、他球団にとっては非常に脅威です。
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