2023年ドラフトの投手は「豊作」と言われます。
ただ、その豊作の意味を理解されていない方も多いのではないでしょうか。
ということで今回はソフトバンクホークスの2023年ドラフトを中心に「豊作」と言われる理由を紐解いていきます。
180cm&150キロ
身長180cm以上、球速150キロ以上。
一般的にドラフトにかかる目安がこちらの2つの要素です。
つまり、身長180cm以上と球速150キロ以上をどちらも満たしていれば、ドラフト1位指名を狙えます。
逆にどちらも満たしていない投手に関しては実績や希少性(変則投球フォームや左投手)で勝負することになります。
過去のドラフト
ドラフト指名時に身長180cm以上&球速150キロ以上を満たしていたホークス選手をまとめてみました。
2010年ドラフト以降に絞ります。
2010年はゼロ。
2011~2018年の8年間はドラフト1位の投手が総じて満たしていました。
過去5年(2019~2023年)はドラフト上位で指名しなくても、身長180cm以上&球速150キロ以上の投手を獲得できています。
そして、特筆すべきは2023年。
アマチュア野球の投手のスピードが徐々に上がってくる中で、それが一気に爆発した瞬間です。
ドラフト1位で大学生の150キロ投手を獲得していないにもかかわらず、合計6名の身長180cm以上&球速150キロ以上投手を指名。
10年前であればドラフト1位でしか取れなかったような投手が6名も獲得できたのです。
これを豊作と呼ばずして何と言えばよいでしょうか?
2023ドラフト球団別
2023年ドラフトはホークスだけが豊作だったのではなく、当然他球団のチームも将来有望な投手を指名しています。
球団別に身長180cm以上&球速150キロ以上の投手をまとめてみました。
2球団を除き、例年ならドラフト上位でしか獲得できなかった投手を複数名獲得しています。
特に投手力が武器のチームはしっかり、身長と球速がある投手を獲得していることが分かります。
その中でもホークスは6名で12球団最多です。
もしかするとホークスが久しぶりにドラフトで輝く年になるかもしれません。
1年目から戦力
ここからはがっつりホークスの話です。
ホークスは近年、投手力に苦しんでいます。
特に先発陣。
詳しくはこちら。
若い投手の台頭が鍵になるということで、2023年ドラフトの投手には1年目から活躍してもらわないと困ります。
2024年シーズンですぐにでも出てきてもらいたい投手を先発・中継ぎに振り分けてみました。
個人的な願望としては、まずは全員先発として勝負してほしい気持ちはあります。
先発候補
先発候補は以下の5名。
村田賢一投手、大山凌投手、岩井俊介投手、藤田淳平投手、前田悠伍投手
村田賢一投手は最速150キロと速い球を投げれるものの、持ち味は精密なコントロールで打たせて取る右投手。
ホークスリリーフ陣のスピードと奪三振能力を考えても、リリーフより先発の方が断然フィットします。
大山凌投手は最速154キロのストレートと多彩な球種でThe王道の本格派右投手。
先発ができるのに中継ぎに置くのはもったいないということで先発です。
岩井俊介投手は最速156キロの質の良い直球とキレの良い変化球を投げ込む右投手。
こちらも先発ができるのに中継ぎに置くのはもったいないということで先発です。
藤田淳平投手は最速148キロの空振りが取れる直球を武器に組み立てる左投手。
左投手は先発・中継ぎ共に不足していますが、先発ができるなら先発です。
前田悠伍投手は最速148キロのストレートと魔球チェンジアップを操る左投手。
総合力の高さから高卒1年目の投手とは見ていません。
中継ぎ候補
中継ぎ候補は以下の4名。
岩井俊介投手、澤柳亮太郎投手、宮里優吾投手、星野恒太朗投手
岩井俊介投手は基本的には先発です。
ただ、先発陣が充実して中継ぎ陣に怪我人が続出した場合、球の力がある岩井投手に7回8回を任せるパターンがあっても面白いです。
澤柳亮太郎投手は最速151キロの回転数の多いストレートと決め球のカット,フォークを操る右投手。
社会人時代は主に救援登板だったため基本的には中継ぎですが、大きなカーブで自由自在にストライクが取れるならば先発としても可能性を感じさせます。
宮里優吾投手は最速155キロのストレートとフォークの組み合わせで三振を奪う本格派右腕。
彼は間違いなく中継ぎで、出力をさらに上げると守護神の座を狙えるくらいの存在になれます。
星野恒太朗投手は最速151キロのストレートとスプリットの組み合わせで三振を奪う本格派右腕。
怪我の影響で実績が乏しいですが、一軍中継ぎ陣の一角に収まる力は十分あります。
新人投手がチームの命運を握るチーム状況
プロ1年目の投手がしっかり働いてもらわないと勝てない。
そんなホークスのチーム状況は最悪のように思えます。
ただ、私はそうは思いません。
むしろプラスに捉えています。
世代交代はいつか必ずやってくる。
その時が「今」なんです。
メンバーがガチガチに固定されている時は若手投手を投げさせたくても投げさせられなかったですが、今ならいくらでもチャンスがあります。
そしてチャンスを活かした若手主力投手が増えると、そのポジションでしばらく頭を悩ませることが無くなります。
主に「ベテラン」が試合に出ているチームは戦力を整理する時に「中堅選手」を切らなくてはなりません。
甲斐野央投手、泉圭輔投手、上林誠知選手、増田珠選手、etc。
ホークスが中堅もしくは若手が中心のチームになっていれば、2023年で彼らがチームを去ることはありませんでした。
若手が中心のチームは思い切って「ベテラン」を切ることができます。
それが持続的に強いチームのあるべき形です。
アメリカでコーチの武者修行を積んだ倉野信次コーチ。
彼が上手く若手投手を起用し投手陣を立て直してくれると信じます。
信次だけに。
もし2024年度のホークスで若手選手が存在感を発揮できず、ベテラン中心のメンバーで優勝を逃したならば、ホークスのどん底時代が本格的にスタートします。
2024年2月に43歳を迎える和田毅投手がまだキャンプも始まっていないのに開幕ローテ確定の今の状況。
そこに対してまずは危機感を覚えるべきです。
既にどん底時代に片足踏み入れています。
チームのことを第一に考えれば、シーズンが終わった頃に和田投手の座を若手投手が奪ってしまうのが最高のシナリオです。
もちろん和田投手が「100%の力を発揮した上で」です。
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