2023年ドラフトで福岡ソフトバンクホークスから二巡目指名を受けた名城大学の岩井俊介投手。
直球の回転数がプロ野球トップクラスの2780回転ということで大きく注目を集めています。
そんな岩井投手のプロ1年目に期待することが今回のテーマです。
身長180cm以上,最速150キロ以上
ドラフトで上位指名される投手にはある共通点があります。
身長180cm以上かつ最速150キロ以上です。
2023年ドラフトの1~2位指名の投手は全員で19名。
その内、84.2%の16名が上記を満たします。
2022年ドラフトでは12名中6名(50%)。
2021年ドラフトでは14名中7名(50%)。
例年以上に2023年度のパーセンテージは高いです。
これが2023年ドラフトは「投手が大豊作」と言われる理由の一つです。
逆に考えると、身長180cm以上かつ最速150キロ以上ではないドラフト1,2位の投手は、他の部分の評価が非常に高いことが窺えます。
身長174cmで最速155キロ右腕の下村海翔投手。
身長186cmで最速149キロ右腕の坂井陽翔投手。
身長180cmで最速148キロ左腕の前田悠伍投手。
この3投手が活躍するかどうかで、今後のドラフト戦略も変わってきます。
身長180cm以上,最速150キロ以上の大卒ドラ2右腕
今回の主役である岩井俊介投手について。
岩井投手は、身長182cm,最速156キロの超本格派右腕。
ドラフト1,2位で選ばれるのに相応しい能力です。
彼はプロでどのような成績を残すのでしょうか。
ということで彼と同じく大卒ドラ2右腕を調査することにしました。
しかし、あまりに数が多くなってしまうので、プロ入団時で身長180cm以上,最速150キロ以上の投手に絞りました。
2016~2022年のドラフト2位で入団した身長180cm以上,最速150キロ以上の右投手10名は以下の通りです。
2021 徳山壮磨
2021年ドラフトでDeNAから2位指名を受けた徳山壮磨投手。
大阪桐蔭高校時代はセンバツ制覇。
早稲田大学時代は1年生の春からベンチ入り。
これだけ輝かしい実績を持ちながら未だ一軍登板はゼロです。
2020 山崎伊織
2020年ドラフトで巨人から2位指名を受けた山崎伊織投手。
東海大学時代は19春秋に44回を投げ防御率0.20でリーグMVPの活躍。
巨人入団1年目は怪我のリハビリに徹し、一軍登板はゼロ。
ただ、2年目以降は一軍で活躍し、特に3年目となった2023年シーズンは規定投球回&二桁勝利を達成しました。
2020 高田孝一
2020年ドラフトで楽天から2位指名を受けた高田孝一投手。
法政大学時代は最速156キロのスピードで注目を集めました。
しかし、プロ入り後は未だ一軍の主戦力として活躍できていません。
2018 島内颯太郎
2018年ドラフトで広島から2位指名を受けた島内颯太郎投手。
九州共立大学時代は17秋にMVP、18秋にはベストナインに輝くなど大きく注目を集めました。
プロ入り後は中継ぎとして自分の城を築き、2023年シーズンは最優秀中継ぎのタイトルを獲得しました。
2018 梅津晃大
2018年ドラフトで中日から2位指名を受けた梅津晃大投手。
身長187cmで最速153キロ。
ポテンシャルの高さが抜群でした。
プロ入り後は怪我もあって思うような成績が残せていませんが、今後が楽しみな投手に間違いはないです。
2016 畠世周
2016年ドラフトで巨人から2位指名を受けた畠世周投手。
近畿大学時代は3年秋に3戦連続完封勝利を挙げるなど注目を集めました。
プロ入り後は先発中継ぎ、様々な場面で一軍起用されました。
2023年度は怪我の影響でプロ入り後初の一軍登板ゼロ。
復活が待たれます。
2016 小野泰己
2016年ドラフトで阪神から2位指名を受けた小野泰己投手。
富士大学時代は16秋にMVPを獲得し注目を集めました。
プロ入り後は球のスピードを買われて一軍登板の機会を貰うも、制球力に不安があるため一軍でなかなか結果を残せず。
2球団目のオリックスでは1年で戦力外通告を言い渡され、2024年度は育成での勝負になります。
2016 星知弥
2016年ドラフトでヤクルトから2位指名を受けた星知弥投手。
明治大学時代は最速156キロのスピードが注目を集めました。
プロ入り後はまず先発としてスタートしたものの、結果を残せず。
中継ぎに転向し、2023年度はキャリアハイの47試合に登板しました。
2016 中塚駿太
2016年ドラフトで西武から2位指名を受けた中塚駿太投手。
白鴎大学時代は身長191cm102kgの体から繰り出される、最速157kmの剛球に注目が集まりました。
プロ入り後は制球力に苦しみ、一軍登板9試合で戦力外通告を受けました。
2016 池田隆英
2016年ドラフトで楽天から2位指名を受けた池田隆英投手。
創価大学時代は田中正義投手としのぎを削り、16秋にベストナイン、最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得しました。
プロ入り後はなかなか一軍の舞台で活躍することができませんでしたが、日本ハム移籍後は先発中継ぎ何でもこなせる投手として存在感を示し始めました。
2023年度はキャリアハイの51登板を果たしています。
岩井投手が目指すべきスタイル
過去10名の「身長180cm以上,最速150キロ以上の大卒ドラ2右腕」の成績を見て岩井投手が目指すべきスタイルを考察します。
もちろん理想は山崎伊織投手のように規定投球回&二桁勝利を達成して先発ローテーションの一角に収まることです。
ただ山崎投手は少数派。
今回挙げたほとんどの投手が中継ぎとして自らの地位を確立してます。
岩井投手は制球力に強みがある投手ではありません。
よって1イニングを全力で抑えにいくスタイルの方があっている気はします。
もちろん始まってみないと分かりません。
1年目に先発としてやれそうだったら先発。
ただ1年目で先発が難しそうだったらすぐ中継ぎに切り替える。
具体的な数字を挙げることはできませんが、この切り替えの早さを期待してます。
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