ペナントレースも残り2試合。
福岡ソフトバンクホークスはポストシーズンに向けて調整を進めます。
楽しみな反面、この時期は別れの季節でもあります。
その現実から目を背けてはいけません。
ということで今回のテーマは、「福岡ソフトバンクホークス2024年度構想外候補決定版」。
過去3回行ってきた構想外候補の決定版です。
2024年度支配下選手の中で、構想外となり育成契約もしくは退団する選手を考察します。
甲斐拓也選手や石川柊太投手等FAで流出する可能性のある選手、複数年契約選手、トレードは考慮していません。
複数年契約について詳しくはこちらから。
気分を害される可能性のある方は本記事をご覧にならないことを強くお勧めします。
引き返すなら今です。
過去の考察記事はこちら↓↓↓
2023年~2024年にかけての出入り
本題に入る前に、2023年オフ~2024年にかけてのホークス支配下選手の出入りをまとめてみました。
まずは、育成選手になるか退団して、ホークスの支配下選手ではなくなった19選手がこちら。
- 森唯斗
- コートニーホーキンス
- ジョーガンケル
- フレディガルビス
- アルフレドデスパイネ
- ウイリアンスアストゥディーヨ
- 嘉弥真新也
- 上林誠知
- 髙橋純平
- 佐藤直樹
- 九鬼隆平
- 古川侑利
- 椎野新
- 増田珠
- 高橋礼
- 泉圭輔
- 水谷瞬
- 甲斐野央
- 野村大樹
この中で高橋礼投手と泉圭輔投手はウォーカー選手とのトレード、水谷瞬選手は現役ドラフト、甲斐野央投手は山川穂高選手の人的補償、野村大樹選手は齋藤大将投手とのトレード。
つまり構想外選手は実質14名です。
続いてこの期間でホークスの支配下選手になった19選手がこちら。
- アダムウォーカー
- 前田悠伍
- 岩井俊介
- 廣瀨隆太
- 村田賢一
- 澤柳亮太郎
- 大山凌
- 藤田悠太郎
- 山川穂高
- 長谷川威展
- 仲田慶介
- 川村友斗
- 緒方理貢
- 佐藤直樹
- 中村亮太
- 三浦瑞樹
- 前田純
- 石塚綜一郎
- ジーターダウンズ
補強内訳はドラフト7名、FA1名、トレード1名、現役ドラフト1名、育成上がり8名、外国人選手発掘1名。
FAや現役ドラフトは入ってきた分選手が出ており(プラマイゼロ)、トレードでは支配下選手が数としては1名減っているので(2対1トレード)、実質16名の支配下選手が増えてます。
結果的にドラフト入団と育成上がりだけで15名。
これで過去3年間優勝を逃したところから、フレッシュな選手を固めることが出来ました。
このフレッシュで勢いのある選手が集まった中で2024年度の構想外選手を出さなければなりません。
今季のホークスは全体的に頑張っている
今季のホークスは一軍・二軍共に優勝するなど潤沢な戦力を誇りました。
過去3年は優勝を逃していたので戦力の大幅な入れ替えは致し方ない部分はありましたが、今年に関してはそれをしてしまうと戦力の流出に繋がります。
ドラフトや育成上がりの人数を抑えてでも戦力の流出を防いだ方が、チーム全体にとってプラスになるのかなという気はします。
具体的な数字を挙げるなら、ドラフト5名、育成上がり5名、大金使って補強する枠1名、現役ドラフト1名、シーズン中の緊急補強枠1名の計13名でどうでしょうか。
実質補強枠は現役ドラフトを除いた12名です。
12名補強するということは12名を支配下から外さなければなりません。
これが相当難しいです。
成績的には2023年オフに構想外でもおかしくなかった杉山一樹投手は遂に覚醒し、ホークスの優勝に大きく貢献しました。
プロ5年間で一軍出場が一度も無かった水谷瞬選手は新天地の日本ハムで大きく花開きました。
今年の成績だけでなく将来性も見越しながらの、慎重な戦力の見極めが必要です。
これを間違えると来季のペナントレースに大きく響きます。
構想外候補
これから本題に入ります。
今回は構想外候補を12名述べていきます。
もう一度言いますが、気分を害する可能性のある方はご覧にならないでください。
笠谷俊介
高卒10年目で27歳の笠谷俊介投手。
彼を4月,7月,8月と同じく構想外候補に選んだ理由は、「いつまで経っても一軍に呼ばれないから」です。
課題の制球難を未だに克服できておらず、気づいたら四球を出してます。
2024年度の二軍戦の与四死球率は5.51。
単純にストライクが入らないという部分と、ストライクを入れると打たれるから逃げている部分の両方があります。
正直、笠谷投手が来季もホークスでプレーしている未来が見えません。
150キロ近いストレートと落差の大きなナックルカーブを操るなど素晴らしいものは持っているので、この能力が花開く球団に移籍してほしいなと思います。
川原田純平
高卒4年目で22歳の川原田純平選手。
彼を4月,7月,8月と同じく構想外候補に選んだ理由は、「試合に出ていないから」です。
守備が持ち味の選手ですが、打撃は課題で、今年はその課題をどう克服するかを楽しみにしていました。
ただ足の怪我によって、アピールをする場すらまだありません。
来年は育成再契約が濃厚です。
ウォーカー
今年33歳を迎えるウォーカー選手。
彼を4月,7月,8月と同じく構想外候補に選んだ理由は、「打てていないから」です。
ウォーカー選手は守備面で期待をされている選手ではないので、とんでもなく打つ必要があります。
ただ、一軍で結果を残せず二軍へ降格し、二軍降格してからもなかなか状態を上げることができずにシーズンを終えました。
また、今季の補強期限ギリギリで獲得した新外国人野手のダウンズ選手が、ここ最近一軍で猛アピールしていることもあり、もう試合に出る場所が無いという状況。
複数年契約でもしていない限り、来季もホークスに残ることは難しいでしょう。
生海
大卒2年目で24歳の生海選手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「試合に出られないから」です。
2024年1月の自主トレ中に打球が頭に直撃し、左側頭葉脳挫傷と診断。
競技復帰には1年から1年半を要するそうです。
普通に考えると今オフは一旦育成再契約して、また1からのスタートになるでしょう。
田上奏大
高卒4年目で今年22歳を迎える田上奏大投手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「試合で投げていないから」です。
背部痛からの復活を目指してリハビリ中の田上投手。
もちろん将来のエース候補として期待する部分はあります。
ただ、今季は1試合も試合で投げていないので、一旦育成再契約となる可能性は十分あります。
風間球打
高卒3年目で今年21歳を迎える風間球打投手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「二軍に上がれないから」です。
風間投手は強いストレートとフォークボールが武器の投手。
ただ、それを活かしきれないコントロールの悪さがあります。
三軍四軍で投げてる投手の中でも風間投手の投球の不安定さは3本の指に入るくらいなので、ドラフト1位とはいえ支配下に残るのは厳しい気がします。
野村勇
社卒3年目で今年28歳を迎える野村勇選手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「成績が年々下降しているから」です。
野村選手のプロ1年目は97試合に出場し10本塁打10盗塁を記録するなど、将来の主力として大いに期待を集めました。
ただ、2年目3年目はその持ち前の長打力を存分に発揮できていません。
野村選手がまだ大卒3年目の25歳ぐらいだったら球団はまだ待ってくれると思いますが、野村選手の同世代の選手は主力を張るような選手ばかり(周東佑京選手、栗原陵矢選手)。
ベンチから出る選手としても、内野守備固めの優先順位は川瀬晃選手より低いです。
またジーターダウンズ選手という野村選手と同じ右打ちでパンチ力がある俊足ユーティリティー内野手が現れたことで、希少性も無くなりました。
逃げ場がもうありません。
板東湧梧
社卒6年目で今年29歳を迎える板東湧梧投手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「球速が出ていないから」です。
板東投手はプロ2年目から頭角を現し、そこから一軍で4年連続安定した成績を残しました。
今季は開幕ローテーションに入るぐらいのステップアップを期待されていたものの、未だ一軍登板はゼロ。
本来は常時140キロ後半、最速154キロのスピードボールを投げつつ多彩な変化球で打ち取っていくのが彼の持ち味であるのに、現在は140キロ前後のストレートしか投げることができません。
春季キャンプの時はそこまで心配していませんでしたが、一年を通して状態が上がらないとなると流石に厳しいです。
育成再契約、もしくはリリースになってしまう可能性は十分あります。
澤柳亮太郎
社卒1年目で24歳の澤柳亮太郎投手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「投げれないから」です。
8/10楽天戦で右肘を負傷。
そして9月にトミージョン手術を受けました。
復帰までは1年~1年半かかります。
1年目から戦力として働いていましたが、さすがに1年間投げれない投手に支配下の1枠を使うのはもったいないです。
来季は育成選手として再契約し、復帰してからはまた澤柳投手らしい力強い投球を見せてもらいましょう。
育成契約する前に、他球団に獲得されないことを願います。
牧原巧汰
高卒4年目で22歳の牧原巧汰選手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「二軍定着できていないから」です。
牧原選手の主戦場は三軍。
二軍でも58打席は与えてもらっていますが、これはアピールした三軍選手であれば普通に与えてもらっている打席数です。
同世代の若手捕手の中でトップに立てているなら問題無いですが、1つ上の世代に石塚綜一郎選手という牧原選手を凌駕する打撃力を持つ選手がいます。
三軍戦が主戦場でたまに二軍戦に出場するなら二桁背番号は要りません。
もしこれで今オフ牧原選手が構想外になった場合、ホークスが育成契約する前に他球団が支配下で獲得を検討する可能性があると思います。
渡邉陸
高卒6年目で24歳の渡邉陸選手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「2年間二軍でも結果を残せてないから」です。
2022年にプロ初スタメンで2打席連続本塁打を放つなど鮮烈なプロデビューを飾ったものの、その後は怪我もあり思ったような成績を残せていません。
2023年、2024年の成績だけを見ると、間違いなく構想外です。
それでも、次の正捕手候補として期待を集めている選手。
来季何かのきっかけがあれば大きく花開く可能性を秘めているので、難しい判断になります。
藤田悠太郎
高卒1年目で19歳の藤田悠太郎選手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「前例があるから」です。
高卒1年目を構想外にするなんてありえないと思った方も多いと思います。
ただ、ホークスにはそれをした前例があります。
2020年ドラフト5位の田上奏大投手は1年目オフに育成選手として再契約されました。
田上投手はそこから猛アピールして2年目の初めには再び支配下選手に返り咲きました。
藤田選手の今季の主戦場は三軍四軍戦。
またその中で正捕手を勝ち取ったわけではなく、途中出場が多めです。
三軍四軍戦が主戦場の選手に二桁背番号はもったいないので、一度育成選手になる可能性は十分あります。
まとめ
今回名前を挙げた以下の12名は、育成再契約もしくは退団の可能性が非常に高いです。

この中でも特に育成再契約もしくは退団になる可能性が高いのが、風間球打投手、ウォーカー選手、笠谷俊介投手、生海選手、田上奏大投手、川原田純平選手、澤柳亮太郎投手の7名。
板東湧梧投手、野村勇選手、渡邉陸選手、藤田悠太郎選手、牧原巧汰選手の5名に関してはまだ支配下に生き残る可能性が僅かですがあります。
最後まで悩んだ選手
実はこの他にも、村田賢一投手、中村晃選手、中村亮太投手の名前を挙げようか悩みました。
村田賢一投手は前半戦と後半戦で投球内容がガラッと変わっています。
前半戦の内容ならば間違いなく支配下キープは確実ですが、後半戦は球威制球共にイマイチでアピールとはなりませんでした。
中村晃選手は慣れない代打起用というところで難しい調整を強いられ、今季はなかなか良い成績は残せませんでした。
ただ、ヤクルトの川端選手でも代打転向1年目は苦しんだので、少なくとも1年は様子を見るのではないかという予想をしました。
中村亮太投手は今季支配下登録されたものの一軍でボコボコに打たれました。
ただ、二軍での投球内容は素晴らしく、配球面を意識すれば一軍で活躍できる可能性はあります。
高卒選手の難しさ
高卒1年目2年目3年目の選手はすぐ一軍二軍の戦力になるのは難しく、今の中堅ベテランがしっかり活躍するとなると、一旦育成選手にというパターンは出てきてしまいます。
イヒネイツア選手や木村大成投手だってその可能性はゼロではありません。
特にイヒネ選手は二軍で使ってもらっていた立場なので、考え方次第では育成再契約も十分あり得ます。
現役ドラフトも見据えて
ドラフトで獲得する選手が5名ではなく4名になったり、育成~支配下に上がる枠が5枠から4枠になることによって、構想外選手の数は減ります。
個人的に今オフはこのようにして、プラスを増やすよりもマイナスを減らす方が良いと私は考えます。
構想外選手を出した後に、次は現役ドラフト選手を必ず2名提出しなければなりません。
大竹耕太郎投手や水谷瞬選手のように間違いなく戦力になるような選手が確実に他球団に移籍してしまいます。
この2名は他球団で主戦力になるというか、ホークスにいたとしても主戦力になっている選手なので、正直この現役ドラフトはホークスにとって無い方が良かったです。
長谷川威展選手は貴重な中継ぎ左腕として活躍していますが、一軍で350打席近く立ってOPS.800近くの23歳なんて今のホークスにはいません。
惜しい人材を手放しました。
現役ドラフトは、他球団を強くするための制度では決してないので、ホークスの未来の為に提出選手を決めて欲しいと切に願います。
コメント
現役ドラフトはおそらく大きなプラスを稼ぎづらいリリーフの投手を中心に放出するのが正解な気はしますね、先発やプロスペクトの若手野手を放出するのは流石にやりすぎました
今年でいえば、田浦投手などは現役ドラフト候補として名前が上がりそうな気がします
野手でいえば、佐藤直樹選手の支配下復帰で外野の守備走塁要員としてキャラが被ってしまった緒方選手などは候補に上がりそうです
戦力外候補の交換場ではないことは前提に、戦力にはなるけれども失ってもさほど痛くないというバランス感覚が要求される制度に見えます
全くその通りですね。