2024/9/8、福岡ソフトバンクホークスvs埼玉西武ライオンズの一軍公式戦が行われました。
結果は3-1でホークスが勝ちました。
今回はこの試合の全体的な感想をホークス目線で振り返ります。
ホークス投手&野手も個別に取り上げます。
野手に関しては9月の一軍打撃成績も載せてます。
全体的な感想
「総力戦」
まさにこの言葉がぴったりの試合となりました。
ホークスは今季最長の4連敗中。
怪我・不調が続出し、チーム状況としては最悪。
そんな中で、選手と首脳陣が今やれるベストを尽くし、勝利を掴むことができた。
これは非常に大きなことです。
ホークスがまた一歩、チームとして成長した瞬間です。
この総力戦ができたのは今日だけの力ではありません。
カード初戦、2戦目を思い出してください。
初戦は有原航平投手が8回1失点。
2戦目はスチュワート投手が7回1失点。
この2試合の先発の頑張りと明日は休養日であることの2つが重なり、このマシンガン継投は実現できました。
全員の力を合わせてギリギリで掴んだ1勝。
この勢いの灯火を消したくはありません。
投手
松本晴
松本晴投手は5.2回1失点の投球でした。
全99球の内、ストライク67ボール32。
印象としては「力を出し尽くす」です。
今回の松本晴投手は、ヒーローインタビューでも語っていましたが、「先制点を与えない」ことを第一に、常に全力投球で打者を抑えていきました。
立ち上がりは抜群の投球で、打者は松本投手のストレートに対応できていませんでした。
甲斐拓也選手の2点タイムリーの直後の3回裏はなんと三者連続三振。
流れを一気にホークス側に引き寄せました。
徐々にバテテきて5回表には1点を失うものの、連敗中の重いムードを吹き飛ばすような投球だったと思います。
ホークスは5回裏無死一三塁の大チャンスを活かせず嫌な流れに。
そんな中で6回表のマウンドにも上がり、声を出して投げるなど最後まで力を振り絞りました。
最後はこの試合初めての四球を出し途中交代という形になりましたが、大きな拍手を送りたいです。
岩井俊介
岩井俊介投手は0.1回無失点の投球でした。
全5球の内、ストライク4ボール1。
印象としては「追い込んでから投げ間違えない」です。
松本投手からの熱いバトンを受け、2死一二塁のピンチで登板した岩井投手。
当然、気合は入ります。
さらに、前回登板ではかなり悔しい結果。
今回の登板では絶対に抑えたいという思いがあったでしょう。
その気持ちが投球に表れました。
外崎選手を簡単にストレート2球で追い込むと、そこから外に逃げるスライダーを3球連続で投げ切り左飛。
2球目のストレートは甘かったですが、良いリベンジ登板となりました。
前回登板で水谷選手に決勝打を打たれた配球と今回の配球は似ています。
水谷選手に対しては、ストレート2球で追い込んだあとにスライダー2球で空振りを狙うも振ってもらえず、5球目のストレートが甘く入って左安。
5球目にスライダーを投げ切れたか、ストレートが甘く入ったかの違いだけです。
1球の怖さを知った岩井投手の今後が非常に楽しみです。
大山凌
大山凌投手は0.2回無失点の投球でした。
全15球の内、ストライク5ボール10。
印象としては「甘いところには絶対投げない」です。
1点差で登板しているということで、ソロホームランも許されない場面。
本当は同点になるだけなのでソロホームランはOKですが、今のホークスのチーム状況を考えた時に同点は負け越しに等しいです。
いつも以上に慎重に投球する大山投手がそこにはいました。
先頭打者の山野辺選手の打球はボテボテの投ゴロ。
これを大山投手の見事なフィールディングと途中出場でファーストに入っていた川瀬晃選手の反応によってアウトにできた。
このプレーがまず大きかったです。
渡部選手には本塁打を怖がり四球。
炭谷選手は犠打。
長谷川選手はタイムリーを怖がり四球。
前回登板のこともあるので、仕方ないと言えば仕方ないですが、少し逃げているようにも見えました。
炭谷選手は前の打席でタイムリーを放っていたので、普通に打ってこられる方が確実に嫌でした。
逃げながらでもアウトを2つ取れたことは良かったと思います。
大山投手は1球の怖さを知りすぎました。
長谷川威展
長谷川威展投手は0.1回無失点の投球でした。
全4球の内、ストライク3ボール1。
印象としては「火消し」です。
長谷川投手よりも実績が無く若い投手が何とか試合を作っていたということで、ここは自分が何とかしたいという気持ちだったと思います。
その気持ちが投球に表れ、2死一二塁のピンチで源田選手を三振に打ち取りました。
初球は外角低めのストレートでボール。
2球目はまた外角のストレートでストライク。
3球目は内角に食い込むツーシームで空振り。
4球目は外角から外に逃げるスライダーで空振り三振。
無駄な球、甘い球が1球もありません。
これまでは結果を残しながらも大事な場面を任されることは多くありませんでした。
ただ、チーム事情も相まって、これから長谷川投手にかかる期待はかなり大きくなります。
杉山一樹
杉山一樹投手は1回無失点の投球でした。
全16球の内、ストライク10ボール6。
印象としては「ヒヤヒヤ」です。
先頭の西川選手には低めのストレートを捉えられるも、ライト正木智也選手のランニングキャッチでアウト。
佐藤選手にはボール先行のカウントになってしまい、四球を出したくないということで真ん中のストレートを連発。
結果的にレフトへの二塁打を許しました。
平沼選手にはフォークでカウントが取れ、最後は外角のストレートで見逃し三振。
外崎選手には高めのストレートを弾き返されるも、途中出場のセンター周東佑京選手のランニングキャッチでアウト。
何とか無失点で凌ぐことが出来ました。
杉山投手はまだ1点差の勝ちパターンで投げさせるような投手ではありません。
周りを見渡した時に、杉山投手しかいないから杉山投手が投げてるだけです。
ただ、このまま彼がこのポジションに収まる可能性も十分あります。
球の力は素晴らしいからです。
これまで比較的楽な場面で投げてきて防御率1点台。
もしも杉山投手がセットアッパーのポジションを楽だと思えるようになれば、自然と結果はついてきます。
ヘルナンデス
ヘルナンデス投手は1回無失点の投球でした。
全19球の内、ストライク11ボール8。
印象としては「甘い球ゼロ」です。
打者3人に対して19球と、球数は少し多くなってしまいましたが、甘い球はゼロ。
慎重に丁寧に投球していたことが分かります。
また、今回ヘルナンデス投手が投げた球は全てストレート。
力で押し切れないかもしれない打者と対峙した時はスライダーを挟むので、今回は力で押し切れるという判断だったのでしょう。
7番山野辺選手、8番途中出場の奥村選手、9番代打の蛭間選手。
守護神を任されているので、さすがに下位打線の並びは力で押し込んでもらわないと困ります。
野手
ホークス選手の9月一軍打撃成績がこちら。(2024/9/8時点)
<スタメン>
<スタメン外>
ホークスのこの試合での得点は甲斐拓也選手の2点タイムリーと、近藤健介選手の犠牲フライによる3点。
甲斐選手のタイムリーは1球前のボール判定が勝負を分けました。
2-2からの5球目のインローストレートは甲斐選手が全く反応できない程に最高の球でしたが判定はボール。
3-2となって8番の甲斐選手に四球を与えるのはもったいないという心理が武内投手に働き、その心理を甲斐選手が読み切り少し甘く入ったストレートを捉えました。
近藤選手の犠牲フライはラッキーです。
近藤選手が犠牲フライを打てたのがラッキーなのではなく、近藤選手と勝負してくれたのがラッキーです。
8回裏2-1でホークスがリードの場面。
ホークスが次に1点でも取れば試合が決まります。
2点も3点も変わりません。
先頭の今宮健太選手が四球で出塁し、牽制悪送球で無死二塁。
栗原陵矢選手の送りバントで1死三塁。
ここで山川穂高選手を申告敬遠。
ここまでは分かります。
ただ、1死一三塁で近藤選手を申告敬遠しないのは意味が分かりません。
ホークスの中でというか、NPBの中で一番打つ選手との勝負を選ぶという形になってます。
ライオンズはこのカードで近藤選手との勝負を避けて正木選手勝負を選ぶという形が多かったので、たまには近藤選手と勝負して良い経験をさせようという采配だったのでしょうか。
ホークスにとっては5回無死一三塁のチャンスを活かせなかった嫌な流れがあっただけに、この1点は非常に大きかったです。
1点ではなく3点4点ぐらいの価値がありました。
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