2023年10月26日に今年もプロ野球ドラフト会議が行われます。
それに先駆けて、
今回はホークスのドラフト考察を行っていきます。
チーム編成とチーム状況を全体的に見て、補強すべきポイントを分析していきます。
投手編
まずは投手から見ていきましょう。
先発・中継ぎ
上の表はホークスの支配下投手を生まれ年で分けたものです。
支配下投手は全部で35人。
そして現在の起用法で見た時に内訳は
先発14人,中継ぎ21人です。
ここから私が感じたことを書いていきます。
若手、中堅、ベテランの定義
若手中堅ベテランの定義は非常に曖昧です。
30歳以上は中堅?20代は若手?20代でも後半は中堅?といった感じです。
だから上の表を見て私が勝手に決めました。
明らかに人数が多い世代が
1999年から1995年生まれなので、
そこを基準(中堅選手)とし、
その前後を若手ベテランに設定しました。
ホークス投手を分かりやすく表すとこうなります。
2004~2000年生まれは若手
1999~1995年生まれは中堅
1993~1989年生まれはベテラン
1981年生まれは大ベテラン
どうでしょうか。
高卒だと6年目から11年目、
大卒だと2年目から7年目が中堅選手に該当します。
中堅選手が中心選手として回るのが理想的なので数が多いのも納得です。
中堅選手の課題
中心選手として回ってほしい支配下の中堅選手(1999~1995年生まれ)は以下の通りです。
オスナ,古川侑利,椎野新,高橋礼,モイネロ,板東湧梧,松本裕樹,藤井皓哉,甲斐野央,ヘルナンデス,泉圭輔,笠谷俊介,高橋純平,杉山一樹,大関友久,津森宥紀,大津亮介,尾形崇斗,田浦文丸,スチュワート
中堅選手全20選手の内、
太字で示した16選手(80%)が中継ぎ投手です。
藤井投手はシーズン途中からの中継ぎだったので微妙な所ではありますが。
この中のほとんどの選手が主力投手として活躍していることが、パリーグ1位の救援防御率2.68に表れています。(2023年シーズン)
ただ課題もあります。
「中堅選手の先発が少なすぎる」ことです。
先発も中継ぎも主要な役割は中堅選手が務めるのが理想ですが、現在は板東投手とスチュワート投手の2投手しか先発ローテーションには入っていません。
中堅選手が先発をやらないとなると、ベテランか若手にその責任は押し付けられることになります。
ホークスにベテランの先発投手が多いのはそういうことです。
ベテラン中心の2023年の先発成績はQS率12球団最下位(38.46%)、先発防御率パリーグ5位(3.63)と完全なチームのウィークポイントになっています。
右投手・左投手
上の表は世代ごとに、支配下投手を右投げ左投げで分けたものです。
見てわかる通り、
右投げが多くて25人,左投げは10人です。
右投手
2023年の支配下右投手25人がこちら
東浜巨,又吉克樹,ガンケル,石川柊太,森唯斗,有原航平,武田翔太,オスナ,古川侑利,椎野新,高橋礼,板東湧梧,松本裕樹,藤井皓哉,甲斐野央,泉圭輔,高橋純平,杉山一樹,津森宥紀,大津亮介,尾形崇斗,スチュワート,木村光,田上奏大,風間球打
若手,中堅,ベテランというカテゴリーで分けると、中堅,ベテランに集中していることが分かります。
黄色がベテラン、赤が中堅、青が若手です。
そのため、高校生大学生で良い投手がいれば右も補強ポイントになります。
特に昨年は高校生右投手を獲得していないので、可能性は高いのではないでしょうか。
左投手
右投手と同様、支配下左投手10人もまとめました。
和田毅,嘉弥真新也,モイネロ,ヘルナンデス,笠谷俊介,大関友久,田浦文丸,松本晴,木村大成,大野稼頭央
左投手に関してはバランスよく、ベテラン中堅若手がいます。
ただ、そもそもの数が非常に少ないです。
数が少ないことで今シーズンはかなりバタつきました。
- 嘉弥真投手が不調→田浦投手が役割を受け継ぐ
- モイネロ投手が怪我→シーズン途中にヘルナンデス投手補強→まだ穴は埋められていない
木村投手と大野投手は育成段階ということでまだ戦力とは見ていない分、その他の選手が怪我無く仕事を果たすことが当たり前のようになっています。
昨年まで嘉弥真投手は6年連続50試合登板。
今年も50試合登板してくれるだろう。
そんなうまくいくはずがありません。
和田投手は来年43歳のシーズン。
モイネロ投手は来年オフにメジャー移籍の可能性。
先々を考えると良い左投手は何人いても困りません。
結論
中堅に中継ぎ投手が多い。
ベテランに先発投手が多い。
中堅ベテランに右投手が多い。
左投手は全体的に少ない。
以上からドラフトで最優先すべきは
左投げの即戦力先発投手になります。
次に左投げの高校生先発投手、その次に右投げの高校生先発投手です。
ドラフト1位候補は大阪桐蔭高校前田投手、國學院大學武内投手、東洋大学細野投手、山形中央高校武田投手の4投手に絞られてきます。
野手編
続いて野手です。
捕手・内野手・外野手・指名打者
投手と同様、ホークスの支配下野手を生まれ年で分けました。
ポジションの振り分けに関しては、複数ポジションを守る選手が多いホークスなので迷いました。
外野手登録なのに内野ばかり守っている選手もいるので。
だから、どのポジションか分かりにくい選手は独断と偏見で私が決めたので、下に表示しておきます。
中村晃選手 内野手(1989年)
牧原大成選手 外野手(1992年)
周東佑京選手 外野手(1996年)
栗原陵矢選手 内野手(1996年)
谷川原健太選手 捕手(1997年)
増田珠選手 外野手(1999年)
正木智也 外野手(1999年)
この結果、支配下野手は35人。
内訳は捕手8人,内野手13人,外野手14人です。
チーム編成について思うこと
チーム編成について思うことは「捕手多すぎ」です。
野球において捕手のポジションは1,内野手のポジションは4,外野手のポジションは3です。
つまりホークスでは捕手は8人に1人,内野手は3.25人に1人,外野手は4.67人に1人が試合に出れます。
ホークスの捕手が他のポジションで挑戦したくなる気持ちがよく分かります。
中堅選手の課題
投手と同様、若手中堅ベテランをこう定義します。
2004~2000年生まれは若手
1999~1995年生まれは中堅
1993~1986年生まれはベテラン
この結果、チームの中心として働いてもらいたい中堅選手は以下の14人です。
<捕手>
谷川原健太,海野隆司,九鬼隆平
<内野手>
栗原陵矢,野村勇,川瀬晃,三森大貴,リチャード
<外野手>
上林誠知,周東佑京,柳町達,佐藤直樹,増田珠,正木智也
ポジション別に見ていきます。
捕手
ホークスの支配下捕手8人をまとめました。
嶺井博希,甲斐拓也,谷川原健太,海野隆司,九鬼隆平,渡邉陸,吉田賢吾,牧原巧汰
黄色がベテラン、赤が中堅、青が若手です。
バランスはとれているのではないでしょうか。
ただ、中心として回ってほしいはずの中堅選手が中心ではありません。
2023年度,一軍143試合のスタメンマスクの内訳はこちら
甲斐拓也選手130試合
嶺井博希選手9試合
谷川原健太選手4試合
中堅選手の内、スタメンマスクがあったのは谷川原選手の4試合だけです。
内野手
支配下内野手13人をまとめました。
ガルビス,中村晃,今宮健太,アストゥディーヨ,栗原陵矢,野村勇,川瀬晃,三森大貴,リチャード,野村大樹,川原田純平,井上朋也,イヒネイツア
ベテラン中堅若手のバランスはとれています。
一塁手
2023年度,一軍143試合の一塁手のスタメン内訳はこちら
中村晃選手 118試合
野村大樹選手 12試合
アストゥディーヨ選手 9試合
井上朋也選手 2試合
リチャード選手 1試合
増田珠選手 1試合
中堅選手は野村大樹選手,リチャード選手,増田選手3人合わせてたった14試合のスタメン出場です。
若手の井上朋也選手が出始めたことは良いですが、
中村晃選手の背中は果てしなく遠いです。
二塁手
2023年度,一軍143試合の二塁手のスタメン内訳はこちら
三森大貴選手 74試合
牧原大成選手 38試合
川瀬晃選手 14試合
野村勇選手 7試合
ガルビス選手 6試合
周東佑京選手 4試合
セカンドに関しては三森選手を始め、中堅選手が奮闘しています。
三塁手
2023年度,一軍143試合の三塁手のスタメン内訳はこちら
栗原陵矢選手 94試合
リチャード選手 15試合
井上朋也選手 11試合
野村勇選手 10試合
川瀬晃選手 7試合
周東佑京選手 5試合
ガルビス選手 1試合
サードは全体的に中堅選手が奮闘しています。
特に栗原選手はレギュラーに相応しいスタメン試合出場数です。
シーズン終盤から若手の井上選手がスタメン試合数を伸ばし、結果を残していることがさらに良い傾向です。
遊撃手
2023年度,一軍143試合の遊撃手のスタメン内訳はこちら
今宮健太選手 120試合
川瀬晃選手 20試合
野村勇選手 3試合
ショートができる中堅2選手が合わせて23試合にスタメン出場していますが、ベテラン今宮選手の試合数には遠く及びません。
外野手
支配下外野手14人をまとめました。
デスパイネ,柳田悠岐,牧原大成,近藤健介,ホーキンス,上林誠知,周東佑京,柳町達,佐藤直樹,増田珠 ,正木智也,生海,水谷瞬,笹川吉康
ベテラン中堅が多く若手が少ないです。
左翼手
2023年度,一軍143試合の左翼手のスタメン内訳はこちら
近藤健介選手 99試合
柳町達選手 28試合
増田珠選手 6試合
中村晃選手 4試合
上林誠知選手 3試合
正木智也選手 1試合
佐藤直樹選手 1試合
周東佑京選手 1試合
近藤選手の一強に何とか中堅の柳町選手が食らいついているという状況です。
柳町選手には心底同情します。
昨年はレギュラーへの足掛かり的なシーズンだった中で、今年の最初の方は試合にすら出してもらえなかったので。
中堅手
2023年度,一軍143試合の中堅手のスタメン内訳はこちら
牧原大成選手 52試合
周東佑京選手 43試合
柳町達選手 24試合
上林誠知選手 10試合
正木智也選手 6試合
佐藤直樹選手 4試合
近藤健介選手 4試合
ベテラン牧原選手がセカンド(38試合)とセンター(52試合)で万能ぶりを発揮していることが分かります。
中堅選手(周東,柳町,上林,正木,佐藤)は5人で計87試合にスタメン出場しました。
右翼手
2023年度,一軍143試合の右翼手のスタメン内訳はこちら
柳田悠岐選手 76試合
柳町達選手 39試合
増田珠選手 9試合
中村晃選手 8試合
上林誠知選手 5試合
正木智也選手 3試合
生海選手 2試合
周東佑京選手 1試合
ポジション別に見ると、ライトのスタメンの人数が一番多くて8人です。
柳町選手はレフトで28試合,センターで24試合,ライトで39試合と外野は満遍なく出場しています。
外野でもポジションによって見え方は違うので、どこでも守れるのは非常にありがたいです。
指名打者
2023年度,一軍143試合の指名打者のスタメン内訳はこちら
柳田悠岐選手 67試合
近藤健介選手 39試合
デスパイネ選手 10試合
DH無し(セリーグ主催) 9試合
野村大樹選手 5試合
栗原陵矢選手 3試合
中村晃選手 3試合
ホーキンス選手 3試合
アストゥディーヨ選手 2試合
野村勇選手 1試合
生海選手 1試合
ここはやはりベテラン選手が多くを占めます。
ホークスにとって指名打者は、守備が苦手な選手の場所というより常に試合に出ているベテラン選手が守備を休む場所という位置づけです。
チームとしての課題
ホークスはベテラン野手が中心のチームということを踏まえた上で、チーム打撃成績を見ていきます。
2023年度の主なチーム打撃成績はこちら
打率.248(パリーグ2位)
本塁打104(パリーグ2位)
打点513(パリーグ1位)
出塁率.319(パリーグ2位)
長打率.360(パリーグ2位)
OPS.679(パリーグ3位)
全体的に上位の数字が並び、打点は1位と言うことありません。
ただ課題はあります。
成績の大部分を占めているのが柳田選手と近藤選手だということです。
パリーグの主要な打撃ランキングでは2人の名前が常にあります。
近藤選手と柳田選手はいつまでも打ちまくるわけではないですし、柳田選手に関しては来年36歳のシーズンになります。
次世代の長距離砲、怪物は間違いなく求められます。
右打者・左打者
上の表は世代ごとに、支配下野手を右打ち左打ち両打ちで分けたものです。
その結果、右打ち18人,左打ち16人,両打ち1人という結果になりました。
これから支配下の右打者,左打者についてはまとめますが、両打ちの支配下選手はガルビス選手だけなのでまとめられません。ご了承ください。
右打者
支配下右打者18人をまとめるとこうなります。
デスパイネ,嶺井博希,今宮健太,アストゥディーヨ,甲斐拓也,ホーキンス,野村勇,海野隆司,九鬼隆平,佐藤直樹,増田珠,リチャード,正木智也,野村大樹,吉田賢吾,水谷瞬,川原田純平,井上朋也
黄色がベテラン,赤が中堅,青が若手です。
少しベテランが多いかなというくらいで、全体的にはベテラン中堅若手のバランスがとれています。
ただどうでしょう。
今年レギュラーとして回っているのはベテランの2人(今宮選手,甲斐選手)だけではないでしょうか。
中心として回っていくべき中堅選手がゼロなのは非常に寂しいです。
使いたいと思わせない選手が悪いのか、使わない首脳陣が悪いのか、果たしてどちらでしょうか。
前者であれば即戦力補強は必須、後者であれば将来性重視でいいです。
左打者
支配下左打者16人もまとめました。
柳田悠岐,中村晃,牧原大成,近藤健介,上林誠知,周東佑京,栗原陵矢,谷川原健太,柳町達,川瀬晃,三森大貴,生海,渡邉陸,笹川吉康,牧原巧汰,イヒネイツア
ベテラン中堅若手のバランスが取れています。
ただ、4人しかいないベテラン選手が全員レギュラー選手です。
中堅選手では栗原選手がレギュラー、柳町選手と三森選手がほぼレギュラーという立ち位置です。
ドラフトでこの状況をどう持っていくかというところですが、ここも右打者と同様です。
使いたいと思わせない中堅選手が多ければ即戦力野手、使わない首脳陣が悪いのであれば将来性重視でいいです。
結論
支配下捕手が多すぎる。
外野手はベテラン中堅に多く若手が少ない。
ベテラン野手が全体的にチームの中心。
レギュラーは左打者多め。
現在の課題は長打力。
若手は一軍出場試合数があまりに少ない。
以上からドラフトで最優先すべきポジションの選手はサード以外の全てです。
ただ、それじゃあまりにざっくりしすぎているので個人的な見解を述べます。
最優先すべきはセンターが守れて、長打力もある右打ちの即戦力外野手です。
そんな選手がいるかどうかは別として、理想を詰め込みました。
次に二遊間を守れる強打の即戦力内野手、最後に長打力のある高校生野手です。
捕手は守備型打撃型若手と揃っているので、来年高校生を取れば間に合うかなと思います。
凄い選手がいるなら別ですが。
退団選手との兼ね合い
ドラフトは退団選手との兼ね合いが間違いなくあります。
内野手がたくさんチームを離れたら、ドラフトで内野手を取りに行くことは当然のことです。
今いる選手よりも、ドラフト選手の方が良いと判断して球団は獲得に向かいます。
「何か事を起こしてくれそう」でおなじみの川島慶三選手が2021年オフに退団し、彼の背番号99を野村勇選手が受け継ぎましたが、これも川島選手と野村勇選手を比較してのことだと推測します。
それで今年退団もしくは戦力外が間違いない選手を心苦しいですが書き出しておきます。
佐藤直樹,九鬼隆平,高橋純平,ガンケル,アストゥディーヨ,ガルビス,デスパイネ,ホーキンス
8人のポジションの内訳は先発1,中継ぎ1,捕手1,内野手2,外野手3で、右左の内訳は右投手2,左投手0,右打者5,左打者0,両打者1です。
右投手は元々多いというところであまり考えないで良くて、右打者と外野手はごっそり抜けるので補強が必要となります。
最新の戦力外,退団選手予想はこちらをご覧ください。
優先すべきは野手か投手かNo.1選手か???
最後にドラフトの優先順位を考察します。
投手と野手を比較すると、やっぱり投手の方が優先順位は高いです。
だから、ドラフト1位は左の先発投手です。
即戦力を取るか、将来性を取るかは分かりません。
注目が集まる高校BIG3を獲得しつつ、12球団ワーストの先発陣を整備するのはちょっと都合が良すぎる気がします。できれば最高ですが。
ドラフト2位も左の先発投手。
3位で右の即戦力外野手。
4位で高卒右投手。
5位は社会人即戦力投手。
6位は長打力のある野手。
こんな感じでいけたら個人的には理想的です。
また、これに評価の高さも加味して、最終的な獲得順が決まります。
コメント
今年は10月26日開催なんだけど…
ご指摘ありがとうございます!