2023年度シーズンのソフトバンクホークスは投打に精彩を欠く場面が目立ちました。
特に投手は先発の安定感、野手は打線の長打力です。
野手の長打力不足の理由の1つに外国人野手の不発が挙げられます。
2023年度の外国人選手のホームランはアストゥディーヨ選手の1本だけです。
長年外国人選手の長打力に頼り切っていたホークスにとって、この結果は順位に直接影響してます。
投手に関しては、外国人投手は十分な働きを見せてくれているものの、日本人投手がなかなか結果を残せないので、総合的に安定感が無いです。
モイネロ投手が怪我をする前も、8,9回に繋ぐ形が難しかったです。
スチュワート投手の成長はチームにとってプラスに働いています。
オスナ投手の退団が考えられる中で、中継ぎの補強や最重要の先発補強と、長打力のある野手を補強しつつ、外国人枠の問題を考えなければならないという難しい状況です。
過去10年のホークスが獲得した外国人選手
ここで2014年~2023年の10年間でホークスが獲得した外国人選手をまとめてみました。
因みにカッコ内の年齢は入団時の年齢です。
2023年
ロベルト・オスナ(27)
ジョー・ガンケル(30)
コートニー・ホーキンス(29)
ウイリアンス・アストゥディーヨ(31)
ダーウィンゾン・ヘルナンデス(26)
※再入団アルフレド・デスパイネ(36)
2022年
タイラー・チャトウッド(32)
フレディ・ガルビス(32)
※再入団コリン・レイ(31)
2021年
ニック・マルティネス(31)
コリン・レイ(30)
ダリエル・アルバレス(32)
2020年
ウラディミール・バレンティン(36)
マット・ムーア(30)
2019年
カーター・スチュワート(19)
※育成~支配下オスカー・コラス(20)
2018年
ジュリスベル・グラシアル(32)
アリエル・ミランダ(29)
2017年
アルフレド・デスパイネ(31)
カイル・ジェンセン(28)
※育成~支配下リバン・モイネロ(21)
2016年
ロベルト・スアレス(24)
2015年
リック・バンデンハーク(29)
2014年
デニス・サファテ(33)
ブライアン・ウルフ(34)
李大浩(32)
※再入団ジェイソン・スタンリッジ(36)
バーバロ・カニザレス(33)
ここで注目したいのは太字で示した選手です。
太字の選手はNPBのホークスを除く11球団から獲得した選手です。
10年間で獲得した28選手中9選手,割合にして
約32%を他球団から獲得しています。
NPBの実績がある選手だから、活躍の可能性が高いというのが獲得の理由です。
よって今オフもNPBで活躍した選手を獲得する可能性が非常に高いです。
また、野手に限るとガルビス選手,コラス選手を除き、約83%が右打ちです。
少なくとも10年間、右打者の日本人選手、それも長距離砲を育てることができていないことが分かります。
獲得の可能性が高い外国人選手
上記を踏まえた上で、今オフ獲得しそうな外国人選手をNPBから探していきます。
アリエル・マルティネス
ホークスの主砲、柳田選手はDHの方が活躍します。
詳しくはこちらをご覧ください。
柳田悠岐選手 8/31,16:00時点
— うえでぃー (@hawksdiaryuedii) August 31, 2023
トータル
打率.306,出塁率.386,長打率.500,OPS.886
守備に就いた試合
打率.277,出塁率.352,長打率.468,OPS.820
DHで出場した試合
打率.340,出塁率.425,長打率.538,OPS.964
柳田選手を活かす打線を組むのであれば、DHが主の選手ではなく守れて打てる選手が求められます。
日本ハムのマルティネス選手は本職が捕手ですが、今年は一塁を守ったりとユーティリティ性が見られます。
ホークスの一塁手、捕手は中村晃選手、甲斐選手のポジションですが、今季の打撃成績ではマルティネス選手に軍配が上がります。
2023年度の一軍打撃成績比較がこちら
- マルティネス選手 打率.246,本塁打15,打点66,出塁率.338,長打率.425,OPS.763,得点圏打率.344
- 中村晃選手 打率.274,本塁打5,打点37,出塁率.351,長打率.337,OPS.688,得点圏打率.226
- 甲斐選手 打率.202,本塁打10,打点44,出塁率.269,長打率.333,OPS.602,得点圏打率.229
守備の部分ではゴールデングラブ賞の二人に劣りますが、それをカバーする打撃力があります。
さらに、同じくキューバ代表で戦ったモイネロ投手がホークスにいること、そして27歳とまだまだ伸びしろがあること。
総合的に考えて、
ホークスが獲得に動かない理由が見つかりません。
日本ハムとの契約は1年なので、近藤選手の後ろを打つ選手としてオファーをかけるでしょう。
<追記>
マルティネス選手がファイターズに残留することが分かりました。
【日本ハム】マルティネス、来季も残留 「勝負強い打者は大好き」新庄監督も絶大の信頼https://t.co/yQU3SID4H7
— ドラペイ (@Dorapeinet) September 8, 2023
日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(27)が来季も残留することが8日、分かった。昨オフに中日から加入。日本ハムは1年契約と発表していたが、両者は24年シーズンの契約… pic.twitter.com/Zh8MMOB9AG
これでホークスが獲得の意思を見せたとしても、移籍しないことが確定しました。
レアンドロ・セデーニョ
オリックスのセデーニョ選手は、今季打つ方でアピールしています。
5月に支配下登録されるといきなり打ちまくりました。
2023年度の一軍打撃成績がこちら
打率.244,本塁打9,打点34,出塁率.278,長打率.438,OPS.716,得点圏打率.292
まだ25歳というところで、伸びしろは十分。
ただ、守備に不安があるということで、一軍ではなかなか守備に就かせてもらえていません。
そこが難しいところです。
右の長距離砲としてDHで結果を残したとしても、柳田選手が常にライトの守備に就かなければならなくなるので柳田選手の数字が落ちます。
かといって代打で外国人枠を使うのももったいない気はします。
あとはフロントがどう考えるかです。
打つことだけを考えて、ホーキンス選手やデスパイネ選手を獲得したフロントなら獲得はありえます。
<追記>
セデーニョ選手のオリックス残留が確定しました。
ルイス・ブリンソン
今年巨人のセンターを守っているブリンソン選手も獲得の候補に入ってきます。
まずはやはりセンターを守れるというところ。
ホークスはセンターの選手で打撃に特化した選手がいないので、十分にレギュラー争いする力はあると思います。
2023年度の一軍打撃成績がこちら
打率.248,本塁打11,打点35,出塁率.272,長打率.422,OPS.694,得点圏打率.288
ただ、全てにおいて「粗い」というのが個性としてあります。
怠慢な打球判断、走塁、守備。
緻密な野球とは正反対の選手です。
そこをどう判断するかにはなってきますが、獲得してみても面白いとは思います。
ネフタリ・ソト
DeNAで6年間の実績があるソト選手も獲得候補に入ります。
2023年度の一軍打撃成績がこちら
打率.234,本塁打14,打点50,出塁率.316,長打率.415,OPS.731,得点圏打率.278
全盛期と比べると見劣りする部分はありますが、それでも一定の結果を残しています。
正直、来年35歳という部分が気になりはします。
ただ、マルティネス選手やセデーニョ選手の残留が早々に決まったことで獲得候補に入れざるを得ない状況です。
新しくNPB外から外国人選手を連れてくるリスクと、日本での実績があるソト選手の安定感を天秤にかけるとソト選手の優先度が高いです。
もちろんリスクを取って凄い新外国人を見つけてきたらそれがベストですが。
ソト選手は内野手としてはもちろん、
勝負所での右の代打としても重宝します。
また、世代交代を図るための壁となる存在がチームには必要なので、ホークスに加わればそういった役割も任されることになるでしょう。
グレゴリー・ポランコ
ロッテで今年本塁打王に輝いたポランコ選手も候補に入ります。
2023年度の一軍打撃成績がこちら
打率.242,本塁打26,打点75,出塁率.312,長打率.450,OPS.762,得点圏打率.248
正直、初めは獲得候補から外してました。
指名打者が中心の選手だからです。
柳田選手が守備に就かざるを得ない状況になると、柳田選手のパフォーマンスが落ちてしまいます。
他にも30代半ばの選手がたくさんいるホークスにおいて指名打者が固定されてしまうのは良い状況とは言えません。
ただ、指名打者が中心のデスパイネ選手と再契約をしたりと、球団フロントはあまりポジションを深くは考えていないようです。
それならば、ホームラン王を獲得したポランコ選手は獲得リストに入ってきます。
ポランコ選手の立場から考えると、
ロッテに残った方が絶対良いです。
柳田選手とDHのポジション争いをしたり、ずっとベンチで代打要因として待機したり、それによって調子を落としたりと様々なことが考えられるからです。
加えてホークスは左が飽和状態かつ、ポランコ選手は左を苦にしているので、さらに相手球団は左投手をぶつけやすくなります。
トレバー・バウアー
先発を本気で補強したいのならば、
DeNAのバウアー投手一択です。
2023年度の一軍投手成績がこちら
19先発,防御率2.76,投球回数130.2,奪三振率8.95,QS率78.9%,WHIP1.15
これだけでも凄いですが月別成績を見ると凄さがより分かります。
一軍初登板となった5月の防御率は4先発で6.86
そこから日本野球に適応し、
6月は2.08,7月は2.23,8月は1.67と数字を大きく改善させました。
さすがサイヤング賞投手です。
また、自身のYouTubeチャンネルでトレーニング方法や体のケア等を紹介しているところを見ると、自分の体を知り尽くしている選手だと分かります。
先発ローテーションを一年間守ってくれる投手です。
オスナ投手が退団するのであれば、外国人投手枠が1つ空くので、来てくれるかどうかは別としてオファーは必ずかけるべきです。
ヨアンダー・メンデス
メンデス投手は巨人先発陣の一角です。
2023年度の一軍投手成績がこちら
16先発,防御率2.07,投球回数87,奪三振率7.45,QS率56.3%,WHIP1.03
先発として申し分ない成績を残しています。
外国人枠の関係はあるにしても、獲得したい選手であることに間違いはないです。
スチュワート投手は来年オフにメジャー挑戦が見えているので、そこの穴を埋めるという意味でも欲しい投手です。
ただ、過去10年を見ても、巨人で活躍した選手がホークスに来るという事例はないので、可能性は薄いと思います。
彼がホークスに入団したら左のエースです。
フォスター・グリフィン
巨人のグリフィン投手も巨人先発陣の一角です。
2023年度の今季成績がこちら
20先発,防御率2.75,投球回数121,奪三振率8.55,QS率65.0%,WHIP1.07
グリフィン投手も球の力がある本格派左腕で直球の被打率は.216です。
ただ、様々な球種で球を速く見せる技術も持った投手です。
もちろん彼がホークスに入団したら左のエースです。
ウンベルト・メヒア
中日のメヒア投手は、パナマ出身の26歳です。
2023年度の今季成績がこちら
8先発,防御率2.23,投球回数44.1,奪三振率4.06,QS率62.5%,WHIP1.11
投球回数は少なめですが、結果は残しています。
ボールを動かしながら打たせて取る投球が持ち味です。
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