今回は非常に難しい問題。
上沢直之投手のホークス移籍問題について解説していきます。
どちらが正しいとか、どちらが間違っているとか言うつもりはありません。
あくまでも、この問題を整理するためにご活用ください。
複雑なのでできるだけ簡潔に伝わるよう心がけます。
※因みに私はホークスファンですが私情は挟みません。
選手会は「選手」を守る
プロ野球選手会は選手を守るための組織。
先日、日本野球機構(NPB)に対してプロ野球選手会が上沢投手問題を意見するというニュースが出ましたが当然のことです。
制度上は何も問題ないことになぜここまでのヘイトが集まらなければならないのか、そしてなぜNPBは守ってくれなかったのか。
そういう意見になります。
さらにこの意見には裏の理由も関係してきます。
プロ野球選手の平均引退年齢は30歳前後。
活躍すればするだけとんでもないお金が入る華のある仕事ですが、稼げる時間は短いです。
稼げるうちに稼いでおきたいというのが選手の総意でしょう。
ポスティング移籍でメジャー挑戦し1年で日本球界に復帰。
これははっきり言って制度の抜け道をうまく利用したやり方です。
抜け道というかMLBとNPBのやり取りをMLB側のルールでやっているイメージです。(細かく言えば違う)
ただ、この制度があることによって選手は純粋な評価を受けることができます。
NPB→NPBのFA移籍は人的補償や金銭補償が発生しますが、MLB→NPBのFA移籍は補償が発生しません。
選手会としてはこの移籍の仕組みを無くしたくないです。
ここ最近、NPB選手のメジャー挑戦が目立ちますが、国内FA権を行使するよりも全然プラスなので特に年俸ランクがAランクBランクの選手は寧ろメジャー挑戦した方が良いまであります。
うまくいけばアメリカンドリームを手にできますし、うまくいかなくてもNPB全球団とフラットに交渉できます。
球団は「球団」を守る
選手会が選手を守るなら、球団は「球団」を守ります。
その守り方というのは、球団それぞれの考え方があります。
- 強さを守りたい
- 経営を守りたい
大きく分けるとこの2つに分類できます。
日本ハム球団の場合は経営を守りたいがどちらかと言えば強いチーム。
大谷翔平選手、ダルビッシュ有投手、有原航平投手のポスティング移籍。
西川遥輝選手、大田泰示選手、秋吉亮投手をノンテンダー。
このように年俸が高くなった選手は積極的に外に売り出す傾向の強いチームです。
良い悪いは別として。
そんな経営が主の日本ハム球団(そして日本ハムファン)にとって、
- 上沢投手のポスティング移籍金が約92万円とこれまでの選手に比べて安かったこと
- 1年で帰国して他球団のライバルチームに移籍したこと
- 2024年オフに鎌ヶ谷の施設を利用し、日本ハムのイベントにも出演していたこと
これらは批判の材料になりえます。
ソフトバンクが4年契約を提示したのに対し、日本ハムが1年契約を提示したのもそういうことです。
FA権取得まで残り約1シーズン。
もし活躍すれば2025年オフにFA移籍しても、人的補償もしくは金銭補償が手に入る。
活躍しなかったら1年で首を切れる。
日本ハム球団としてはメリットでしかありません。
逆にソフトバンク側は4年契約というリスクをとって、上沢投手を戦力として迎えたということです。
この獲得競争はソフトバンクが金銭面で勝ったというより熱量で勝ったという方がしっくりきます。
日本ハムの新庄監督の「ポスティングで行って1年ダメでソフトバンクに行くっていう流れはやめてほしい」という発言。
これは日本ハム球団の意見を代表して発言されています。
経営が主の日本ハムなのでポスティング制度を廃止しろとは絶対言わないものの、強さも手に入れたいので、1年経てば他球団にタダ同然で渡してしまう可能性があるこの仕組みは何とか変えたいはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
選手側と球団側。
どちら側の意見も納得です。
正義と正義がぶつかっているので、埒が明かない問題とも言えます。
今後、日本ハム球団の意見が反映されて制度が変わっていくのか。
それともこのまま制度が変わらないのか。
注目です。
一方的にどちらが悪いと決めつけてしまうのは、非常に危ない考えであることを最後に付け加えておきます。
誹謗中傷ダメ、絶対!!!
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