中日ドラゴンズが誇る絶対的守護神ライデル・マルティネス投手は、2022年からスタートした3年契約が今季で切れます。
つまり、2024年オフは彼の去就に注目が集まります。
彼に注目している球団の1つが福岡ソフトバンクホークス。
ということで、今回のテーマは「福岡ソフトバンクホークスがライデル・マルティネス投手を獲得するメリット&デメリット」です。
※あくまでも想像の世界なので温かく見守っていただけると幸いです。
ホークス入団の可能性
まずはライデルマルティネス投手がホークスに入団する可能性について。
仮にホークスがマルティネス投手獲得へ本腰を入れた場合、獲得の可能性は極めて高いと言えます。
なぜなら、マルティネス投手の契約交渉はマルティネス投手個人と行われるのではなく、キューバ政府と行われるからです。
以前も千葉ロッテマリーンズに所属していたデスパイネ選手がキューバ政府との契約交渉の末、ホークスに移籍するという事例がありました。
キューバ選手はどんなにその球団に対して愛があったとしても、結局大事になってくるのは条件面。
マルティネス投手はMLBへ挑戦するとNPBよりも確実に良い条件で契約できます。
ただ、キューバ選手がMLBへ挑戦するためには亡命をする必要があります。
亡命してまでメジャーリーグに挑戦する選手もいますが、マルティネス投手に亡命の意思はありません。
メジャーで活躍できる実力がありながら日本でプレーすることを考えれば、年俸10億円の複数年契約をベースにそれ以上の争奪戦になっていくことが予想されます。
年俸10億円の複数年契約を出せる球団は果たして何球団あるでしょうか。
メリット
続いて本題のメリットデメリットに入ります。
まずマルティネス投手がホークスに加入することのメリットがこちら。
野球は8回までになる
マルティネス投手は現NPBNo.1クローザーの呼び声が高い投手。
2024/7/12には、NPB史上19人目の通算150セーブを達成。
一軍で通算登板数293,通算防御率1.74,通算被打率.188,通算奪三振率10.18,通算与四死球率2.42。(2024/8/26時点)
どこを切り取っても圧倒的な数字が並びます。
そして特筆すべきは、この数字を残しながらまだ27歳だということ。(2024/8/26時点)
さらに伸びしろがあります。
戦力として見るとプラスにしかなりません。
8回終了時点で勝っていれば、彼にバトンを渡すだけで勝利は約束されたようなものです。
2024年ホークスの守護神は、オスナ投手がシーズン途中で怪我によって戦線離脱したことで、8/26現在は松本裕樹投手が務めています。
その松本投手は、8回にセットアッパーとして投げていた頃よりも、守護神になってからの方が明らかに安定感が落ちてます。
オスナ投手が万全の状態で戻ってくる、もしくは松本投手が守護神の座を完全に掴むと2025年シーズンは何の問題もないですが、もしそうでなかった場合は勝てる試合を落とす試合が出てきます。
諸々の心配事を考えると、マルティネス投手がいてくれた方が安心です。
3年経つと日本人枠
マルティネス投手は2018年シーズンからNPBで活躍。
つまり、刻一刻と国内FA権取得が近づいています。
外国人選手はFA権が無くても自由に他球団との交渉が出来るので、一般的なFA権とは意味合いが異なります。
「外国人枠から外れる」
これが大きな大きなメリットです。
NPBでは日本人選手を優遇するため、戦力の偏りを防ぐために、外国人選手の一軍出場選手枠を制限してます。
2024年度は「感染症特例」で通常の4枠から5枠に増えたものの、それでも1試合に5名しか外国人選手が出場することはできません。
その貴重な4名か5名の枠にマルティネス投手を含めなくて良いとなったら…。
マルティネス投手が外国人枠を外れるのは、最短で2028年シーズンから。
つまり、マルティネス投手が32歳になるシーズンからです。
この凄さが分かるでしょうか。
因みにホークスは、2024年度の最優秀防御率筆頭候補のモイネロ投手が残り2年で外国人枠から外れます。
もし、マルティネス投手がホークスに加わると、2028年シーズンには32歳のマルティネス投手と33歳のモイネロ投手が日本人枠で大暴れする姿が見られるかもしれません。
超ハイレベルな競争
2024年8月27日時点でホークスに在籍する支配化外国人選手がこちら。
※野手は赤色、投手は黄色
ウォーカー、オスナ、モイネロ、ヘルナンデス、ダウンズ、スチュワート
パッと見て分かる通り、支配下外国人投手は全員ホークスの中心戦力です。
オスナ投手は守護神。
モイネロ投手は左のエース。
ヘルナンデス投手はセットアッパー。
スチュワート投手は右の先発ローテーション投手。
外国人枠は全てを投手もしくは野手で埋めてはいけないというルールがあります。
仮に2025年度も外国人枠が5枠だとしたら、5枠全てが投手はダメです。
つまり、マルティネス投手がそこに加わると、中心戦力の中に一軍で投げられない投手が出てくるということです。
ここに超ハイレベルな競争が生まれます。
現実的には先発の2投手を外すことは考えにくいので、オスナ投手、ヘルナンデス投手、マルティネス投手の3投手の中から2人の争いになります。
2023年度までの数字を見るとオスナ投手とマルティネス投手で確定ですが、2024年度のオスナ投手の状態の悪さや貴重な左の中継ぎという部分を見るとヘルナンデス投手とマルティネス投手になる可能性もあり、どうなるのかは全く想像がつきません。
デメリット
続いてマルティネス投手がホークスに加入することのデメリットがこちら。
ヘルナンデス投手放出の可能性!?
マルティネス投手が加わることで超ハイレベルな競争が生まれると述べたのは先ほどの通り。
ただその結果、1人主力投手が一軍で投げられなくなるのも事実。
怪我や不調のリスクを考えての補強と考えると悪くはないですが、主力クラスの投手を二軍に置いておくのは少し勿体ない気がします。
二軍に置いておくぐらいなら、外国人投手をトレードで1人リリースして、その選手と相応しい選手を他球団から獲得するというアイデアが生まれてもおかしくありません。
例えばヘルナンデス投手。
彼はホークスの支配下外国人投手の中で、唯一複数年契約選手ではありません。
セットアッパーとしてチームになくてはならない存在なのは確かですが、仮に誰かをリリースするとなった場合は彼なのかなと思います。
柔軟な選手運用ができない
マルティネス投手がホークスに加入するとなった場合は4年以上の長期契約が予想されます。
2028年度から日本人枠になる旨みを得る為です。
ホークスは複数年契約選手が多数在籍するチーム。
2025年以降に限っても9名の複数年契約選手がいます。
詳しくはこちらをご覧ください。
複数年契約の中で外国人はオスナ投手、スチュワート投手、モイネロ投手、サルディ投手の4投手。
※サルディ投手は育成
ここにマルティネス投手が加わると支配化外国人投手だけで4名の複数年契約選手が生まれます。
こうなると万が一の話をしますが、不調や怪我等でオスナ投手、スチュワート投手、モイネロ投手、マルティネス投手の成績が全然ダメとなった時に4つも支配下枠を無駄にしてしまいます。
しかも複数年で。
柔軟に選手を入れ替えるということができません。
かつてホークスの絶対的守護神だったサファテ投手は、2019年から新たに3年契約を結んだものの、股関節の怪我の影響でそこから1登板もせずに引退しました。
その3年の間、支配下登録はキープしたままです。
そういうことが起こり得るので、複数年契約はリスキーな選択でもあるということを頭に入れておかなければなりません。
育成投手のモチベーション低下
マルティネス投手の加入は支配化投手に刺激があるだけでなく、育成投手にも刺激が入ります。
刺激というより絶望に近いものです。
2024年8月27日時点でホークスに在籍する育成外国人選手がこちら。
※野手は赤色、投手は黄色
フェリックス、ロドリゲス、アルメンタ、シモン、サルディ、オスーナ、アルモンテ
野手は何も問題ありません。
結果さえ残せばいつでも一軍に上がれます。
問題は投手。
あと2年待てばモイネロ投手、3年待てばマルティネス投手が外国人枠から外れるので、20歳のアルメンタ投手や今年19歳のサルディ投手にとっては丁度良いです。
あと2~3年じっくりと成長する期間があります。
ただ20代中盤のフェリックス投手、ロドリゲス投手は絶望しかないでしょう。
ロドリゲス投手は23歳なのでまだ何とかなりそうな気もしますが、フェリックス投手は今季で25歳。
2年も3年も待ってられません。
マルティネス投手が加入した場合に、彼ら2投手はホークスで出場機会を窺うよりも、他球団に移籍した方がビッグマネーを掴む可能性は高くなります。
個人的見解
今回は福岡ソフトバンクホークスがライデル・マルティネス投手を獲得するメリット&デメリットを様々な角度から掘り下げていきました。
それらを踏まえ、1ホークスファンの意見として、ホークスのマルティネス投手獲得は大賛成です。
正直、替えの利かない選手だからです。
彼がいることでチームが困るという想像がつきません。
パリーグとセリーグの違いに戸惑うということも少なからずあるかもしれませんが、毎年交流戦もやってますし、問題はそこまでないかと思います。
小さなデメリットを凌駕するだけのメリットがあるので、いくらでも資金を注ぎ込めるのであれば優勝の為に注ぎ込むべきです。
ホークスは「めざせ世界一」をチームスローガンに掲げているチーム。
彼の獲得を諦めるという選択肢はありません。
コメント
今オフの目玉であろう選手だけに、興味深い話題でした。取らぬ狸の皮算用と言われればそれまでですが、ライデルマルティネス選手の獲得が大きな戦力アップに繋がるのは間違い無いと思います。
ただ、現状オスナ投手と超大型契約を結んでいる中で更にリリーフの投手に大金を投じるのはチーム編成の視点やオスナ投手のプライドの問題から難しいようにも感じます。
個人的にライデルマルティネス獲得がありうるのは、彼の先発転向を視野に入れている場合だと考えています。モイネロ、スチュワート、ライデルの外国人先発3本柱はパ・リーグを制圧できる可能性を秘めているだけに、超高額年俸にふさわしい見返りが期待できるのではないでしょうか。
確かに先発も面白そうですね。
私も先発としての獲得に大賛成です。現状有原モイネロスチュワート大関は安定していて来年も計算できます。ここでもう一枚エース級が取れるとなるとリーグ1番のローテになりますし(今は守備がいいから防御率はよく見えるけど実際はそんなによくないと思います)、ドラ1で競合覚悟で金丸行く必要も減じます。オスナも来年には戻ってくるでしょうから先発として必ず獲得してほしいです。