2024/8/10、福岡ソフトバンクホークスvs東北楽天ゴールデンイーグルスの一軍公式戦が行われました。
結果は13-6でイーグルスが勝ちました。
今回はこの試合の全体的な感想をホークス目線で振り返ります。
ホークス投手&野手も個別に取り上げます。
野手に関しては8月の一軍打撃成績も載せてます。
全体的な感想
「想定外」
この一言に尽きます。
この試合で想定していたことは、9連戦の頭ということで、エース有原航平投手に勝ち負けは別として長い回を投げてもらうこと。
それができず、結局中継ぎ投手を5名も起用して負けてしまいました。
有原投手はかなり責任を感じていることと思います。
ただ、打線が奮起してイーグルスの勝ちパターン投手を3名(渡辺翔太投手、藤平尚真投手、鈴木翔天投手)起用させたのは、次戦以降を考えても大きなことです。
8/11の先発はホークスがスチュワート投手、イーグルスが瀧中投手。
ホークスはただ勝つだけじゃなく、中継ぎ投手を極力起用せずに勝利を掴めたら最高です。
スチュワート投手(1~7回)、藤井投手(8回)、松本投手(9回)のリレーが理想形。
スチュワート投手の好投に期待しましょう。
投手
有原航平
有原航平投手は3回6失点の投球でした。
全66球の内、ストライク43ボール23。
印象としては「修正できなかった」です。
どんなに状態が悪くても気づけば7回までは投げている有原投手が、今回は3回までしか持ちませんでした。
初回から球が全体的に高く、それが3回まで変化なく続いていました。
こんな有原投手は珍しいです。
特にチェンジアップは低めに決まってこそ効果を発揮する球なので、真ん中から高めに浮いてしまうと当然一軍の打者なら捉えてきます。
多彩な球種があるので、何か1つでも軸となる球種が見つかればまだ何とかなりそうでしたが、今回は良い球が1つも無かったです。
ただ何を投げるか分からないのが有原投手の良さでもあるので、仮に良い球が1つあったとしてもそこまで投球の変化は無かったかもしれません。
こういう時は切り替えましょう。
今回が3回6失点、そして前回が7回6失点(自責点5)。
さすがに3回連続での乱調は無いと信じたいです。
澤柳亮太郎
澤柳亮太郎投手は0.2回3失点の投球でした。
全19球の内、ストライク7ボール12。
印象としては「心配」です。
投球内容はひとまず置いといて、緊急降板となった澤柳投手の体の状態が心配です。
登録抹消になるのは確実ですが、この怪我がどれくらいで回復するのかは全く読めません。
万全の状態になるまでじっくりと戻してほしいところです。
澤柳投手の実力であれば、来年も再来年もプロ野球人生は続きます。
最後に今回の投球内容について軽く触れます。
ボール球先行の苦しい投球でした。
変化球、ストレートのどちらでもストライクが取れていなかったですが、特に変化球で全くストライクが取れていなかったので打者はストレート一本で待ち構えていました。
一軍の打者にそれをさせてしまうと、どれだけ澤柳投手のストレートに力があると言っても、なかなか抑えるのは厳しいです。
しかもそのストレートでカウントを取った球のほとんどが真ん中近辺に来ていました。
打たれるべくして打たれた、そんな投球です。
長谷川威展
長谷川威展投手は1.1回無失点の投球でした。
全26球の内、ストライク17ボール9。
印象としては「カウント負け」です。
澤柳投手が緊急降板した影響で、4回2死二塁1ボールの状態から阿部選手と対峙しました。
初球は外にストレートが外れてボール。
2ボールとなり3球目のストレートをセンターオーバーの二塁打にされました。
これは完全にカウント負けです。
特別甘い球でもありませんでしたが、阿部選手の思い切りの良さにハマってしまった形です。
その後は、打者別に素晴らしい投球ができていたと思います。
この試合のイーグルス打線で唯一ヒットの無かったフランコ選手には大胆に真ん中にストレートを2球連続で投げ込みファーストフライ。
回跨ぎ後は丁寧にコースを突く投球。
5回2死一二塁のピンチで、浅村選手に投じた初球の真ん中のフォークだけは失投ですが、振ってこなかったので助かりました。
初球は振ってこないというデータでもあったのでしょうか。
杉山一樹
杉山一樹投手は2回無失点の投球でした。
全29球の内、ストライク17ボール12。
印象としては「見下ろす投球」です。
コースが甘くなる場面は数多くありました。
先頭打者に四球を出す場面もありました。
それでもこの試合のホークス投手の中で唯一ヒットを打たれることなく無失点投球。
球の力が凄まじかったです。
2回を投げて投げ込んだ球種はストレートとフォークの2球種。
これだけで十分でした。
杉山投手はコントロールが改善されたとはいえ、ファールで粘ってくる打者にはまだ苦手意識を感じます。
ただ力と力の真っ向勝負を挑んでくる打者に対しては無類の強さを発揮します。
非常に分かりやすい投手です。
又吉克樹
又吉克樹投手は1回2失点の投球でした。
全23球の内、ストライク15ボール8。
印象としては「外のストライクゾーンが辛い」です。
又吉投手はストライクゾーンの出し入れに関しては、球界随一のものを持ってます。
右打者には外角ギリギリのストライクゾーンからボールゾーンに逃がすカット。
左打者には外角ギリギリのストライクゾーンからボールゾーンに逃がすシュート。
カットかと思いきや曲がり幅が大きいスライダー。
外から逃げると思いきやズバッとストレート。
奥行きを使うチェンジアップ。
そして、その球種を最大限活かす精密なコントロール。
これら全てが又吉投手の武器です。
今回は投げミスが1球もなく完璧な投球を披露しました。
それなのに2失点。
こうなってしまった原因は球審の方の外角のストライクゾーンの狭さにあります。
球審がボールといえばボールですが、そのボール球は限りなくストライクに近いものでした。
ホークスファン目線で見ればストライクだらけです。
このギリギリのゾーンを取ってもらえないとなれば、必然的に打者有利となります。
今回又吉投手が打たれた3本のヒットは全て外角低めに投げ切った球。
そしてそのヒットを打った選手の中で、浅村選手と阿部選手にはオール外勝負。
内側に1球も投げていません。
この配球が外側の球を踏み込みやすくしたということも言えます。
投球自体には何の問題も無いので、次回登板に向けて頭だけを整理すれば大丈夫です。
中村亮太
中村亮太投手は1回2失点の投球でした。
全19球の内、ストライク12ボール7。
印象としては「悲壮感が漂う」です。
イーグルス打線の8番打者9番打者に連続本塁打。
そして打たれた球はそんなに甘い球でもないストレート。
単純に力と力の対決で負けてしまいました。
精神的にくる部分は大きかったと思います。
中村投手は6月以降、二軍戦で1点も取られていません。
もっと言えば、三軍四軍戦でも1点も取られていません。
ただ、
過去3試合の登板試合の投球内容をご覧ください。
7/13オリックス戦(二軍)、7/19香川戦(三軍)、7/28くふうハヤテ戦(二軍)
お世辞にも素晴らしい投球内容とは言えません。
つまり、6月の調子が良い時期を過ぎ、今はそこまでの調子では無いということです。
それでも結果を残さないといけないのがプロ野球選手。
結果が全てです。
今回の投球を受けて、首脳陣がもう一度だけチャンスを与えるのか、それとも諦めるのかは分かりません。
ただ、中村投手にやれることはその時のベストを尽くすこと。
それだけです。
野手
ホークス選手の8月一軍打撃成績がこちら。(2024/8/10時点)
<スタメン>
<スタメン外>
5回裏の集中打。
これは2死走者無しからスタートしました。
この繋がりは本当に素晴らしいです。
具体的には、2死満塁から今宮健太選手が2点タイムリー。
続いて栗原陵矢選手もタイムリー。
最後に山川穂高選手が3ラン本塁打。
流れるように得点をしてます。
先発投手がある程度試合を作ることさえできれば、今のホークスは勝てます。
また、1つ気になったのが中村晃選手の代打について。
3月から7月まではなかなか「代打」という初めての役割に適応できずにいましたが、ここに来て適応し始めているような感じがします。
この試合では1打数1安打で二塁打を放ち、8月の打撃成績を見ても良い結果を残せているということ以上に、打球の質が明らかに春先と比べて違います。
内野のポップフライや空振り三振が減り、外野への鋭い当たりが確実に増えています。
そろそろ本格的に「代打の切り札」と呼べる日が来るかもしれません。
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