2025年ドラフトで福岡ソフトバンクホークスから三巡目指名を受けた大阪商業大学の鈴木豪太投手。
投げっぷりとタフさが売りの右サイドハンド投手です。
そんな鈴木投手のプロ1年目に期待することが今回のテーマです。
大学からサイドに転向
鈴木投手が所属していた大阪商業大学はプロ入り選手多数の名門校。
高い能力を持った選手が多いのは間違いありませんが、プラスアルファで「プロが欲しい人材」を育成しているという見方もできます。
鈴木投手の場合は大学からサイドスローに転向。2023年ドラフト2位で西武に入団した上田大河投手や2024年育成ドラフト9位でソフトバンクに入団した岡田皓一朗投手と比べて上背が無いことから本格派のオーバースロー投手としてプロ入りするのは厳しいという判断を監督が下したのでしょう。その判断は実際正しかったですし、4年かけて支配下3巡目の評価を貰えたことは紛れもなく鈴木投手の努力の賜物です。
直近10年(2015~2024年)の大卒ドラ3右サイド
2010~2024年にドラフト3位で指名された大卒右サイドスロー投手をまとめてみました。
2019年 津森宥紀
2019年ドラフトで福岡ソフトバンクホークスが3位指名した中継ぎ右腕。
■ ドラフト前の評価
最速149キロのスピードボールをサイドから投げ込む本格派。シュート軌道で浮き上がる軌道で空振りを誘う。大学日本代表に選ばれた経験がある。制球力には不安を残す。球種が少ないため、中継ぎで勝負。
■ プロ入り後の現時点
ホークスの厚いブルペン陣の中で競争を勝ち取り、プロ6年間で236登板を記録。2021~2024年にかけては4年連続で45試合以上に登板した。持ち味の強いストレートで打者を圧倒したかと思えば、四球で崩れる場面もありプロ入り前の評価と遜色ない働き。2025年度は不調で22試合登板に留まったことから2026年度は勝負の年。
2019年 村西良太
2019年ドラフトでオリックスバファローズが3位指名した剛腕。
■ ドラフト前の評価
本格的に先発をやり始めたのは4年生から。サイドというよりもスリークォーターの方がしっくりくる投球フォームで横曲がりだけでなく、落ち球も器用に操る。最速152キロのスピードボールを持っており、制球は暴れがち。
■ プロ入り後の現時点
二軍では無双する投球を繰り広げていながら、一軍ではなかなか戦力になれず苦しむ。アンダースローに挑戦する時期もあった。2025年オフに戦力外通告を受け、現役引退を発表。
2019年 伊勢大夢
2019年ドラフトで横浜DeNAベイスターズが3位指名した剛腕。
■ ドラフト前の評価
サイド気味のスリークォーターから最速151キロのスピードボールと多彩な変化球を投げ分ける本格派。先発・中継ぎ両方の適性があるように見えるものの、プロスカウトからは「リリーフの適正がある」という評価。変則で150キロオーバーだと1イニングではプロの打者でも捉えきれないとのこと。
■ プロ入り後の現時点
プロ6年間で293試合に登板。ベイスターズのセットアッパーに君臨し、「伊勢大明神」という愛称まで付けられるほど。通算与四死球率が2.92と制球が安定しており、ピンチでも安心して任せれる投手と言える。ベイスターズにとっては替えの利かない存在。
鈴木豪太投手に期待すること
過去10年の大卒ドラ3右サイドを調べると2019年ドラフトの3名だけでした。
この3名と鈴木投手を比較すると、「制球力」は鈴木投手がピカイチです。鈴木投手本人は中継ぎ志望ですが、先発でも勝負できる制球力を持っています。
ただ、「球威」に関してはまだまだ力不足感は否めません。ストレートの球速帯が140キロ前後で、最速が147キロ。よくいるサイドスロー投手の球速帯です。ここからホークスのトレーニング施設で、球速球威を増していければと思います。
以上を踏まえて、鈴木投手のプロ1年目に期待することは「怪我無く最速150キロ到達」です。
1年目は結果というよりも、とにかく出力UPに重きを置いて2~3年後に大爆発するための体づくりを行って欲しいなと思います。そもそもソフトバンクホークスという球団は、左の変則サイドを除けば150キロを投げれないと一軍に上がれません。150キロはマストです。



コメント