2024年ドラフトで福岡ソフトバンクホークスから四巡目指名を受けた早稲田実業学校の宇野真仁朗選手。
高校通算64本塁打の長打力と、内野は全て守れるユーティリティ性を併せ持つ将来有望の内野手です。
そんな宇野選手のプロ1年目に期待することが今回のテーマです。
プロで活躍するための準備
宇野選手は3年春の都大会から高校生では珍しい木製バットを実践で使用していました。
その時から既に上のレベルで野球をすることを意識していたということです。
高卒野手が大学社会人を経ずにプロに入るとレベルの高い投手に対応しないといけないのに加え、木製バットにも対応しなければなりません。
だから高卒選手が活躍し辛いということが言えます。
宇野選手はその木製バットでもしっかり本塁打を打てていたので、あとはプロの球に対応できるか、ただそれだけです。
加えてプロで活躍する選手は「運」も必要です。
同じポジションを守る選手が絶対的な選手であれば、物理的に試合に出ることができません。
そういった意味では、内野全ポジションを守れるのはかなりの強みです。
結局試合に出られるかは「運」ですが、その確率が上がります。
ショートなら2番手だけど、サードなら1番手。
こうなるパターンが十分考えられるからです。
プロに入ってからもいろいろと頭を使うとは思いますが、入る前からこれだけの準備ができているのはただただ素晴らしいです。
2010~2023年の高卒ドラ4右打ち内野手
宇野真仁朗選手は高卒ドラ4右打ち内野手。
ということで、同じく2010~2023年にドラフト4位で指名された高卒右打ち内野手をまとめてみました。
2023年 仲田侑仁
2023年ドラフトで広島から4位指名を受けた仲田侑仁選手。
沖縄尚学高校時代は高校通算22本塁打を放つ豪快なスイングに注目が集まりました。
プロ1年目の2024年シーズンは二軍戦で143打席に立ち、本塁打は0本だったものの強烈なスイングは見せつけました。
因みに一軍でも打席に立ちプロ初ヒットを記録してます。
2023年 百崎蒼生
2023年ドラフトで阪神から4位指名を受けた百崎蒼生選手。
東海大学付属熊本星翔高校時代は高校通算39本塁打の長打力と50m5.8秒の俊足を併せ持つ身体能力の高い遊撃手として注目を集めました。
プロ1年目の2024年シーズンは二軍で実践を積みました。
137打席に立ち打率.185,本塁打1と結果は残せませんでしたが、高卒1年目で本塁打を記録できたこと自体が素晴らしいです。
2023年 明瀬諒介
2023年ドラフトで日本ハムから4位指名を受けた明瀬諒介選手。
鹿児島城西高校時代は投手としては最速152キロの速球派投手、野手としては高校通算49本塁打の強打者として注目を集めました。
プロ1年目の2024年シーズンは二軍戦で158打席に立ち打率.170,本塁打2を記録。
持ち前のパワーは存分に見せつけました。
2023年 ワォーターズ璃海ジュミル
2023年ドラフトで楽天から4位指名を受けたワォーターズ璃海ジュミル選手。
日本ウェルネス高等学校沖縄キャンパス時代は50m6.1秒の俊足を活かしたプレースタイルに注目が集まりました。
プロ1年目となる2024年シーズンは二軍戦3試合に出場し、3打席に立ちましたがヒットはゼロ。
早い内に頭角を現したいところです。。
2021年 小森航大郎
2021年ドラフトでヤクルトから4位指名を受けた小森航大郎選手。
宇部工業高校時代は高校通算26本塁打の長打力と50m5.9秒の俊足を併せ持つ身体能力の高い遊撃手として注目を集めました。
プロ入り後2年間は一軍出場が無かったものの、3年目(2024年シーズン)に二軍のレギュラーを掴むと、初めて一軍出場を果たし一軍戦4試合に出場しました。
4年目となる2025年シーズンは勝負の年です。
2020年 川原田純平
2020年ドラフトでソフトバンクから4位指名を受けた川原田純平選手。
青森山田高校時代は170㎝と小柄ながら高い守備力に注目が集まりました。
プロ入り後は1年目からその高い守備力を活かし二軍戦に出場。
2年目には一軍初出場も果たしました。
ただ、2023年に左膝、2024年に右足を痛め戦線離脱を経験。
課題の打撃を克服できていないという部分もあり、2025年シーズンからは育成選手として再契約しました。
2019年 川野涼多
2019年ドラフトで西武から4位指名を受けた川野涼多選手。
九州学院高校時代は高校通算21本塁打の長打力と50m5.9秒の俊足を併せ持つ身体能力の高い遊撃手として注目を集めました。
プロ入り後は3年目に一軍初出場を果たすもそれ以降一軍出場はゼロ。
2024年シーズンからは育成選手としてプレーしています。
2019年 小林珠維
2019年ドラフトでソフトバンクから4位指名を受けた小林珠維選手。
東海大学付属札幌高校時代は最速150キロの本格派投手としても、高校通算30本塁打の強打者としても注目を集めました。
プロ入り後はまずは野手として一軍プレイヤーを目指しました。
ただ二軍でもなかなか結果が残せず3年目オフに戦力外通告を受け育成選手として再契約。
4年目は二刀流(投手&野手)としてプレー。
5年目(2024年シーズン)は投手一本でプレー。
そして、支配下復帰を果たせずその年のオフに2度目の戦力外通告を受けました。
2025年シーズンはオイシックス新潟アルビレックスベースボールクラブでプレーすることが内定してます。
2015年 茶谷健太
2015年ドラフトでソフトバンクから4位指名を受けた茶谷健太選手。
帝京第三高校時代は185cmの長身から投げ下ろす最速145キロのストレートに注目が集まりました。
プロ入り後は彼を内野手として育成。
プロ2年目に一軍初出場を果たすと楽天エース則本昂大投手からプロ初打席初ヒットとなるレフト前ヒットを放ちました。
ただその後一軍定着とはならず、3年目オフに戦力外通告。
2019年からは千葉ロッテマリーンズに育成選手として入団しました。
その年のオフに支配下登録され、2020年からは一軍出場が本格的にスタート。
年々出場試合数を増やし、プロ9年目となる2024年シーズンは自己最多の88試合に出場。
今やチームに必要不可欠な存在です。
2013年 金子一輝
2013年ドラフトで西武から4位指名を受けた金子一輝選手。
日本大学藤沢高校時代は高い守備力に注目が集まりました。
プロ入り後は打撃面に苦しみ、なかなか一軍出場を果たせませんでした。
5年目となる2018年シーズンに一軍初出場を果たすなど6試合に出場したのがキャリアハイ。
2019年オフに戦力外通告を受け現役を引退しました。
2013年 園部聡
2013年ドラフトでオリックスから4位指名を受けた園部聡選手。
聖光学院高校時代は高校通算59本塁打の強打者として注目を集めました。
プロ入り後は1年目から二軍で5本塁打を放つなど大気の片鱗を見せたものの、その後一軍定着とはならず。
一軍のキャリアハイは2016年シーズン(プロ3年目)の16試合出場。
2018年オフにオリックスから戦力外通告を受け、2019年からは社会人野球のJX-ENEOS野球部に入部。
2019年12月に現役引退を発表しました。
2012年 宇佐美塁大
2012年ドラフトで日本ハムから4位指名を受けた宇佐美塁大選手。
広島工業高校時代は高校通算45本塁打を誇る長打力が魅力の三塁手として注目を集めました。
プロ入り後は一軍出場を果たせず5年目(2017年シーズン)オフに戦力外通告を受け、現役引退を発表しました。
2011年 桑原将志
2011年ドラフトで横浜から4位指名を受けた桑原将志選手。
福知山成美高校時代は50m5.8秒という身体能力の高い遊撃手として注目が集まりました。
プロ入り後は1年目から一軍戦3試合に出場し、5年目(2016年シーズン)からは一軍で外野のレギュラーに定着。
2019年,2020年は不振でレギュラーから外れたものの、梶谷隆幸選手がFAで巨人へ移籍した2021年からは再びレギュラーに定着。
2021年シーズンは571打席で打率.310,本塁打14,OPS.843とキャリアハイの数字を残しました。
二度のゴールデングラブ賞(2017年、2023年)と記憶に新しい日本シリーズMVP(2024年)。
「ハマのガッツマン」として申し分ない成績を残してます。
2011年 白根尚貴
2011年ドラフトでソフトバンクから4位指名を受けた白根尚貴選手。
開星高校時代は186cm98kgの体格から投げ込まれる最速149キロの直球を武器に甲子園でも活躍し「島根のジャイアン」と呼ばれました。
投手野手両方で注目を集めていたものの、プロ入り後は野手に専念。
度重なる怪我に苦しみ、3年目(2014年シーズン)オフに戦力外通告を受け育成選手として再契約。
4年目(2015年シーズン)は育成選手としてプレー。
ただ4年目オフにソフトバンクを退団し、トライアウト参加後、横浜DeNAベイスターズと支配下契約を結びました。
5年目(2016年シーズン)には一軍初出場を果たしましたが、その後目立った成績を残すことができず7年目(2018年シーズン)オフに二度目の戦力外通告を受け現役を引退しました。
2010年 又野知弥
2010年ドラフトでヤクルトから4位指名を受けた又野知弥選手。
北照高校時代は187cm83kgの恵まれた体格から繰り出される最速142キロの直球と、パワフルなスイングに注目が集まりました。
プロ入り後は野手に専念。
二軍でも結果を残せず、一軍出場が叶わず、プロ4年目(2014年シーズン)オフに戦力外通告を受け現役を引退しました。
宇野真仁朗選手に期待すること
2010~2023年にドラフト4位で指名された高卒右打ち内野手を見て感じたのは、一軍で活躍した選手が異常に少ないということです。
2023年ドラフトの4選手に関してはまだまだこれからですが、その他の選手の実績が乏しすぎます。
唯一、一軍でレギュラーとしてバリバリ活躍しているのが桑原将志選手。
ただ、彼は外野手に転向してからの活躍なので、内野手のレギュラーを何年も張っている選手は1人もいません。
ロールモデルがいないので宇野選手が近年の高卒ドラ4右打ち内野手の中でNo.1になる必要があります。
桑原選手は1年目から二軍でチーム最多打席(330)を記録しました。
それぐらい期待をされていたということです。
宇野選手もそれぐらい打席に立てれば良いですが、今のホークスでそれはかなり難しいかと思われます。
選手の総数が118名(2024/12/18)で四軍まであるチームだからです。
高卒でドラフト4位の選手にいきなりたくさん二軍戦の打席数を与えることはできません。
三軍四軍からアピールして二軍に出場するというのが1年目の現実的な目標になります。
以上を踏まえて、宇野選手のプロ1年目に期待することは「怪我無く三軍四軍で打率3割&10本塁打、二軍で1本塁打」です。
三軍四軍で打率が2割前後の選手が一軍で活躍することはまずあり得ません。
「既に三軍レベルならいつでも打てますよ」というところを見せつける1年にしてもらいたいです。
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