福岡ソフトバンクホークス、そして日本の正捕手である甲斐拓也選手。
2024年オフは彼の去就に注目が集まるでしょう。
ということで、今回は甲斐選手のFA移籍の可能性を含め、その後の日本球界捕手大シャッフルについても話を掘り下げていきます。
選べる立場
甲斐拓也選手の2024年度の年俸は推定2億1000万円。
また、複数年契約を打診されていたものの、それを断り単年契約を選択しました。
その理由は、2024年オフに国内FA権を行使できるからです。
ホークスは2021~2023年の3年間で優勝を逃しており、その間に甲斐選手自身の成績も奮わなかったので、このまま複数年契約を結んでも甲斐選手に旨みはありませんでした。
2024年は勝負の年という位置づけをしていたでしょう。
そんな2024年シーズンのホークスは4年振りのリーグ優勝。
甲斐選手は正捕手としてチームを引っ張り、過去3年と比べても打撃成績を格段に向上させました。
甲斐選手の2024年度の一軍打撃成績がこちら。
打席数392,打率.256,本塁打5,打点43,出塁率.317,長打率.372,OPS.690,得点圏打率.298
来季の年俸は間違いなく上がります。
このままホークスで契約するも良し。
他球団の評価の方が高ければ移籍するも良し。
甲斐選手からすれば選び放題です。
FA宣言をすることによって、甲斐選手が想像した以上に年俸は吊り上がるはずです。
なぜなら1球団ではなく12球団との交渉になるからです。
彼は来季どこでプレーすることになるのでしょうか。
捕手大シャッフルは甲斐選手次第
甲斐拓也選手がFA宣言をして、どこかのチームへ移籍するとなった場合にのみ捕手大シャッフルが行われます。
なぜなら、移籍して来られると正捕手の座が甲斐選手に奪われる可能性があるからです。
また、甲斐選手が移籍するとホークスの正捕手の座が空くことになるので、そこに入りたいと思う選手も出てくるでしょう。
ホークスの待遇面は活躍すれば12球団No.1です。
FA宣言する可能性がある捕手は以下の6選手。
巨人の大城卓三選手。
中日の木下拓哉選手。
ヤクルトの中村悠平選手。
広島の磯村嘉孝選手。
阪神の坂本誠志郎選手と梅野隆太郎選手。
全員セリーグの選手です。
大城選手、木下選手、中村選手、梅野選手のFAランクは補償選手が必要なBランク。
磯村選手、坂本選手のFAランクは補償選手不要のCランク。
獲得する側の球団はこういった部分も考えています。
因みに甲斐選手も補償選手が必要なBランク選手です。
甲斐拓也選手移籍の可能性
ここからが本題。
甲斐拓也選手が移籍する可能性、そして捕手大シャッフルが起こる可能性は個人的に低いとみてます。
なぜならホークスが2024年ドラフトで即戦力捕手を支配下で獲得しなかったからです。
2024年ドラフトでは育成3巡目で茨城アストロプラネッツの大友宗選手を指名しましたが、一年目から一軍でバリバリやってくれるという計算で獲得した選手ではないでしょう。
2023年ドラフトでもドラフト7位で高校生捕手の藤田悠太郎選手を指名したものの、即戦力選手は獲得していません。
このように即戦力捕手の補強を焦っていないことが窺えます。
例えば2023年オフに山川穂高選手のホークス移籍が噂されていたライオンズは、2023年支配下ドラフト6位で一塁専門の野手、村田怜音選手を指名。
間違いなく次のことまで考えてます。
即戦力捕手の補強を焦っていない理由に関しては、以下の4点が考えられます。
- 甲斐拓也選手が移籍することは無い
- 次世代捕手が育ってきている
- FA市場に捕手が豊富
- 嶺井博希選手がいるから大丈夫
1つ目は「甲斐拓也選手が移籍することは無い」という考え方。
他球団を大きく上回る待遇を示すので、甲斐選手がホークスから移籍することは無いだろうと考えます。
2つ目は「次世代捕手が育ってきている」という考え方。
仮に甲斐選手が移籍しても、海野隆司選手や谷川原健太選手を中心に十分戦えるという判断です。
3つ目は「FA市場に捕手が豊富」という考え方。
仮に甲斐選手が移籍しても、FAでレギュラークラスの捕手を獲得できると考えます。
4つ目は「嶺井博希選手がいるから大丈夫」という考え方。
仮に甲斐選手が移籍しても、一軍経験豊富な嶺井選手が何とかしてくれると考えます。
この中で2~4つ目の考え方に関しては、個人的に理解ができません。
その理由を解説します。
次世代捕手が育ってきている
まず「次世代捕手が育ってきている」という考え方が理解できない理由を解説します。
打撃が魅力の捕手2名(吉田賢吾選手、石塚綜一郎選手)が野手に挑戦中。
今季二番手捕手を務めた海野隆司選手は、守備は安定していたものの打撃成績は奮わず。
この状況で正捕手が抜けるとチームは大変なことになります。
ニューフェイスの台頭で何も問題ないかもしれませんが、計算は全くできません。
吉田選手や石塚選手が捕手に復帰すれば、捕手の層は厚くなります。
FA市場に捕手が豊富
続いて「FA市場に捕手が豊富」という考え方が理解できない理由を解説します。
仮に大城卓三選手を獲得しようとなれば、Bランク選手なので補償選手が必要になります。
これから将来の主力に育て上げたいと思っていた選手が1人流出します。
そんなことになるくらいなら、ドラフトで即戦力捕手を獲得しておく方がお得だと考えるのが一般的な考えではないでしょうか。
さらに、当然ですがどんなにFA市場に捕手が豊富だといっても、FAで即戦力捕手を獲得できるという保証は全くありません。
FA補強できるかもしれないけど、念のために1人即戦力候補の捕手をドラフトで獲得しておこうという考えになるのが普通です。
嶺井博希選手がいるから大丈夫
最後に「嶺井博希選手がいるから大丈夫」という考え方が理解できない理由を解説します。
嶺井選手の二軍三軍四軍でのプレーを見たことがある方なら分かると思いますが、嶺井選手は捕手能力が甲斐選手に比べてかなり低いです。
スローイング、ブロッキング、フレーミングという捕手能力の中で、スローイングとブロッキングはホークスの捕手全体を見渡しても特に悪いです。
打撃面でそれを大きくカバーしてくれたら問題無いですが、普通に考えてデメリットの方が大きいことは明らかです。
総括
以上を踏まえ、甲斐拓也選手が移籍する可能性、そして捕手大シャッフルが起こる可能性は低いという結論に繋がってきます。
ただこれはあくまでも可能性の話。
可能性が限りなくゼロに近いというだけで、ゼロではありません。
甲斐選手が移籍するとしたら、一番に名前が挙がる球団が巨人。
巨人だけはマネーゲームで負ける可能性があります。
それでもホークスはそのマネーゲームに勝てるはずです。
なぜなら巨人には岸田行倫選手という次世代の正捕手が育ちつつあるからです。
岸田選手は2024年度の盗塁阻止率が.475で12球団No.1。
因みに甲斐選手は盗塁阻止率.284。
投手のクイックが影響してくるとはいえ、この数字は素晴らしいです。
このように巨人は、無理して甲斐選手を取りにいかなくていい背景があります。
ホークスにとっての甲斐選手は絶対的な存在。
どこにも譲れません。
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