2023年11月6日、巨人アダムウォーカー選手とホークス高橋礼投手,泉圭輔投手の交換トレードが成立しました。
今回の1対2トレードについて深く掘り下げていきます。
両者の弱点の補強
巨人とホークスの2023年シーズンはお互い納得のいかないシーズンでした。
巨人は打率12球団1位,本塁打12球団1位と打線は12球団No.1です。
しかし、救援防御率が12球団最下位という部分でセリーグ順位は4位に甘んじました。
ホークスは救援防御率パリーグ1位で、打撃もそこそこ上位の成績が並び、全体的に見るとバランスの良いチームでした。
しかし、先発陣の安定感の無さと外国人野手がハマらなかったことによる打線の爆発力の無さでパリーグ順位は3位に甘んじました。
今回のトレードはお互いにとってメリットのあるトレードだったと思います。
体感は1対1トレード
今回のトレードは1対2のトレードでしたが、体感は1対1だと見ています。
ウォーカー選手と泉投手のトレードです。
ウォーカー選手はNPB通算OPS.807の当たり外国人選手。
懸念点は来年33歳の年齢のみ。
グラシアル選手がホークスにやってきた年齢と同じだと考えれば分かりやすいと思います。
逆に泉投手は大卒5年目で118登板している実績十分の中継ぎ投手。
懸念点は今年の不調のみ。
普通にやれば来年以降、巨人のリリーフ陣を支える存在になれます。
高橋礼投手に関しては3年間も、一軍の舞台で力を発揮することができていません。
それでも2023年度は二軍で無双しました。
環境を変えて挑戦するチャンスを巨人が与えてくれたというのが正しい考察ではないでしょうか。
ドラフトでリリーフタイプを獲得した意味
ホークスの2023年ドラフトは個人的に不思議でした。
先発タイプの即戦力投手を多く指名すると思いきや、社会人でリリーフ投手を務めていた澤柳投手や、コントロールに少し不安があり球の力は文句無しの岩井投手を指名しました。
私の感覚としては支配下指名投手の内、先発が3名中継ぎが2名です。
確かにモイネロ投手の先発転向等、中継ぎの層が薄くなる可能性がありましたが、それでもリリーフ陣よりも先発の頭数を増やすのが最善策です。
ただ今回のトレードを受けて妙に納得しました。
オスナ投手は遅かれ早かれチームを去り、これから中継ぎのリーダー的存在になり得る泉投手を放出するとなれば、新たに中継ぎの軸を確保しておきたい気持ちは分かります。
ソフトバンク ウォーカー爆誕
トレードについてはこれで終わりです。
次からはウォーカー選手獲得でどのような変化がもたらされるのかを考察していきます。
支配下外国人枠
ウォーカー選手の加入により現在の支配下外国人選手はこうなっています。
オスナ,モイネロ,ヘルナンデス,スチュワート,ウォーカー
オスナ投手の去就次第で変わってくるとは思いますが、投手4名,野手1名の編成になってます。
こう見ると、ウォーカー選手の獲得は改めて大きいです。
分かりにくいと思いますが、デスパイネ選手,ホーキンス選手,アストゥディーヨ選手,ガルビス選手をぎゅっと一つに固めて支配下枠を3つ増やしたイメージです。
メジャーで活躍してもNPBで活躍できない。
逆にNPBで活躍してもメジャーで活躍できない。
そういった選手は存在します。
だから外国人選手の活躍に頼るチームは複数の外国人選手を獲得して活躍の確率を上げます。
ホークスの2023年度はそれでうまくいきませんでした。
ウォーカー選手は怪我さえなければ活躍するのは分かっているので、計算が非常にしやすいです。
外国人選手の一軍ベンチ入り人数は4人。
仮に9人外国人選手がいて全員良い選手だったとしても出られる選手は4人だけ。
こう考えると、もう2024年シーズンに向けた外国人補強はもう終わりでいいと私は思います。
取るとしても野手1人に留めてほしいです。
ポジション争い
ウォーカー選手がチームに加わることによりチーム内競争は過熱します。
ホークスのレギュラー陣はほとんどが左打者なので、ウォーカー選手は優先的に起用されることが予想されます。
ただ問題なのが守備位置です。
巨人では主にレフトの守備に就いていましたが、お世辞にも守備がうまい選手とは言えません。
ホークスでは指名打者としての起用が望ましいです。
また、ウォーカー選手はレフトスタメン出場時とDH代打での出場時で打撃成績がガラッと変わります。
2023年度の打撃成績比較がこちら。
レフトスタメン時20試合,OPS.577
DH代打出場時37試合,OPS.981
守備でのストレスが無くなることで驚異的な集中力を発揮します。
ただDHのポジションを簡単に明け渡せないチーム事情があります。
柳田悠岐
ホークスの指名打者といえば柳田悠岐選手。
2023年度ホークスの指名打者でのスタメン出場数は柳田選手の67試合が最多です。
柳田選手は指名打者と守備に就いた試合とで成績が全然違います。
詳しくはこちらをご覧ください。
ライトの守備に就いた試合のOPS.814
DHで出場した試合のOPS.912
OPSが0.1も違います。
柳田選手はDHで出場すれば、今でも全盛期に近い数字を残すことが可能です。
そうでなくても来年36歳の柳田選手にずっと守備に就かせることは考えにくいです。
近藤健介
柳田選手の次に指名打者出場が多かったのが近藤健介選手。
DHとして39試合に出場しました。
近藤選手の守備に就いた試合とそうでない試合の2023年度打撃成績の違いがこちら。
近藤選手の場合は守備に就いた方が成績を残しています。
守備に就いた103試合のOPS.978
DH,代打で出場した40試合のOPS.909
2024年度はベテラン選手の中では若い近藤選手の守備負担がさらに高くなりそうです。
攻撃でも守備でもホークスに絶対欠かせない選手なので、休みつつという起用が出来たらいいのですが。
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