今回はホークス投手の与四死球率に注目していきます。
なぜ与四死球率?
与四死球率とは、
1試合(9回)投げたとして何個の四死球を出すかという指標です。
なぜこの与四死球率に注目するのかと思った方も多いのではないでしょうか。
これには理由があります。
ホークスの現在の最大のウィークポイントは
先発投手。
先発防御率3.63はパリーグ5位,
チームQS率38.5%は12球団ワースト(2023年度)
先発が試合を作れない、
長い回を投げられないという状況です。
また、チーム与四死球499は西武に次いで
12球団2番目の多さです。
単純に打たれているから長い回を投げれていない部分と、四死球で球数が嵩み長い回を投げられていないという両方があります。
中継ぎは基本的に何球投げても1回をゼロに抑えればそれでいいですが、
先発は100球を目処に試合を作らなければなりません。
先発投手が許容できる与四死球率
四死球の重要性が簡単に分かったところで、
先発投手はどの程度の与四死球率まで許容できるのかというところを分析していきます。
現在の日本のエース、オリックスの山本由伸投手の通算四死球率は2.32です。(2023年度終了時点)
どの球も決め球となる球の強さを持ちながら、
ストライクゾーンで勝負できる。
まさに完璧な投手です。
また、ホークスの過去のエース投手を見ると、
杉内俊哉投手が2.90,斉藤和巳投手が3.34,攝津正投手が3.12です。
通算与四死球率は3程度に収まっています。
逆にコントロールが悪いと言われていたホークスのエース投手は、
新垣渚投手が3.88,NPB時代の千賀滉大投手が3.67です。
悪いと言われながらも4未満に収まっています。
総合すると、先発投手は悪くても
四死球率4未満に抑えておいてほしいということが言えます。
通算与四死球率が4を超える投手で安定した成績を残す投手を探しましたが、少なくともエース投手は見つかりませんでした。
おそらく首脳陣もそこ(与四死球率4未満)を基準に先発投手を選んでいるのでしょう。
与四死球率が4未満のホークス投手
先発投手として安定した成績を残すためには、
与四死球率4未満が前提条件ということが分かった上で、この条件に当てはまるホークスの投手を見ていきましょう。
一軍通算
30代以上
一軍通算で与四死球率4未満の30代以上の投手がこちら。
東浜投手,有原投手,和田投手,和田投手,ガンケル投手,森投手は先発。
又吉投手,嘉弥真投手は走者を置いた厳しい場面での中継ぎ。
役割が非常に分かりやすいです。
20代
一軍通算で与四死球率4未満の20代の投手がこちら。
大関投手,板東投手は先発。
大津投手,尾形投手,松本裕樹投手は中継ぎ。
オスナ投手は守護神。
主に中継ぎ,抑えに重点を置いていることが分かります。
2023年一軍成績
続いて2023年,一軍で与四死球率4未満の投手がこちら。
3投手共に中継ぎ投手です。
甲斐野投手は将来の守護神として活躍が期待されている投手。
オスナ投手との出会いがコントロールの向上に繋がったのでしょうか。
真っすぐとフォークが基本の投手なので、
キングオブクローザー,サファテ投手の通算与四死球率2.83に今後どれだけ近づけるかが勝負です。
モイネロ投手、古川投手は球種も多いですし、
来年先発転向があるかもしれませんね。
二軍成績
二軍も一軍と同様の条件にしようと思いましたが、あまりに数が多くなったので絞ります。
条件は2023年度二軍戦の登板数10試合以上、
かつ与四死球率3未満です。
この条件を今季の二軍で満たした投手がこちら。
二軍と一軍が全然違う場所だと分かります。
一軍の打者に対しては簡単にストライクを取りにいけない。
二軍の打者に対しては簡単にストライクから入れる。
ただ、良い意味で捉えると、二軍で出してきたものが一軍でそのまま出せれば一軍で勝負できるということです。
育成で唯一名前が挙がった中村亮太投手は来年の支配下筆頭候補です。
三軍四軍成績
三軍四軍も二軍と同じ条件で調べました。
条件は2023年度三軍四軍戦の登板数10試合以上、
かつ与四死球率3未満です。
今季の三軍四軍で条件に当てはまる投手がこちら。
上から投球回数の多い順に記載してます。
二軍と三軍四軍も別世界です。
ただ、この中で気になる投手が2名います。
木村大成投手,赤羽蓮投手です。
それぞれの三軍四軍成績がこちら。
木村大成投手
69回,防御率1.04,被打率4.57,奪三振率9.00
赤羽蓮投手
12回,防御率0.75,被打率2.25,奪三振率8.25
2人共無双しちゃってますが、特に木村投手が69回投げての成績なので素晴らしいです。
ホークスは左の先発をかなり欲しているので、彼の成長はホークスの未来に直結すると言っても過言ではありません。
来年に向けて
来年の先発投手はできれば今回名前の挙がった投手でいきたいところです。
自滅してしまう投手は、先発で計算ができないからです。
今年はオスナ投手を獲得し後ろを盤石にしたものの、前が崩れて後ろに回すことができませんでした。
非常にもったいないことです。
オスナ投手は来年も残ってくれるか分かりません。
だから中継ぎも気になるところですが、
まずは先発です。
先発ができそうな投手は全員先発調整で、
シーズン始まってからも固定せず常に試し続ける泥臭さが今のホークスに求められます。
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