2024/8/8、福岡ソフトバンクホークスvs千葉ロッテマリーンズの一軍公式戦が行われました。
結果は6-3でホークスが勝ちました。
今回はこの試合の全体的な感想をホークス目線で振り返ります。
ホークス投手&野手も個別に取り上げます。
野手に関しては8月の一軍打撃成績も載せてます。
全体的な感想
石川柊太投手と佐々木朗希投手のマッチアップを見た時に、石川投手が勝つと予想した方は何人いたでしょうか。
佐々木投手から5回までに9安打を浴びせて3得点を取ると予想した方は何人いたでしょうか。
こういった大方の予想を覆せるのが野球。
これだから野球は面白いんです。
前日の試合では投打がどちらも奮わない試合でしたが、今試合は投打ががっちり噛み合う試合。
この切り替えの早さが素晴らしいです。
これでホークスは6カード連続勝ち越し。
この勢いはもう止められません。
8/10からは勝負の9連戦が始まります。
ここを良い形で乗り切ることができれば、あとは基本的に一週間に5試合の楽な試合が続くので、優勝に大きく近づきます。
8/9現在、2位マリーンズとのゲーム差は11。
9連戦が終わった時にこのゲーム差が縮まっていなければ、優勝は8割方決まったと言っても過言ではありません。
なぜなら一週間の5試合の内2試合は有原航平投手とモイネロ投手が投げる為、ゲーム差が縮まりにくいからです。
今シーズン最大の声援をこの9連戦にぶつけていきましょう。
投手
石川柊太
石川柊太投手は5回無失点の投球でした。
全91球の内、ストライク64ボール27。
印象としては「投げるたびに石川投手のペースに」です。
今回の登板は石川投手にとって、野球人生の全てをかけた一戦だったと推測します。
若手先発投手が伸びてきている中で、ベテランの石川投手が先発の軸として働くことができていないという状況が来季の契約を考えると非常に危険だからです。
そんな中で、立ち上がりは力が入りすぎたのか先頭の岡選手に対して死球からのスタート。
そこから盗塁を決められ、四球も出して走者を溜めたものの何とか無失点。
2回は1死から藤原選手に二塁打を打たれたものの、最後は佐藤直樹選手のファインプレーに助けられ無失点。
2回までに52球を要するなど、球数は非常に多いです。
ただ、3回表終了時点で味方打線が3点を取っていたこともあり、ここから石川投手らしいテンポの良い投球に変わっていきます。
3~5回までは全て三者凡退投球。
この間には粘られて球数を投げさせられる場面もありました。
それでも決して四球を出すことはありませんでした。
甘く入る球も極端に少なくなったので何も言うことがありません。
次回登板は9連戦のどこかだと思いますが、投球イニングを伸ばして更なる信頼感を勝ち取ってほしいです。
長谷川威展
長谷川威展投手は0.0回1失点の投球でした。
全14球の内、ストライク11ボール3。
印象としては「切り替えるだけ」です。
先頭の岡選手には粘られて9球目の低めのスライダーをレフトへの二塁打。
藤岡選手には外角のストレートにうまく合わされレフト前ヒット。
ポランコ選手には内角のストレートを引っ張られファーストの山川選手が取れそうで取れず、結局セカンドへの内野安打。
勝負球は全てしっかり投げ切った球です。
それでもアウトが取れない。
前日の大津投手の初回の投球を見ているようです。
長谷川投手は前日の無失点登板よりも今回の方が投球内容は良かったです。
そういう時もあると思って切り替えるだけかなと個人的には思います。
又吉克樹
又吉克樹投手は1回無失点の投球でした。
全6球の内、ストライク5ボール1。
印象としては「困った時の又吉さん」です。
個人的にこの試合のヒーローは又吉投手です。
ホークスは佐々木投手から3点を取ったものの、なかなか試合を決める次の1点を取ることが出来ない中で、6回裏に2番手の長谷川投手が3連打を許し1失点。
なおも無死一二塁のピンチ。
マリーンズとしては一気に同点までいきたい場面です。
ここで登場したのが又吉投手。
最初に対峙したソト選手には4球連続で外角にきっちり制球しサードゴロ併殺。
2死満塁の場面で対峙した佐藤選手には1球目に外のストレートでストライク、2球目は内のストレートで押し込みセンターフライ。
結果的にこの大ピンチを無失点で凌ぎました。
本当にこの広報さんは仕事をしすぎです。
藤井皓哉
藤井皓哉投手は1回無失点の投球でした。
全18球の内、ストライク13ボール5。
印象としては「ストレートが前に飛ばない」です。
ここ最近の藤井投手は状態が本当に良いです。
今回は藤原選手に低めのボールゾーンのカーブをセンター前にうまく運ばれることはあっても、ストレートは真ん中でも前に飛ばされませんでした。
今の藤井投手とヘルナンデス投手の状態を比較すると、8回藤井投手の方が良いのかなという気がしてきます。
春先は状態が上がらずに二軍再調整を経験した藤井投手が、夏場の一番大事な時期に頼もしい活躍をしてくれてます。
ヘルナンデス
ヘルナンデス投手は1回2失点の投球でした。
全24球の内、ストライク15ボール9。
印象としては「配置転換の可能性有り」です。
先頭の和田選手は2球目の内角ストレートをバットを折りながらライト前ヒット。
藤岡選手は粘って8球目の真ん中ストレートをセンター前ヒット。
ポランコ選手は6球目の真ん中ストレートを打ち損じてライトフライ。
ソト選手は2球目の外角低めストレートに合わせてライト前ヒット。
佐藤選手は4球目の高めのストレートを打ってセカンドゴロ。
荻野選手は2球目の外角ストレートを捉えて良い当たりのライトフライ。
この結果を見ても分かるように、ヘルナンデス投手はしっかり対応されてます。
本当にちゃんと打ち取ったと言えるのは佐藤選手ぐらいです。
ストレートで空振りが取れない。
これがヘルナンデス投手の投球をおかしくしている原因です。
より良い所に投げないと抑えられないということで力が入り、佐藤選手の打席では暴投も記録しました。
ファイターズ戦での2試合連続失点は万波選手とレイエス選手にやられたという印象が強かったですが、3試合連続2失点投球となると話は変わってきます。
配置転換の可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。
松本裕樹
松本裕樹投手は1回無失点の投球でした。
全13球の内、ストライク11ボール2。
印象としては「うまく間を使いながら」です。
1球1球時間をかけて投げることによって打者にいろいろ考えさせて抑え込みました。
松本投手は球種が多彩な投手。
ストレートで来るか、いやスライダーもあるな、やっぱりフォークか?
時間をかけることによって打者にこういった迷いが生まれます。
その迷いによって打者が甘い球を仕留めきれませんでした。
また、単純に球が強いということは言えます。
真ん中でも押し込めるだけの球威があるから9回を任されてます。
3点差の展開だったから良かったものの、今回の投球内容は無理やり力で抑え込んだという感じだったので、次回はコントロールも抜群の投球を期待したいです。
野手
ホークス選手の8月一軍打撃成績がこちら。(2024/8/8時点)
<スタメン>
<スタメン外>
ホークスの8月の打撃成績は相変わらず美しいです。
どこからでも点が取れる打線です。
牧原大成選手は5打数2安打2打点。
山本由伸投手や佐々木朗希投手等、日本を代表する投手からよく打っている印象です。
栗原陵矢選手は5打数1安打1本塁打1打点。
8回裏に2点を取られて少し嫌な流れだっただけに、9回表の本塁打は非常に大きかったです。
山川穂高選手は5打数1安打1本塁打1打点。
こちらも6回裏に1点を返されていただけに、7回表に飛び出した本塁打は流れを考えても大きな一発でした。
正木智也選手は3打数2安打1四球1本塁打1打点。
走者が出ている時は繋ぎの打撃、走者がいない場面では長打を狙う打撃というように使い分け、6番打者の風格が出てきました。
柳町達選手は4打数4安打1打点。
1打席目のベースに当たるラッキーヒットから良い流れに乗って固め打ちを披露しました。
甲斐拓也選手は4打数2安打。
佐々木投手のストレートに逆らわずライト前に運んだ2打席目は特に素晴らしかったです。
打撃面で目立った選手の紹介はここまでにして、次は守備走塁。
守備走塁で目立ったのは佐藤直樹選手と井出竜也コーチです。
まずは走塁から。
2回表2死一三塁の場面で一塁走者の佐藤選手はスタートを切り、打者の牧原選手はセンター前ヒット。
スタートを切っていた佐藤選手は本塁まで還ってきました。
かなり驚きのプレーです。
センター岡選手の打球処理の遅さや、佐藤選手のスピード、アウトカウント等を瞬時に判断してサードコーチャーの井出竜也コーチが回したのだと思いますが、これは佐藤選手と井出コーチ両方のファインプレーです。
サードコーチャーは批判を受けやすい役割ではあります。
5回表2死二塁で柳町選手がライト前ヒットを打った場面で、二塁走者正木選手の本塁突入を指示してホームタッチアウト。
このプレーで井出コーチが「壊れた信号機」などと書かれていたのを目にしました。
この一瞬の判断を間違えるだけで批判されるので、過酷な職業だなと改めて感じます。
野球を少しでもかじったことがある人で、進んでサードコーチャーをやりたい人なんて1人もいないのではないでしょうか。
人間なので当然ミスはありますが、その分ファインプレーもあります。
例えば6/8DeNA戦は井出コーチの一瞬の判断で勝ちを拾えました。
守りのサードコーチャーなんて誰でもできます。
攻めのサードコーチャーの方が深い所まで野球を考えてます。
それを踏まえた上で野球を見ると、サードコーチャーの見方が180度変わるのではないでしょうか。
続いて守備。
守備はもちろん2回裏2死二塁の場面で飛び出したセンター前のスライディングキャッチです。
2回表に2点を先制した中で、裏に1点を返されてしまうと、流れがどちらになるか分からなくなる場面でこの佐藤選手のプレーがあったので序盤は完全にホークスの流れになりました。
このプレーから石川投手の投球が良い方向に変わったので、チームにとっても石川投手にとっても大きなワンプレーでした。
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