今回は2024年型ホークスを語る上で欠かせない、「中ロング」に注目していきます。
先日、倉野信次投手コーチのインタビューの中で武田翔太投手の話題が挙がりました。
詳しくはこちらをご覧ください。
ホークスというチームならではの戦い方を模索していく中で、投手のやりくりは気になるところ。
倉野コーチの頭の中を想像していきます。
中ロングの重要性
ホークスは先発が試合を作れない、そして中継ぎに強みを持っているチームです。
2年連続でチームQS率は12球団最下位。
2023年度の先発平均年齢は12球団最年長。
ここをどうにかしないと西武やオリックスの強力な若手投手陣に対抗できません。
ただ、いきなり実績の無い若い先発投手がバチっとハマるかは未知数な部分があります。
じゃあどうするか。
強力な中継ぎ陣に毎試合のように頼ることになるでしょうか。
そんなことをしていたら中継ぎ陣のパフォーマンスの質が落ち、怪我のリスクも高まります。
ここで鍵になるのが「中ロング投手」。
中ロング投手は中継ぎでありながら先発のような働きをする投手です。
先発投手が早い回で降りた時に、中ロング投手が試合を作り直すことで、中継ぎ投手の負担を軽減し、試合に勝てるチャンスが増えます。
中ロング投手の特徴
先発は長い回を投げ試合を作ること。
中継ぎは1イニングを制圧すること。
このように先発・中継ぎは役割が分かりやすいです。
中ロングはどうでしょうか。
先発が早い回で降りた時に試合の流れを変え、さらに複数イニング投げ試合を作り直す。
先発と中継ぎの役割を両方こなす必要があります。
ただ、こんな難しい役割なのに優遇されていません。
極論ですが、先発が143試合しっかり仕事をしたら必要無いポジションだからです。
つまり中ロングのポジションに収まる投手は、先発ローテから外れ勝ちパターンの中継ぎでもない投手ということになります。
中ロング候補
中ロングは先発と中継ぎの役割を両方こなす必要があるということで、一軍の舞台で先発中継ぎどちらも経験した投手が望ましいです。
幸運なことにホークスにはそんな投手がたくさんいます。
先発候補として獲得しても、「まずは中継ぎから」という場合が非常に多いからです。
また、中ロングは中堅ベテラン投手が担うパターンが多いです。
若手投手は先発ローテもしくは勝ちパターンの中継ぎになるために二軍で鍛錬を積むことが許されますが、中堅ベテランにそんな時間は許されないからです。
一軍の戦力にならないなら戦力外通告を言い渡されるだけです。
よって、中ロング候補に挙げる投手は中堅ベテランで先発中継ぎどちらも経験した投手ということになります。
この定義を満たしたホークス投手を6名挙げてみました。
又吉克樹
又吉投手は先発中継ぎどちらもこなせる便利屋的存在です。
2023年オフには契約更改で「敗戦処理、ワンポイント、ロング、全てをこなせるようにオールマイティにいきたいなと思う」と発言しました。
このように又吉投手は中ロングという誰もやりたくないポジションに意欲的です。
もしも言葉通りに又吉投手がフル回転でチームに貢献したならば、「影のMVP」として称賛されるでしょう。
石川柊太
石川投手は元々中ロングから実績を作り上げた投手です。
よってチーム状況によっては石川投手がこのポジションに収まる可能性は十分あります。
ただ、当然狙うのは先発ローテーション。
中ロングは先発でうまくいかなかった場合の保険にすぎません。
武田翔太
武田投手の2024年シーズンは中ロングで勝負することが決まっています。
かつては先発として183イニングも投げたことがある投手に中ロングの役割を任せるのは、贅沢だと思われるかもしれません。
ただ、それが武田投手の現状です。
今季は4年契約3年目のシーズンということで余裕はありますが、来季でホークス人生を終えないためにも今季の活躍は非常に大切です。
板東湧梧
板東投手は開幕ローテーションに食い込みたい投手。
ただそれが叶わなかった場合、中ロングとして重要な役割を担います。
プロ2年目の2020年度は笠谷投手と板東投手の2人で試合を作ることもありました。
板東投手は一軍で投げるようになってから、常に安定した数字を残しているので、そろそろ先発の中心として活躍してくれないと困る投手の1人ではあります。
笠谷俊介
笠谷投手は今年が勝負の投手です。
今季は先発として勝負するということで長いイニングを投げることが求められます。
よって、仮に開幕ローテーションに入らなかった場合は中ロングというポジションにすんなり収まることができます。
ホークスの左投手は若手に多いですが中堅ベテランには少ないので、どのポジションでもチャンスです。
杉山一樹
杉山投手も今年が勝負の投手です。
本人は中継ぎ志望とのことですが、首脳陣は先発として調整してほしいというところに「中ロング」の雰囲気が漂っています。
元々投げるスタミナを持っている投手なので、彼がそこにハマればホークスの強みになります。
ただどこで投げるにしても、制球力の改善は必要不可欠です。
コメント