2023年度からホークスに加入し、そこから先発ローテの柱としてチームを支えてきた有原航平投手。
怪我に強い体と長い回を投げる安定感は、ホークスにとって貴重な存在です。
では、もし有原投手が移籍してしまった場合——チームにはどのような影響が起きるのでしょうか。
本記事では、投手陣の再編成・戦力へのダメージ・台頭が期待される選手・補強戦略まで、総合的に深掘りしていきます。
はじめに
有原航平投手は2025年度が3年契約の3年目でした。そしてこの契約が終わると同時に「自由契約」となる条件を盛り込んでいました。
その結果として何が起こるかというと、有原投手は3年契約が終わるとFA権を行使せずとも国内・海外問わず全ての球団と交渉できるようになりました。
国内FA権を行使すれば国内の球団としか交渉できません。またFAランクが「B」の有原投手は補償が発生する為、単なるマネーゲームとはならない可能性もあります。
ホークスは「ポスティング移籍を認めていない球団」。有原投手は「もう一度NPBで実績を積んでMLBでの挑戦権を得たい」。両者の折り合いをつけるためにも、この3年契約後の自由契約は非常に大事な条件だったことが窺えます。
ホークスとしては有原投手が自由契約になったからといって諦める必要は全くありません。ただ、有原投手からすれば1対1の交渉ではない為、ホークスファンが残留を期待しすぎるのは良くないです。現に巨人が3年20億円規模の契約を提示しているという噂があります。
ホークスでの3年間で計38勝。直近2年は175回以上を消化しているというイニングイーターぶり。先発ローテの一角というよりも、「エース」という言葉の方がしっくりきます。現在の年俸以上に高い評価を得られるのは間違いないでしょう。
これを踏まえた上で、有原投手が移籍することによるホークスへの影響を深掘りします。
先発ローテの「計算できるカード」が1枚消える
有原投手は間違いなくホークスの「エース」でしたが、ホークス入団時に期待されていた役割はそこではありませんでした。千賀滉大投手が抜けたことによる年間120〜150イニング前後を安定して投げてくれる活躍を期待されていました。
つまり、イニングイーターとしての役割です。
こういう投手がいないと、中継ぎが早々に登板する展開が多くなり、結果的にシーズン終盤まで持ちません。有原投手がいたからこそ、中継ぎ陣が最後まで高いパフォーマンスを維持できたという見方もできます。
1週間に一回必ず投げて、6~8回を消化してくれる。それがどれだけありがたいことか、いなくなって気づくことになるでしょうね。既に気づいてますけど。
想定影響
- 先発のQS率(クオリティ・スタート率)が下がる
- 中継ぎ陣の負担増
- 若手を“計算に入れざるを得ない”状況に
- 1週間の勝ちパターン設計が崩れる
- シーズン後半に失速しやすい
特に中継ぎの疲労が増え、ブルペンが崩れやすくなるという連鎖が、考えられる最も大きな影響です。
フロントが新たに外国人 or トレード補強をする可能性大
先発投手の中でも「核」となる存在が抜けるとなると、なりふり構わず補強に動く可能性が考えられます。前田健太投手の獲得にも名乗りを上げていましたが、結果的に前田投手は楽天が獲得。残された選択肢は外国人選手かトレードです。現役ドラフトにはあまり期待しないほうがいいでしょう。
先日、台湾のスター徐若熙投手の争奪戦を制したホークスですが、これで有原投手の穴が埋まったと考えるのは都合がよすぎます。
なぜフロントが動く?
- 2026年度からモイネロ投手日本人枠。
- 残る4名の支配下外国人選手(スチュワート、オスナ、ヘルナンデス、ダウンズ)は2025年度に1年を通しての活躍ができず。
- 徐若熙投手だけでは物足りない。
上記事で述べた中でも、先発のジャクソン投手、ケイ投手、デュプランティエ投手は間違いなく補強の候補に入っているでしょうね。
若手投手にとっては大チャンス
有原投手はいたら必ず先発ローテーションに収まる投手。そんな投手が抜けたなら、若手投手にとってはチャンス以外の何物でもありません。絶対的正捕手の甲斐拓也選手が抜けた時のように、目の色を変えてローテ争奪戦が繰り広げられるでしょう。
ただ、有原投手以外もホークスは先発投手が揃っています。
- リバン・モイネロ
- 上沢直之
- 大関友久
10勝カルテットの内の3名はほぼ決まりで、後半戦大活躍を見せた大津亮介投手や先発中継ぎ問わず活躍した松本晴投手、前半戦は渡邉陸選手とのコンビで試合を作った前田純投手等、なんだかんだで先発枠が埋まりそうな気もします。残留となれば東浜巨投手もいますし。
期待の若手
- 徐若熙
- 前田悠伍
- ダリオ・サルディ
- 新人ドラフト組
日本球界での経験がない徐若熙投手がいきなり先発の軸になるかもしれない。前田悠伍投手はそろそろ一軍で花開く時。サルディ投手やアルメンタ投手は、枠の影響で二軍ですらそこまで投げていないものの出力だけならとっくの昔に一軍クラス。新人組は春季キャンプで良いところを見せたら大抜擢の可能性アリ。想像するだけでワクワクします。
ホークスは素材の宝庫ですよ、本当に。
まとめ
有原投手は派手さこそないものの、
- 6~8回を安定して投げる
- 怪我無くローテを守れる
- 年間120〜180イニング
- 防御率2点台~3点台前半
- 静かながら熱いエースの魂がある
という、球団運営にとって極めて重要な投手です。
もし移籍した場合、ホークスは…
- ローテの安定感が落ちる
- 中継ぎ負担が増える
- 若手の責任が増す
- フロントが補強を急ぐ
- チーム全体の戦い方が変わる
つまり、有原投手の移籍は、
表面的な1枠の離脱ではなく、組織全体に影響する出来事です。
ホークスとしては何としても引き留めたい存在であり、移籍されると「痛い」以上のダメージがあるでしょう。
その反面、若手にとってはチャンスであり組織としても若返りのチャンスです。いつか必ず訪れる世代交代が少しだけ早くなったと捉えて、若手が奮起できるかが2026年度の命運を握ります。





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