2025/9/30、福岡ソフトバンクホークスは又吉克樹投手と来季の契約を結ばないことを発表しました。
今回はこの構想外報道について私が率直に思うことを述べていきます。
挑戦の2025年シーズン
又吉投手の2025年シーズンはイレギュラーな1年でした。
まずは中継ぎとして調整を進めていたものの、アピールが足りずに開幕は二軍スタート。
そこからまさかの先発転向です。
過去に先発経験もあるとはいえ、一軍で503試合も投げた実績十分のベテラン中継ぎ右腕が34歳にしてシーズン途中で先発転向するのはなかなかのことです。ベテラン投手は一年一年が勝負で結果を何よりも追い求めなければなりません。
投球スタイルに関してもカット、シュート、チェンジアップ、シンカーといった曲がり球中心のスタイルに変更し、新しい又吉投手を模索していきました。
そして、そのまま先発でシーズンを終えるかと思いきや、中盤辺りで再び中継ぎに戻ります。おそらく首脳陣が投球内容を見て判断したのでしょう。
このようにベテランらしからぬ激動のシーズンを送りました。
球の衰えは感じない
ホークスは構想外を判断する際に、やはり「年齢」は重要な要素です。
チーム最年長投手が1試合も一軍で投げていないとなると、構想外に選ばれるのは致し方ありません。
ただ、又吉投手自身の球のスピードに関してはまだまだ衰えを感じません。サイドからストレート系のスピードは常時140キロ台後半を記録しています。新たな投球スタイルを模索する過程で結果が伴わない部分もありましたが、又吉投手の球は健在です。
球団フロント側もそのことは十分把握しており、早くに次の移籍先を見つけてほしいということで一番に又吉投手の構想外を報じたのでしょう。
若手選手に大きな財産を残した
又吉投手は一軍通算503試合という絶対的な実績があるにもかかわらず、二軍で腐った姿を一瞬も見せませんでした。
これまで通り、広報の仕事も全うしながら、自らのパフォーマンスを高めようとし、まさにプロ野球選手としてお手本となる姿でした。
これは筑後でプレーする選手にとってかなりの刺激となったはずです。
また、特に若手捕手にとっては又吉投手とバッテリーを組んで「打たれて学ぶ」ことも、当然あったでしょう。
これが間違いなく2~3年後に大きな財産として帰ってきます。
又吉投手がホークスに居た4年間は、タフな中継ぎとしても、戦力以外の部分でもチームにプラスをもたらしてくれました。来季、又吉投手が再び一軍のマウンドで花を咲かせることを願い、本稿を締めくくります。
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