毎年10名以上の支配下選手が入れ替わる厳しいプロ野球の世界。
2025年度も同様です。
この選手は主力だから人気だから少なくともあと5年はプレーしてくれるだろう。
そんな保証はありません。
今回は福岡ソフトバンクホークスの支配下選手の中で、2025年度に特に頑張らないといけない選手を10名厳選しました。
本当は複数年契約選手を除く全員です。
全員ですが、近年の実績や年齢等を踏まえてフロントは判断するので、現時点で危ない選手というのはある程度分かります。
推しの選手は推せるときに推せるだけ推しておきましょう。
東浜巨
2025年度でプロ13年目を迎える東浜巨投手。
2017年には最多勝のタイトルを獲得、2022年5月11日にはノーヒットノーランを記録しました。
ホークスを代表する右の先発投手です。
ただ、近年は苦しんでいます。
2023年度は17先発で防御率4.52、2024年度は11先発で防御率3.38。
ストレートの質が良かったり悪かったりを繰り返し、1年を通して安定した成績を残せていません。
東浜投手は2022年オフに3年契約を結んでおり2025年度がその最終年。
まさしく勝負の年です。
有原航平投手、モイネロ投手、スチュワート投手、上沢直之投手、大津亮介投手、大関友久投手。
まずはこの6名よりも素晴らしい投球をして、開幕ローテーションの枠を掴まなければなりません。
また、板東湧梧投手や上茶谷大河投手のような中堅投手や、前田純投手、松本晴投手、村田賢一投手、前田悠伍投手のような若手投手の突き上げもあります。
和田毅投手がいなくなり、東浜投手がチーム最年長投手。
求められるものは当然高くなります。
過去2年と同じような成績を残してもホークスでは生き残れません。
武田翔太
2025年度でプロ14年目を迎える武田翔太投手。
高卒1年目から頭角を現し、いきなり11先発で防御率1.07の大活躍。
2015年2016年には2年連続で二桁勝利を挙げました。
ただ、それ以降は苦しんでいます。
調子の波が大きく、先発一本で勝負するということができませんでした。
2024年4月にはトミージョン手術を受け1年以上の戦線離脱。
2021年オフに結んだ4年契約も2025年度で最終年。
投げれるようになってすぐに一軍で大活躍できなければ、2026年度はホークスでプレーできないでしょう。
中村晃
2025年度でプロ18年目を迎える中村晃選手。
2014年度には最多安打、2020~2023年度はゴールデングラブ賞のタイトルを獲得しました。
ホークスファンに長く愛されている名選手です。
中村選手はレギュラーを掴んだ2013年度以降、自律神経失調症を患った2019年度以外でレギュラーの座を譲ることはありませんでした。
ただ、2024年度に山川穂高選手が加入し、一塁手のレギュラーを初めて実力によって奪われました。
「代打」という役割が中心になった中村選手の2024年度は、慣れない部分も多かったのか、203打席で打率.221,出塁率.297,OPS.540という悔しい結果に。
中村選手以外で35歳の選手がこの成績を残したなら、間違いなく戦力外です。
また代打が難しい役割とはいえ、さすがに2年連続で結果を残せないとなると中村選手でもさすがに厳しいです。
2025年度は中村選手の今後の野球人生を大きく左右する1年になるでしょう。
板東湧梧
2025年度でプロ7年目を迎える板東湧梧投手。
プロ2年目からひねりを加えた投球フォームに改造し、球速を伸ばしたことによって一軍登板数を増やし、そこから4年間は一軍の戦力として先発中継ぎどちらでも器用にこなしました。
ただ、プロ6年目の2024年度は、まさかの球速低下によって一軍登板0。
本来は150キロ前後のストレートを投げれるのに、2024年度は1年を通して140キロ前後のストレートしか投げれませんでした。
もしも、2年続けてこのような状態が続くとさすがに厳しいです。
板東投手は社会人のJR東日本から入団した投手で、実は2025年度で30歳になる投手。
若手投手というよりも、中堅ベテランです。
チームの主力として相応しい成績を残す必要があります。
先発ローテーションの一角を務める。
もしくは、先発中ロング中継ぎ何でもこなす便利屋として、2024年度の石川柊太投手のような役割を担う。
これぐらいの活躍はマストです。
野村勇
2025年度でプロ4年目を迎える野村勇選手。
プロ1年目には10本塁打10盗塁という鮮烈な一軍デビューを飾ったスター候補選手です。
ただ2年目3年目と結果を残せず、3年目の2024年シーズンに関しては一軍で本塁打0本。
良さがどんどん失われていきました。
おそらく課題である外に逃げるスライダーに対応しようとした結果、打撃が小さくまとまってしまい、自分の形を見失ってしまったのでしょう。
野村勇選手は2025年度で29歳。
もう中堅ベテランの年齢です。
そろそろ自分の城を築かなければなりません。
内野の守備固めは川瀬晃選手が自分の城を築いており、ショートの今宮健太選手は絶対的。
ファースト山川穂高選手とサード栗原陵矢選手も絶対的。
怪我等が無ければ残されたポジションはセカンドだけです。
筆頭候補の牧原大成選手や三森大貴選手、廣瀨隆太選手、ダウンズ選手とライバルはたくさん。
その中で突出した成績を残せるかに注目です。
渡邉陸
2025年度でプロ7年目を迎える渡邉陸選手。
2022年度には広島の森下投手から逆方向へ二打席連発、楽天の則本投手からも本塁打を放ち、将来の正捕手としての期待感を抱かせました。
ただここ2年は怪我もあり、二軍で結果を残せず。
あの2022年度がまぐれだったと言われかねない成績を残しました。
さすがに2025年シーズンがラストチャンスだと思います。
そのラストチャンスのシーズンで正捕手の甲斐拓也選手が巨人へ移籍。
これは渡邉選手にとってこれ以上ない大チャンスです。
最初で最後の大チャンスかもしれません。
このチャンスをものにできればホークスの正捕手、ものにできなければ戦力外通告。
彼の活躍に注目です。
木村大成
2025年度でプロ4年目を迎える木村大成投手。
3年目となる2024年度には二軍戦初勝利を挙げた将来性に期待の投手です。
ただ、木村投手のプロ3年間での一軍登板は0で、二軍定着もまだできていません。
ドラフト同期でドラフト1位の風間球打投手が2024年オフに戦力外通告を受け育成選手になったことから、木村投手もそろそろ一軍で結果を残し始めなければ危ないということで名前を挙げました。
木村投手の高校時代は最速150キロのストレートと切れ味鋭いスライダーで奪三振能力の高さを売りにしていました。
ただ現在のストレートのスピードは140キロ前後、出ても140キロ台中盤しか出ません。
そこに関して木村投手自身も納得していない部分は大きいと思います。
このスピードを取り戻すことができれば、ショートイニングなら一軍で通用するはずです。
ホークスの左の中継ぎが手薄なのはここ数年ずっと変わっていません。
自分の城を築くことを第一に考えた時に、これまで通り先発調整するよりも中継ぎで頑張る方が木村投手の可能性は広がると思います。
牧原巧汰
2025年度でプロ5年目を迎える牧原巧汰選手。
その年のドラフト1位井上朋也選手と共にプロ1年目から春季キャンプでA組の練習に呼ばれるぐらい高い打撃センスがある選手です。
ただ牧原選手はプロ4年間で未だ二軍定着ができていません。
ドラフト同期の井上選手や笹川吉康選手は既に二軍のレギュラーとして一軍定着を窺っています。
そろそろ結果を残さなければ危ないです。
先ほども述べたように、甲斐拓也選手が移籍したことによって一軍正捕手の枠が空きました。
未だ二軍に定着できていないとはいえ、この状況は牧原選手にとっても大チャンスです。
持ち味の打撃で存分にアピールすることができれば、間違いなくチャンスは訪れます。
逆に三軍と二軍の差を感じて二軍で結果を残せないようだと、2025年オフに戦力外ということも十分考えられます。
2025年度は牧原選手の野球人生を大きく好転させる1年になるでしょうか。
リチャード
2025年度でプロ8年目を迎えるリチャード選手。
前代未聞の5年連続本塁打王(二軍)を達成した、右の長距離砲です。
彼は2025年度で26歳。
若手というよりも中堅で、チームの中心選手として働いてもらわなければ困る年齢になりました。
リチャード選手が守る一塁と三塁には、山川穂高選手と栗原陵矢選手という絶対的なレギュラーがいます。
そこからポジションを勝ち取るのは非常に難しいということで、名前を挙げさせてもらいました。
ただ無理な話ではありません。
指名打者(DH)の枠があるからです。
リチャード選手がとんでもなく打てば、山川選手をDHに回すというパターンも生まれます。
とんでもなく打つというのは、ポジション争いをしている全ての選手の中(捕手内野手外野手)で一番打つということ。
リチャード選手にはそれができる可能性があります。
リチャード選手が一軍のレギュラーになれば、一軍での本塁打王も夢の話ではありません。
ホークスで花開くことができるでしょうか。
田浦文丸
2025年度でプロ8年目を迎える田浦文丸投手。
2023年度には一軍戦45試合登板で防御率2.38を記録した一軍実績のある投手です。
一軍定着を図りたかった2024年度は、怪我の影響で出遅れ4試合登板に留まりました。
仮に2025年度も同じくらいの登板数に収まってしまうと、なかなか厳しいものがあります。
ホークスの中継ぎは人材豊富。
次から次に出てきます。
泉圭輔投手や甲斐野央投手が他球団へ移籍し、モイネロ投手や大津亮介投手が先発へ転向し、オスナ投手が不調で、田浦文丸投手が1年間ほぼほぼ投げなくても救援防御率は1位。
新戦力が続々と活躍してくれました。(ヘルナンデス投手、長谷川威展投手、岩井俊介投手、大山凌投手、杉山一樹投手、尾形崇斗投手、木村光投手等)
現在の田浦投手の立場は無いに等しいので、またここから結果を積み上げていくしかありません。
先ほど木村大成投手のところで「ホークスは左の中継ぎが手薄」と述べましたが、ホークスは手薄だからといって左投手を無理に使うことはしません。
左投手右投手関係なく、実力がある投手が優先的に投げます。
安德駿投手や岩崎峻典投手等、新たに入ってくる即戦力の支配下投手もいる中で、田浦投手がどこまで存在感を発揮できるかに注目です。
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