今回は「複数年契約が嫌いな3つの理由」というテーマで話を進めていきます。
プロ野球選手にとっては嬉しい嬉しい複数年の大型契約。
チームとしても良い選手を複数年で契約できるという安心感。
メリットしかない制度のように思えます。
ただ、実際はメリットばかりではありません。
ということで複数年契約の闇の部分に注目していきます。
複数年契約が嫌いな3つの理由
複数年契約が嫌いな理由を3つに分けました。
競争心を失いかねない
まず1つ目は「競争心を失いかねない」ということ。
複数年契約を結んだ選手は3年なら3年、4年なら4年。
必ず契約してもらえます。
毎年が勝負の単年契約選手に比べて、危機感は間違いなく薄いです。
それが結果にも表れます。
「3年契約なら3年目に結果を残せばまた来年も雇ってもらえる。」
「1~2年目はそれなりに頑張ろう。」
こうなりかねません。
中には長期契約でも毎年コンスタントに結果を残し続ける柳田悠岐選手、浅村栄斗選手のような存在はいます。
ただしほんの一握りです。
流出させたくない選手が流出する
複数年契約が嫌いな理由2つ目は「流出させたくない選手が流出する」ことです。
3年契約の選手が1年目に全く結果を残せなかった場合、もしくは大怪我を負った場合でも、その選手はもう2年必ず残さなければなりません。
これは一種のギャンブルです。
その選手が3年しっかりと活躍してくれれば問題ないですが、そうでなかった場合、1枠を無駄にしてしまいます。
毎年プロ野球チームは約10~15名の支配下登録選手が入れ替わります。
もちろん複数年契約選手は、その放出する選手の中に含めることができません。
結果を残せていない複数年契約選手をリリースしようと思ってもできないのです。
本来、リリースする選手は結果を残しきれてない中堅選手が中心。
ただ、複数年契約選手が多く在籍している場合は、これに加えて若手と中堅の間の選手もリリースの対象になります。
「あともう一年待っていれば花開いたのに。」
「あともう一年待っていれば戦力になったのに。」
そういった選手を放出しないと、新しい選手を取ってこれない状況になります。
ベテランが優遇される
複数年契約が嫌いな理由3つ目は、「ベテランが優遇されるから」です。
来年FA取得見込みで流出されたくない。
FA獲得で高条件提示の1つ。
海外流出阻止の為。
複数年契約は選手の能力以外の部分が判断材料になっています。
だから複数年契約は30代の選手ばかりです。
本来プロ野球は実力の世界。
若手が育成の為に優遇されるのは分かるとして、こうやってベテランが優遇されるのはどうかと思います。
これはプロ野球選手会が早期のFA権取得を訴える部分に繋がってきます。
チームの中心でもない選手が「流出してほしくない」という球団内部の一部の意見で複数年契約を結ぶ状況は、他の選手の不信感に繋がってもおかしくありません。
その判断が難しいというのはもちろん承知しています。
ホークスの複数年契約選手
そんな複数年契約を多用しているのが福岡ソフトバンクホークス。
2023~2026年度の複数年契約選手をまとめてみました。
2023年度

2023年度の複数年契約選手は11名。
この11名は物理的に2023年オフの戦力外,退団が無かった選手です。
東浜巨投手、武田翔太投手、嶺井博希選手は複数年契約があったから退団を免れたようなもの。
嶺井選手は物理的に出場機会を得られなかったという部分、武田投手は中継ぎではある程度結果を残したという部分がありましたが。
この3名が複数年契約を結んでいなかったら、上林誠知選手、増田珠選手、古川侑利投手は戦力外,退団を免れたかもしれません。
それだけ複数年契約はプラスの側面と同じぐらいマイナスの側面を持つリスクの高い契約なんです。
2024年度

2024年度の複数年契約選手は13名。
この13名はトレード等を除き、物理的に2024年オフの戦力外,退団があり得ません。
13名の中で1人でも中途半端な成績を残すようなら、出ていく選手が可哀想です。
2024年オフには二軍で最優秀防御率(1.60)のタイトルを獲得した三浦瑞樹投手と、二軍で9月のMVPに輝きトータルで打率.403の好成績を残した仲田慶介選手の戦力外通告がありましたが、本来はあり得ないこと。
層の厚いホークスだけに複数年契約選手の見極めはきちんとしてほしいところです。
2025年度

2025年度の複数年契約選手は11名。
甲斐拓也選手のFA移籍に伴い嶺井博希選手の出番が増えるか。
オスナ投手の2024年シーズンの不調が今後も続くのか。
スチュワート投手の覚醒は本物なのか。
牧原大成選手は怪我無くフルシーズン戦えるのか。
上沢直之投手は日本ハム時代のような安定した投球を披露できるか。
そのあたりが注目ポイントです。
2023・2024年度よりも複数年契約選手が洗練されてきている気はします。
当たり前のことですが、一軍で働く可能性が高い選手を複数年契約選手にすべきです。
2026年度

2025年度の複数年契約選手は6名。
支配下選手に限ると5名。
守護神、先発、クリーンナップ。
こういったチームの軸の選手に対しては惜しみなく複数年契約をすべきです。
個人的に複数年契約選手は5~6名で丁度いいですが、なんだかんだでこれから絶対に増えます。
有力候補は有原航平投手、周東佑京選手、栗原陵矢選手、スチュワート投手、ヘルナンデス投手。(有原投手は2025年オフ)
柳田悠岐選手がこの年のオフに引退の可能性があるので、それまでにホークスの若手が育っていなければFA選手の獲得に動くかもしれません。
その時に過去の失敗を繰り返さないようにしてもらいたいです。
結論
これらを総合して、私は基本的に複数年契約は嫌いです。
ただ近藤選手や柳田選手等、絶対的な選手に限ると複数年契約も全然アリです。
その判断が非常に難しいという部分はありますが。
毎年タイトル争いをする選手が、個人的に思う複数年契約に相応しい選手です。
球団の判断1つで選手だけでなく、チームの命運も握っているということを、球団関係者の方に再確認してもらいたいという気持ちで今回の記事を書きました。
複数年契約は簡単にしていいものではありません。
コメント