中村晃選手をスタメン起用しない方がいい3つの理由

ホークス考察
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「中村晃選手をスタメン起用しない方がいい3つの理由」というタイトルを見て、何を考えているんだと思ったホークスファンは多いことでしょう。

気持ちは分かります。

ただ、ホークスが近年勝てていない原因の一つに、中村晃選手の存在があることから目を背けていたファンは多いのではないでしょうか。

だから批判覚悟で私が言います。
しっかり理由はあるのでご安心ください。

どれだけ好きな選手であっても、ホークスの未来を考えた時には非情な決断をしなければならない時が必ずやってくるのです。

それでは見ていきましょう。

中村晃選手ってどんな選手?

まず、中村晃選手を知らない方のために、簡単に説明します。

中村選手はファンに愛され、チームメイト、監督コーチから愛される寡黙な性格のプロ野球選手です。

  • 結果を出すための努力は惜しまない
  • チーム晃の自主トレでは栗原選手、柳町選手、渡邉陸選手といった将来のホークスの主軸、ライバルともなりうる選手に対し熱心に指導
  • 2018年シーズンから乳がん撲滅のピンクリボン活動を開始し、自身も1安打につき1万円の寄付をしている
  • 内外野こなせて、どの打順でも仕事ができる、監督としては使い勝手の良い選手
  • 高校通算60本塁打のスラッガーでありながら、プロではスタイルを変え、数字に表れない打席での粘り、進塁打等いぶし銀の働きをするようになった
  • 一塁手時のショートバウンド捕球は芸術的
  • 冷静さと熱さを兼ね備えている選手
  • ここぞの場面で打つ

最高の選手です。

しかし、こんな選手をスタメン起用しない方がいい理由があります。

スタメン起用しない方がいい3つの理由

一塁手は打撃のポジション

中村晃選手が主に守る一塁手というポジションは捕手の次にボールを捕球しなければならない大事なポジションです。

ファーストがポロポロしていたら試合になりません。

それでいうと、中村選手は現球界で1,2を争う
一塁守備の達人だと私は思います。

特に先ほども述べた通り、ショートバウンド捕球は芸術的です。

ただ、ある程度の守備があれば、
あとは打撃のポジションだとも思います。

2023年度の一塁手のOPSを見ると、
オリックスの頓宮選手は.862
ロッテの山口選手は.695
そしてホークスの中村晃選手は.688

見事に一塁手の打撃成績がチーム順位に表れています

山口選手と中村晃選手のOPSが僅差なこともゲーム差無しをそっくり表してるようです。

さらに分かりやすい例を紹介します。

2019年 パリーグ

2019年のホークスで一塁手を務めた内川選手は
エラー数0(守備率10割)でシーズンを終え、文句なしのゴールデングラブ賞に輝きました。

しかし、その年ホークスはリーグ優勝することができませんでした

リーグ優勝した西武の一塁手,山川選手はエラーを8つ記録したのにです。

ソフトバンクと西武のゲーム差は2。
その差をつけたのはやはり打撃です。

内川選手は打率.256,本塁打12,打点41,OPS.666
山川選手は打率.256,本塁打43,打点120,OPS.912

一塁手はある程度の守備力があれば、あとは打撃のポジションだとそこではっきりと理解しました。

打撃内容と数字

中村晃選手の打撃についてさらに深堀りしていきます。

2013~2018年と2019年以降では、中村選手の打撃内容と数字が異なります

2013~2018年

2013~2018年は中村選手のやりたい打撃ができていたと思います。
忖度無しで個人的には最高の打者でした。

初球は必ず見逃す。
なんなら追い込まれるまでバットを出さない。
そこから、相手投手が嫌というぐらい粘る。
そして出塁。

同時期に日本ハムの中島卓也選手もファールで粘る打撃をしていましたが、正直レベルが違いました。

真ん中から外の球を逆方向にファールするのは共通の強みでしたが、中村選手はそれに加えてインコースの速いストレートも難なく引っ張ってファールにする技術も併せ持っていました。

次の打席は何球投げさせるんだろうと予想するのが、私は楽しみで仕方ありませんでした。

見える数字の部分でも
安定して出塁率.350以上OPS.700以上を記録。
粘るだけでなく、そこから出塁するのが中村晃選手です。

2019年以降

2019年、中村選手が病に冒されます。

自律神経失調症です。

なんでもできる最高の打者だった中村選手がこの病を境に変わっていきます。

2018年は数字的にはキャリアハイの年でした。
長打に力を入れ、自己最多の14本塁打を記録しました。
この辺りから中村選手の打撃に変化が起こります。

初球のストライクを振るようになったのです。

野球のセオリーだと初球に一番甘い球が来るので、それを強くたたいて長打にしようという一般的な考え方ではあります。

しかしその結果、今まで積み上げてきた自分の打撃スタイルと、長打を意識しだした新しい打撃の調和が取れなくなっていったのです。

中村選手にしか分からない悩みです。

内容が変わると数字も変わります。
2019年以降、明らかに出塁率は下がり
なぜか長打率には変化がありませんでした

中村選手が長打を意識するようになったのは、小久保選手や松中選手といった前の世代のホークス主力選手が長打を武器に長年活躍してきのが大きいと思います。
長く現役を続けるためには長打力が不可欠だという考えに至ったのではないのではないでしょうか。

個人的には、中村選手は長打というよりも、打席での粘り強さ、嫌らしさが強みの選手だと思っていたので長打を求めて初球から積極的に振る中村選手は少し悲しかったです。

元のスタイルに戻すために、足を上げない新打撃フォームで臨んでいる今季ですが、投手のレベルが上がった分、初球から手を出す場面がまだ見られます。

初球を簡単に見逃すようになった時が、本来の中村晃選手です。

世代交代が進まない

中村選手は直近4年間を見ると分かるように、
年々成績が落ちてきています

2023年度終了時点

2019年以降、ホークスは2020年のみリーグ優勝を果たしており、中村晃選手はその2020年のみOPS.700以上を達成しました。

ここに何かしらの因果関係があるように私は思えてなりません。

だからこそ今の中村選手をレギュラーとして起用し続けることに疑問を感じます。

過去の成績をいつまでも称賛して、年々成績が下がっている中村選手をレギュラーとして固定するのは果たして正しいのでしょうか?

中村選手が一塁で固定されることで、今は怪我で離脱していますが栗原選手も固定されていたので、
二軍でいくら調子が良くても、今年は一三塁を守る若手選手が一軍で起用できない状況でした

どんな凄い打者も打席に立たないとヒットやホームランは打てません。

今後どうしていくべき?

中村選手は今年で34歳とまだまだ若いですが、
成績的には晩年の内川選手と重なります。

だからといって、二軍で打っていながら一軍に上げなかった2020年のようにしろとは思いません。

ここぞの打撃と、リーグ1,2の守備力を活かし、
代打や守備固めとして起用するのが最も中村選手を活かし、世代交代も図れる方法なのかなと私は思います。

現在ホークスはここぞの場面で起用できる代打の切り札的存在はいません。

そこに中村選手がハマると終盤の攻撃の幅が広がります。

空いたスタメン枠には、将来的にOPS.900以上を狙える選手を積極的に起用していきたいです。

名前を挙げるなら吉田賢吾選手,野村勇選手,生海選手,井上朋也選手,渡邉陸選手,水谷瞬選手等です。

現実的に考えて、こういった選択が
藤本監督にできるとは到底思えません

藤本監督は優しいからです。
最多安打のタイトルが狙える打者をスタメンから外すという発想すら抱かないでしょう。

チームを良い方向に変えたい、世代交代したいと本気で思っているのであれば、
中村選手を「使わない」という非情な采配を今すぐやることをお勧めします。

<追記>
中村晃選手は2023シーズンをレギュラーのまま完走しました。

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