2024/4/29、福岡ソフトバンクホークスvs埼玉西武ライオンズの一軍公式戦が行われました。
結果は5-4でホークスが勝利しました。
今回はこの試合の全体的な感想をホークス目線で振り返り、次戦以降の戦い方を考察していきます。
ホークス投手&野手も個別に取り上げます。
全体的な感想
今季イチ興奮した試合かもしれません。
2-4でホークスが負けている状況で9回2死一二塁。
マウンドには12登板で防御率0.00の西武守護神アブレイユ投手。
打席にはホークスの三番柳田悠岐選手。
ネクストバッターズサークルには途中出場の甲斐拓也選手。
正直、柳田選手が敬遠されたらホークスはかなり高い確率で負けていました。
西武としては2点勝っている状況なので、本塁打さえ打たれなければ柳田選手と勝負するのが最適解という判断の基、柳田選手との勝負を選択。
この判断が奇跡を生みました。
結果はお釣り無しのサヨナラ3ラン本塁打。
西武首脳陣の甘えを柳田選手が許してくれませんでした。
柳田選手のサヨナラ3ランといえばコレを思い出します。
今回のホークスの勝利は例えるなら...例えられません。
すごく価値ある勝利です。
完全な負けゲームを勝ちゲームにしたのですから。
そもそも、この試合は始まる前から「本気で勝ちにいかないこと」が確定していました。
津森投手、松本投手、オスナ投手の勝ちパターン3名が2連投中ということで、それ以外の投手で1試合を成立させなければならなかったからです。
さらにホークス先発は先発ローテの中で、最も長い回が期待できないスチュワート投手。
相手先発は西武のエース高橋光成投手。
厳しい戦いになることは想像できました。
そして実際に、負け試合の展開になりました。
スチュワート投手が今季最長の6回を投げ切ったものの、本来はもっと長い回を投げて欲しかったところ。
なぜならもし延長になった場合に投手がいなくなるからです。
7回は又吉投手、8回ヘルナンデス投手、9回長谷川投手が完璧に抑え、勝ちパターン入りをアピール。
10回以降は杉山投手と石川投手の2名が準備をしていたことでしょう。
ホークスとしては同点で延長に入るぐらいなら、スパッと負ける方が次戦以降の投手起用を考えると良かったはずです。
4/30(火)の先発はエース有原投手なので、そこで完投を計算していたら継ぎ込んでも問題無いと思いますが。
もちろん延長に入らずに勝てたなら最高の結果。
そんな最高の結果をもたらしてくれた柳田選手に感謝です。
投手
スチュワート
スチュワート投手は5回4失点(自責点1)の投球でした。
全100球の内、ストライク65ボール35。
印象としては「生まれ変わろうとしている投球」です。
今回の登板では珍しく四球が1つもありませんでした。
ここは高く評価すべきところです。
ただその分、ボールは甘く入っていました。
打者一巡までは球威が素晴らしく球の力で押せていましたが、打者が目慣れした二巡目以降は味方のミスも有り、球数が多くなって失点を許しました。
正直、スチュワート投手にこれ以上を求めるのは酷だと私は思います。
四球はダメ、ゾーン内で勝負しても甘い所に投げたらダメ。
そんな完璧な投球なんてすぐにはできません。
よって今回の投球は生まれ変わるきっかけになったという意味でプラスに捉えるべきです。
話は変わりますが、個人的に彼はサファテ投手のようにショートイニングで輝く投手のような気がしてます。
現在ホークスは中継ぎよりも先発の方に需要があるので先発として育成中ですが、他のチームだったら絶対リリーフです。
長くても6回までしか投げられない投手に先発ローテの1枠を任せることはできません。
来シーズンから年俸が7億円になるので、それ相応の活躍をしてもらわないと困ります。
年俸7億円と言えば、ホークス時代のサファテ投手の最高年俸。
3年連続セーブ王&NPB歴代最多セーブ記録(54)の投手と肩を並べるだけの成績を残せると期待されているということです。
ホークス球団の眼力が試されてます。
又吉克樹
又吉克樹投手は1回無失点の投球でした。
全18球の内、ストライク13ボール5。
印象としては「粘り強い投球」です。
相手打者に粘られる場面が目立ったものの、そこで四球を出さないのが又吉投手の良さ。
内外高低を幅広く使い、打者に的を絞らせませんでした。
ただ、完璧な投球かと問われれば疑問が残ります。
ファールで粘られる中で、甘く入った球はありました。
その球をミスショットしてくれたおかげで、三者凡退に繋がりました。
次回登板ではより精度の高い投球に期待です。
ヘルナンデス
ヘルナンデス投手は1回無失点の投球でした。
全16球の内、ストライク8ボール8。
印象としては「球の力は十分」です。
中村選手に1球カーブを投げましたが、それ以外はストレートとスライダー。
ほぼ2球種で1回を抑えました。
ヘルナンデス投手は投げ方にクセがあり、特に左打者は背後からボールがやってくる軌道になります。
そして変則なのに、ストレートの球速は常時150キロオーバー。
なかなか面白い投手です。
今回の登板では四球を1つ与えてしまいましたが、厳しい所を攻めた結果でした。
全球通しても、長打を喰らうとしたら先頭の金子選手に対する初球の真ん中ストレートぐらいだったと思います。
振られなくて助かりました。
中継ぎ投手は先発投手と違い、何球使ってもゼロに抑えることが出来たらそれが正解です。
長谷川威展
長谷川威展投手は1回無失点の投球でした。
全19球の内、ストライク11ボール8。
印象としては「見事な三者凡退」です。
前回登板のバファローズ戦ではヒットこそ許さなかったものの、西川選手に鋭い打球を打たれました。
今回はその反省を活かし、全ての打者に対し内を突く場面がありました。
幅広くコースに投げ分けることで打者に的を絞らせませんでした。
今回唯一危なかった球は、佐藤選手に対する3ボール1ストライクからの真ん中のストレート。
完全にストライクを取りにいった球にもかかわらず、佐藤選手は手を出しませんでした。
あそこで調子の良いチームであれば、スイングをかけて長打にしていたでしょう。
長谷川投手としては助かりました。
長谷川投手だけでなく、又吉投手もヘルナンデス投手もそれぞれが丁寧に1人1人の打者と対峙しゼロに抑えたことで奇跡が起こりました。
柳田選手がスーパーヒーローなのは確かですが、影のヒーローとして中継ぎ3名にも拍手を送りたいです。
野手
ホークス選手の一軍打撃成績がこちら。(2024/4/29時点)
仲田慶介選手がプロ初ヒット。
追い込まれてから粘って粘って泥臭くもぎ取ったセンター前ヒットでした。
非常に仲田選手らしいです。
ホークスは2024年シーズン開幕から25試合が経過していますが、その間に仲田選手に与えられた打席は2打席だけ。
その2打席の結果は四球と中安。
出場試合数も川村選手と緒方選手が16試合なのに対し、仲田選手は9試合。
冷静に考えて、間隔をかなり空けながら打席に立ち、2打席共結果を残した打者を起用しないという選択肢はありません。
近いうちにスタメン出場はあるでしょう。
セカンドレギュラーの牧原大成選手が怪我で離脱しているので、スタメンで出るとしたら9番セカンドが濃厚です。
スタメン出場に満足することなく、ポジションを自分のものにするぐらいの気持ちでアピールしてもらいたいです。
そうすれば牧原選手が戻ってきた後も、他のポジションでスタメン起用してみようと幅が生まれます。
川村友斗選手は元育成三銃士の中で唯一、既にレギュラーの座を掴みかけています。
6番でも1番でも2番でもどこでもいけて、守備能力も高い。
完全に今はウォーカー選手の上位互換になってます。
川村選手がレギュラーとしてやっていけると判断してウォーカー選手が二軍調整になったので、これからどっしり川村選手を使い続けるでしょう。
どこまで川村選手が首脳陣の信頼を勝ち取ることができるか非常に楽しみです。
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