2025/10/27、福岡ソフトバンクホークスの宮﨑颯投手、村田賢一投手、そして育成の加藤晴空選手、マルコシモン選手が来季の構想から外れていることが明らかになりました。
今回はこの構想外報道について私が率直に思うことを述べていきます。
宮﨑颯
宮﨑投手は今季彗星の如く現れ、二軍で川口投手と共に圧倒的な成績を残し支配下登録を勝ち取りました。1年目2年目はほとんど実戦の舞台に現れなかったのでプロ1年目の投手かな?と思った方もいらっしゃるでしょう。
ただ彼はもうプロ3年目。育成選手なら一旦自由契約になる年です。1年目にトミージョン手術を受け、2年目の途中までリハビリに費やし、そこから徐々に球の力や制球力を磨き今に至ります。フロントとしては今オフ何もしなくても自由契約になってしまうので、一軍で通用するか確認するために宮﨑投手の支配下登録は絶対するべきだったんです。
支配下登録後、一軍で2試合投げました。その時の感想としては、ストレートはまずまず通用していました。カットもまずまず通用していました。ただ、どちらも絶対的な球とは言えませんでした。宮﨑投手のように球種が少ない投手は、確実に球種を張られます。そんな状況でも一軍の打者を押し込めるようにならないと一軍定着は難しいです。また実戦復帰直後の昨季に比べたら制球力も格段に向上していますが、他の投手と比べるとストライクを取るのに苦労しているように映ります。
投手として全体的に一段階レベルを上げないと一軍で活躍できないという部分。そして、大卒3年目(高卒だと7年目)の完成度としてどうなのかという部分。これらを総合的に判断して今回の構想外に繋がったと分析しますがかなりシビアですね。
宮﨑投手には育成再契約の道も残されてはいますが、おそらく宮﨑投手側がこれを断ると思います。他球団が黙っているはずがないからです。貴重な左の中継ぎ、それもパワー系。欲しい球団ばかりです。何ならホークスも欲しいです。
村田賢一
村田投手は140キロ前後のストレートで打者を押し込むことが出来ず、投球の幅がどんどん小さくなっていきました。
本当は高めも低めもバランス良く投げたいですが、高めに投げると長打を喰らうので低めの意識は欠かしませんでした。決め球シンカーのキレは素晴らしかったです。この球は十分一軍でも通用します。ただ、シンカーだけじゃ流石に厳しいです。ストレートが強ければシンカーが効いてきますが、相手打者はシンカーを意識しながらストレートに対応できていました。このような状況でストライクに投げるのが怖くなり、余計に厳しいところに投げようとして四球が増えました。
他にもカットボール、ツーシーム、チェンジアップ等、細かくボールを動かしてゴロで打ち取ろうとはしていました。ただ、これも生命線であるストレートがあってこそ生きてきます。
村田投手は大卒2年目で厳しい判断を下されましたが、選手層の厚いホークスということを考えると致し方ありません。まだ24歳と若いので、次のステップで大きく羽ばたいてもらいたいなと思います。
加藤晴空
加藤選手は捕手の中でずば抜けた何かをアピールできませんでした。
ブロッキング、スローイング、捕手としての信頼度、打撃の確実性、パワー、走力。本当に何でもいいんです。どれか1つでもずば抜けてトップクラスなものがあれば22歳とまだまだ若いですし、ホークスに残れました。
足の速さに関しては、捕手の中では速い方だと思います。ただ、周東選手や野村選手のレベルには達していません。そうなると、将来的なスケールの大きさをみられて他の選手との兼ね合いで弾かれます。ホークスは今年池田栞太選手という将来性豊かな高校生捕手の育成指名に成功し、加藤選手をリリースする理由が生まれました。
打席での粘りという部分では、ホークス捕手陣の中では加藤選手が一番良いです。この粘りを最大限アピールして、相手投手から嫌われる存在になれたら、まだまだ残留の可能性はあったかもしれません。大友選手や盛島選手はパワーが半端ないので、彼らとパワーで勝負するのは愚策です。淡白な打席を減らすことが、加藤選手を上のレベルに押し上げる唯一の方法かなと思います。加藤選手の今後の野球人生に期待です。
マルコシモン
シモン選手は打撃守備走塁全てにおいてアグレッシブな選手。打席では常にフルスイングで本塁打狙い。守備では自分が捕れる球は全部捕りに行く。走塁では走者に出たら二盗三盗当たり前。見ていて気持ちが良い選手でした。
ただその反面、チームプレーが少々苦手です。2024年にはイヒネ選手と交錯して怪我をする場面がありました。今のアグレッシブさを残しつつ、チーム全体を見渡した洗練したプレーができれば理想的ですが、まだまだそのレベルには達していません。
ホークスの外野手は戦国時代。ただでさえ一軍のレギュラー陣が固いのに、二軍のレベルも高いです。なぜこの選手が二軍三軍?という選手(山本恵大選手、石塚綜一郎選手、大泉周也選手等)がわんさかいます。挙げたらキリが無いです。これが何を意味するかというと、わざわざ外国人枠を外野手に割く必要は無いんです。日本ハムのレイエス選手ぐらい打てる外国人選手はDHに置けばいいですが、ただ外野を守れる選手の需要はありません。さらに、外国人外野手のくくりでみるとシモン選手の3歳下にはオスーナ選手という粗削りながらパワーが素晴らしい選手がいます。オスーナ選手がいることで同じく粗削りのシモン選手の需要はさらに低くなりました。
シモン選手はまだ21歳とこれからの選手。ホークスでの経験を武器に大きく羽ばたいてもらいたいなと思います。



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