今回のテーマは「2025年度ホークス構想外候補10名【7月編】」。
最初に言っておきますが、気分を害される可能性のある方はご覧にならないでください。
NPB12球団は毎年支配下だけで少なくとも10名の戦力外選手が出ます。
もちろんホークスも例外ではありません。
ということで、7/22現在にまだアピールが足りないと個人的に思った支配下選手を10名挙げてみました。
先月6月の考察はこちら。
牧原巧汰
高卒5年目で23歳の牧原巧汰選手。
構想外候補の理由は明白。打撃・守備両面で結果を残せていないからです。
打撃では二軍戦99打席に立ち、打率.124,本塁打0,OPS.358。(2025/7/22時点)
守備では36試合出場でエラー1と少ないですが、目に見えないミス(パスボールっぽいけどワイルドピッチ)が目立ちます。
確かに昨年まで主戦場は三軍の選手。
やるべきことはたくさんあるでしょう。
ただそんなことを言っている暇はありません。
年齢的には「即戦力」と呼ばれる大卒1年目と同じ。
一軍の戦力になれる見込みがあるかで判断されます。
彼が一軍に上がるビジョンが今のところは見えないので、今オフは育成再契約もしくはリリースが濃厚です。
この状況を一変させる為には、持ち味の逆方向への長打を二軍の舞台でアピールし続けるしかありません。
また、ここ最近牧原選手は本職の捕手ではなく一塁手としての出場が増えてきています。これが何を意味するかというと「他球団へのアピール」です。自分はいろんなポジションを守れるんだと就職活動をしているんです。
昨季は三森選手がこのパターンでいきなり外野に挑戦しました。今季は牧原選手と井上選手です。(牧原選手が一塁、井上選手が外野)
長谷川威展
大卒4年目で今年26歳を迎える長谷川威展投手。
彼を構想外候補に選んだ理由は非常にシンプル。
トミージョン手術を受けて今季中の復帰が厳しいからです。
直近ではプロ1年目で結果も残していた澤柳亮太郎投手がトミージョン手術を受けた影響で1年目のオフに育成選手として再契約しましたがそのイメージです。
今年2025年3月にトミージョン手術を受け、復帰時期は来年以降。
どのタイミングで投げれるようになるか分からない投手に支配下枠を1枠使うのはもったいないという判断になるだろうと推測します。
2024年度は左キラーとして貴重な戦力だった長谷川投手なので、実力的には当然支配下です。
怪我でリハビリ中といえば、川村友斗選手や正木智也選手も含まれるので彼らの動向にも注目です。
村田賢一
大卒2年目で今年24歳を迎える村田賢一投手。
2年目の彼を構想外候補に選んだ理由は明白。
スピードが出ていないからです。
走者がいない時でもストレートの球速が140キロ前後。
ホークスの支配下右投手の中で最も遅いです。
球が遅くても打たせて取る投球で結果を残せていたらまた話は変わってきますが、結果も残せていません。
二軍戦16登板で防御率4.75、WHIP1.61。(2025/7/22時点)
決め球のシンカーのキレが良いので、いつもこのシンカー頼みの投球になっています。
ホークスはストレート至上主義のチームなので、変化球でかわす投手を一軍に上げることはありません。
ここからストレートの強さを磨いてアピールできるかに注目です。
又吉克樹
独立リーグ出身プロ12年目で今年35歳を迎える又吉克樹投手。
今季で4年契約が切れる彼を構想外候補に選んだ理由は結果を残せていないからです。
実績は抜群。昨季2024年度も一軍で40試合に登板しました。タフで様々な場面を任すことのできる、使い勝手の良い投手であることに間違いはありません。
ただ、今季は二軍戦のみの登板で13試合(内先発11)、防御率4.12、WHIP1.45と微妙な成績。(2025/7/22時点)
三振をたくさん取る投手ではないので、どうしても配球や味方の守備に結果が左右される部分はありますが、それにしても点を取られすぎです。
東浜投手と同い年でチーム最年長投手の成績が若手よりも劣っているとなれば、リリースは致し方ないのかなと思います。
岩崎峻典
大卒1年目で22歳の岩崎峻典投手。
1年目の投手が構想外になるパターンはごくごく稀ですが、層の分厚いホークスではそれもあり得ます。
岩崎投手の良さは大胆に甘いストライクゾーンで勝負すること。
メンタル面は素晴らしいです。
ただ、現状これといった決め球がありません。
二軍の打者が気持ちよくスイングする場面が目立ちます。
強いて言えばカットは決め球に使えそうですが、又吉投手程きっちりコースに投げ切れる制球力はありません。
一軍で勝負できるくらいの精密なコントロール、もしくは絶対的な球威を手に入れるまでは育成選手として技術を磨くことになりそうです。
板東湧梧
社卒7年目で今年30歳を迎える板東湧梧投手。
彼を構想外候補に選んだ理由は、「首脳陣が起用するつもりがなさそうだから」です。
昨季2024年度は球速がガクッと落ちた影響で一軍登板が無く、今季2025年度も本来のスピードは戻っておらず一軍登板はありません。
ただ、二軍戦では14登板(内先発11)で防御率2.64、WHIP1.19と一定の数字は残せています。(2025/7/22時点)
あとは起用するか起用しないか、それだけです。
ホークスは何より球速が大事なチームなので、ストレートの球速が140キロ前後の右投手を一軍で起用しないという判断をしたのでしょう。起用しないのであれば支配下枠がもったいないです。
板東投手は今季で30歳。若手ではありません。ここからじっくり球速が上がるのを待つのは難しいです。
板東投手の野球人生を第一に考えると、球速を求めないチームに移籍するのが最良だと思います。
安德駿
大卒1年目で23歳の安德駿投手。
彼も岩崎投手と同様、1年目で構想外候補に選びました。
大学時代の投球と現在の投球。
雲泥の差があります。
怪我明けということで徐々に状態を上げているところだと思いますが、第一にスピードが出ていません。
ストレートの球速帯は140キロ台前半から中盤、そしてコースは全体的に甘い。もしくはコースを狙いすぎて四球。
完全復活にはかなりの時間がかかりそうだなというのが私の印象です。
実践復帰してから三軍四軍が主戦場になっているところを見ると、今オフは育成再契約が濃厚ではないでしょうか。
井上朋也
高卒5年目で22歳の井上朋也選手。
今季は外野にも挑戦するなど出場の幅を広げている選手です。
彼を構想外候補に選んだ理由は「下の世代が伸びてきたから」。
宇野真仁朗選手や石見颯真選手。
まさか彼らが高卒一年目から二軍の舞台でこんなにも躍動するとは思いませんでした。
守備はまだ経験不足感が否めないものの、いろんなポジションを器用に守りますし、打撃は天才的です。
井上選手は若手のホープとしてずっと期待されてきた選手でしたが、もうそんな風には見られていません。
一軍の戦力として見れるか見れないか、その段階です。
だから本当は外野の練習なんてやっている場合ではありません。
内野の方がまだチャンスはあります。
ただ、それよりも二軍首脳陣は1年目の庄子選手や石見選手を経験させたいという思いが強いのでしょう。
井上選手が外野もできるとなれば、他球団が興味を示す確率は高くなるはず。
井上選手が外野をやる理由はそこにあります。
昨年2024年度の三森大貴選手がそうでした。
なんで外野の練習なんかするんだろうと思っていたら、その年のオフにトレードでベイスターズへ移籍しました。
ベイスターズでは二塁手に拘らず様々なポジションを守っています。
ホークスファンからすれば井上選手がホークスで活躍するのが理想です。
ただ、井上選手自身はその理想を目指しつつ、次のことも見据えています。
田浦文丸
高卒8年目で今年26歳を迎える田浦文丸投手。
今季は彼にとって大チャンスの年でした。
長谷川威展投手がトミージョン手術で今季絶望。
ヘルナンデス投手が開幕から打ち込まれるなど絶不調。
このように「左の中継ぎ」が手薄なチーム状況だったからです。
そんな中でも田浦投手が一軍の戦力として呼ばれることはなく、先発ローテ候補の松本晴投手をわざわざ中継ぎにしてその穴を埋めました。
さらにはトレードで巨人から大江竜聖投手を獲得し、その流れで松本晴投手を先発に戻しました。
このように田浦投手無しでうまくチームが回っている状況です。
田浦投手の特徴と言えば独特な軌道を描くチェンジアップ。
このチェンジアップを活かすためにストレートがあります。
現在はこのストレートが130キロ台後半~140キロ台前半しか出ないため、チェンジアップでなかなか空振りが奪えません。
大江投手も球速帯は田浦投手と同じですが、スライダーのキレ&精度が素晴らしいので一軍で勝負できます。
田浦投手がここから巻き返すためには出力UPが欠かせません。
上茶谷大河
大卒7年目で今年29歳を迎える上茶谷大河投手。
彼を構想外候補に選んだ理由は一軍の主戦力として活躍できていないからです。
もちろん実績は十分の投手で、DeNA時代は先発中継ぎどちらでも結果を残しました。
ただ、ホークスでは現在一軍にすら上がれていません。怪我で出遅れたことに加え、復帰してから二軍で圧倒的な投球ができていないことがその理由です。
ストレートの出力は最速149キロまで上がってきて順調ですが、ホークスの右の中継ぎは150キロが当たり前なのでこれでも足りません。同じく今年新加入の伊藤優輔投手の方がストレートの力強さはあります。
また、右打者に対するアウトコースの出し入れは素晴らしいものがありますが、時折甘くなることがあるため、まだ精度を上げていけます。
29歳は若手ではありません。
ここから上茶谷投手がどう存在感を示していくのかに注目です。
10名には含めていないものの…
構想外候補の10名には含めていないものの、かなり迷った選手は何名かいます。
その内の1人が武田翔太投手。高卒1年目から大活躍していた彼がいつの間にかもう32歳です。
武田投手は今年が4年契約の最終年。間違いなく勝負の年です。
復帰直後ということもあり、未だ今季の二軍登板はゼロ。ただ、非公式試合での登板を見る限り、ストレートの出力や伝家の宝刀カーブ&縦のスライダーに関しては手術前の状態に限りなく近づいてきています。
ただ、課題はコントロール。
無死一二塁の場面で相手はバントの構えをしている、つまりアウトを1つくれる状況で、ストライクが入らず四球を与える場面がありました。
トミージョン手術前からこのような無駄な四球は課題としてありましたが、これから一軍の戦力になるためには克服しなければなりません。
また、プロ2年目の廣瀨隆太選手も迷った内の1人です。
廣瀨選手がなぜドラフト3位で指名されたのかを考えると、それはセカンドを守れるパワーヒッターだからです。プロでも希少な存在なので評価が高まるのは当然のことです。もっと順位が上でも驚きませんでした。
ただ、もうすぐプロ入りから2年経ちますが、理想とする成長曲線を描けていません。
パワーヒッターになる選手は、少なくとも大卒1年目から二軍で二桁本塁打はマストです。それなのに廣瀨選手のプロ1年目の二軍本塁打数は3本でした。今季はまさかの0本です。一軍ではプロ1年目に2本、今季も既に1本放っていますが、本塁打を量産するイメージは現時点で湧きません。大学時代の打棒はどこへ行ってしまったのでしょうか。
廣瀨選手は守備走塁に特化して内野のユーティリティを目指すようなタイプではないので、とにかく打つしかありません。
一軍での打席数はかなり貰えており、首脳陣からの期待は高いので今がチャンスです。
ルーキー年から2年続けて二軍で打率3割以上の結果を残した吉田賢吾選手が一軍で28打席しか打席に立たせて貰えず2年目オフに現役ドラフト。二軍で2年続けて打率2割5分台で本塁打もそこそこの廣瀨選手が現在に至るまで一軍で205打席。(2025/7/22時点)
ポジション、チーム状況、指名順位、監督の違いがあるにしても、廣瀨選手はかなり恵まれています。
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