2024年度ドラフト会議まであと10日。
前田悠伍投手の交渉権を小久保新監督が引き当てたのが、つい最近のことのように感じます。
1年って早いですね。
今回のテーマは「2024年度ドラフトの全体像をつかもう」。
ただ新しい選手が入ってワクワクするというところから、少し先の世界に私が連れていきます。
支配下枠、補強ポイント、優先順位。
これらを総合的に判断して、今季のホークスがどのような立ち回りを見せるのかを考察します。
※この記事はうえでぃー個人の主観がガッツリ入っているので、全てを鵜呑みにしないでください。
支配下選手は何名指名する???
まずは支配下枠について。
ドラフトで各球団は支配下選手と育成選手を指名できます。
支配下と育成の違いについてはググってみてください。
簡単に言えば、支配下選手は一軍戦に出場できますが、育成選手は一軍戦に出場できません。
待遇も育成と支配下では段違いです。
だから、ドラフト候補選手は支配下選手として指名されることを期待します。
球団側も本当はできるだけ支配下選手をたくさん指名したいはず。
ただ、支配下枠上限70というルールがある為、どれだけ資金力があるチームでも70名までしか支配下選手を雇えません。
それが戦力の均衡に繋がっている部分もあります。
もしも、ドラフトで7名支配下選手を指名したいとなれば、在籍している7名の支配下選手を放出する必要があります。
戦力が不足しているチームであれば何人放出しても全然問題無いですが、戦力が既に整っているチームからすれば、補強するはずが大きな痛手を負ってしまう可能性が高くなります。
まさに今年のホークスがそうです。
昨年2023年度は7名の支配下選手を指名しましたが、今年はそこまで指名できないのではないでしょうか。
複数年契約の問題もあります。
支配下指名枠は多くて6名、少なくて4名。
下記事では間を取って5名と予想しました。
4~6名のドラフト補強枠の中で、いかにチーム力を上げていけるかがスカウト陣の勝負です。
ホークスの補強ポイントはどこ???
2024年シーズンは投打に盤石だったホークス。
他球団に比べると弱点はかなり少ないです。
ただ、今の一軍主力選手が未来永劫活躍してくれるわけではないので、短中長期的な考えを持って常にアンテナを張り巡らせておかなければなりません。
これから、私が考えに考え抜いたホークスの補強ポイントを3つ紹介します。
30代の野手がレギュラーのポジション
すごく当たり前の話になってしまいますが、30代の野手がレギュラーになっているポジションは補強ポイントです。
ただそれだと三塁手と中堅手以外は全て補強ポイントになってしまうので、もっと絞り込みます。
2番手以降の層の厚さ。
ここに注目します。
捕手
捕手の2番手は海野隆司選手。
今季は経験を積む1年となりました。
ただ、打撃含めて甲斐選手を脅かせるぐらい活躍できたかと言われれば、そうではありません。
FAでもし甲斐選手が移籍することになれば、ガクッと戦力が落ちます。
また、吉田賢吾選手や石塚綜一郎選手といった打撃に定評がある捕手は、どちらも野手として育成を進めている状況。
野手の中では、最も即戦力が欲しいポジションと言えます。
一塁手
一塁手は特に2番手が定まっていません。
ただ内野手は一通りファーストの守備をこなせますし、今季は外野手の正木智也選手や捕手登録の石塚綜一郎選手&吉田賢吾選手も一塁の守備に就いたりと、特別意識するポジションでも無いという印象です。
二塁手
二塁手の2番手は三森大貴選手。
牧原選手の怪我の後はその穴をしっかりと埋めました。
さらにその三森選手が怪我した後に穴を埋めたのは廣瀨隆太選手。
2番手、3番手までいるため即戦力補強の必要性を感じません。
遊撃手
遊撃手の2番手は川瀬晃選手。
ただ、彼は内野のユーティリティプレイヤーとしての一面があるので、100%遊撃手の2番手という見方はされていません。
そうなると、補強ポイントにもなってきます。
ただ、シーズン途中に獲得したダウンズ選手は少ない試合数ではあるものの一軍に上がってから印象深い活躍。
二軍でショートを守ることの多い仲田慶介選手は9月月間MVPの大活躍。
シーズン終盤にかけてグッと厚みが増したような感覚です。
即戦力が取れたら最高ですが、取れなくても来季以降に期待感はあります。
右翼手&左翼手
両翼の2番手は柳町達選手と正木智也選手。
川村友斗選手の名前も挙がるでしょう。
強烈なフルスイングの笹川吉康選手や育成の佐藤航太選手等、3番手以降の人材も豊富です。
どうしても即戦力の外野手を獲得しなければという状況ではありません。
下位で良い選手が残っていたら、獲得してもいいかなというぐらいです。
高卒の支配下外野手については、2020年の笹川選手以降獲得していないので可能性はあります。
右の次世代本格派エース
ホークスは2021年ドラフト1位の風間球打投手以降、支配下の高校生右腕を獲得していません。
素材型の投手よりも即戦力として一軍ですぐに活躍できる投手を支配下指名しています。
育成ではたくさん獲っているので、ドラフト戦略としては問題ありません。
むしろ理想的です。
ただ、スケール感を考えた時に、そろそろ大型の右投手を支配下で指名してもいい頃合いなのかなとも思います。
2024年度のホークス先発陣を見渡すと、100イニング以上投げたのが有原投手、モイネロ投手、スチュワート投手、大関投手、大津投手の5名。
彼らを軸に安定した戦いができました。
来季は前田悠伍投手の本格的な一軍デビューや、松本晴投手、前田純投手、三浦瑞樹投手の一軍定着が考えられ左投手は大豊作。
もちろん金丸夢斗投手を始め、とんでもない即戦力左腕が加わることになれば話は変わってきますが、基本的には右が欲しいです。
有原投手は来季で33歳、スチュワート投手は2026年オフにメジャーへ行くかもしれない。
大津投手には期待をしつつも、大津投手とは違ったパワー系の先発候補を獲得出来たら最高です。
理想は千賀滉大投手のようなビッグな素材です。
左のパワー系中継ぎ
先ほど左の先発投手は大豊作という話をしましたが、中継ぎに関しては左が足りないです。
右投手が頑張っているという側面ももちろんありますが、左の中継ぎ投手は支配下で3名しかいません。
ヘルナンデス投手、田浦文丸投手、長谷川威展投手。
彼らの負担を軽減できる投手を獲得出来たらありがたいです。
先発として調整を進めている左投手を中継ぎにすることは簡単ですが、その投手をまた先発に戻すのは大変です。
だから、先発としてものになりそうな投手は極力先発から動かしたくはありません。
支配下の中継ぎ左腕の中で、パワーピッチャーは外国人投手のヘルナンデス投手だけ。
育成には、佐藤琢磨投手という左のパワーピッチャーはいますが、制球面を含めまだまだ課題はあります。
即戦力の左の中継ぎで、できればパワーピッチャー。
楽天鈴木翔天投手のような活躍ができる投手が理想です。
ドラフト順位別の考察
即戦力捕手、右の次世代本格派エース、左のパワー系中継ぎ。
これらの補強ポイントを軸に、ドラフト順位別に考察していきます。
人材が豊富なポジションは後回しで、希少性の高いポジションは早い内に獲得することが求められます。
ドラフト1位
ドラフト1位は超目玉の選手を競合覚悟で獲りにいく。
これに尽きます。
一番良い選手を獲りにいくべきです。
明治大学の宗山塁選手、関西大学の金丸夢斗投手、愛知工業大学の中村優斗投手。
だいたいこの3名に絞られてくるのではないでしょうか。
宗山選手は正遊撃手候補。
金丸投手は左のエース候補。
中村投手は右のエースもしくは守護神候補。
誰を獲得できてもチームに欠かせない存在になります。
ただ、問題はくじを外した時。
先ほども述べたように、ホークスは外野手の人材が豊富です。
ただ、ドラフト上位候補に外野手が多いということは言えます。
渡部聖弥選手、麦谷祐介選手、西川史礁選手…。
彼らを指名するのか。
それとも高卒で将来性が高い投手を指名するのか。
それとも2位で指名するはずだった選手を繰り上げて指名するのか。
難しい判断になります。
私個人としては、神戸弘陵高校村上泰斗投手を推します。
高校生投手は非常に評価が難しいです。
2021年高校BIG3と言われた森木大智投手、小園健太投手、風間球打投手は3年経過しても未だに二軍にすら定着できていません。
大卒社卒選手に比べて、高卒選手は評価通りの活躍をしないパターンが非常に多いです。
ただ、その分当たった時のリターンは大卒社卒選手の比になりません。
2016年ドラフト4位の山本由伸投手、2010年育成ドラフト4位の千賀滉大投手。
メジャーリーガーはほとんど高卒選手です。
村上投手は大きく羽ばたく選手になるのではないかと、私自身は強く思いました。
左の前田悠伍投手と右の村上泰斗投手。
この2人がホークスの未来を支えてくれたら最高です。
ドラフト2位
ドラフト1位は自由に超目玉の選手を獲りにいきます。
その分、2位以降は1位指名を見ながら補強ポイントに焦点を当てた指名が予想されます。
1位宗山選手の場合
ドラフト1位で宗山塁選手の交渉権を獲得した場合。
もう即戦力の遊撃手は必要ありません。
即戦力捕手、右の次世代本格派エース、左のパワー系中継ぎという補強ポイントに焦点を当てた指名を行っていくだけです。
この中で右の次世代本格派エースという部分では、村上泰斗投手や今朝丸裕喜投手は指名されているでしょう。
他にも大型右腕はたくさんいるので一旦スルーでいいと思います。
即戦力捕手は、大学生だと誉田貴之選手、社会人だと野口泰司選手か石伊雄太選手。
来季からすぐにレギュラーを争えるという部分に絞ると、野口選手か石伊選手のどちらかになるだろうと思います。
それまでの他球団の指名次第では、早めに獲得しておきたいところです。
左のパワー系中継ぎは大学生だと徳山一翔投手か宮原駿介投手、社会人だと荘司宏太投手。
ここ最近評価が急上昇中の宮原投手を2位で獲得できたなら非常に大きいです。
現実的には金丸投手をくじで外したチームが外れ1位で指名しそうな気がします。
1位金丸投手の場合
ドラフト1位で金丸夢斗投手の交渉権を獲得した場合。
もう即戦力投手は必要ありません。
2023年ドラフトでも支配下だけで4名の即戦力投手を獲得できているので、これから育成重視のドラフトができます。
即戦力捕手、右の次世代本格派エース、左のパワー系中継ぎという補強ポイントの中で、左のパワー系中継ぎに関しては松本晴投手あたりを中継ぎに回したら何とかなりそうな気はするので、一旦スルーで良いと思います。
右の次世代本格派エースの村上泰斗投手や今朝丸裕喜投手が残っていれば間違いなく指名するでしょうし、2020年ドラフト以降高校生外野手を獲得していないことを考えるとモイセエフ・ニキータ選手を指名するのも面白いです。
即戦力捕手の野口選手か石伊選手は2位か3位で確実に抑えておきたいところです。
1位中村投手の場合
ドラフト1位で中村優斗投手の交渉権を獲得した場合。
金丸投手の時と立ち回り方はだいたい同じです。
中村投手を先発と中継ぎのどちらで考えているかによっても変わります。
個人的には制球力もある投手なので、まずは先発として考えてほしいです。
中村投手を将来の右のエース候補と考えるのであれば、高卒右投手は目玉が残っていたとしても一旦スルーで良いと思います。
中村投手、宮原投手という右左のパワーピッチャーを1位2位で獲得出来たら非常に大きいです。
1位村上投手の場合
ドラフト1位で村上泰斗投手の交渉権を獲得した場合。
即戦力重視のドラフトになります。
モイセエフ・ニキータ選手を獲得する余裕はありません。
しっかり2位3位で即戦力捕手と左のパワー系中継ぎを獲得し、そこからは自由にドラフトを行っていくことになります。
ドラフト3位
ドラフト1位2位を踏まえての指名にはなりますが、ドラフト3位は即戦力捕手を獲得する可能性が高めです。
野口泰司選手か石伊雄太選手。
この2名のどちらかが3位までに残っていなければ、石塚綜一郎選手や吉田賢吾選手が捕手に復帰するパターンもありそうです。
石塚選手や吉田選手が捕手に復帰したら一塁手の競争力が少し失われるので、下位指名で古寺宏輝選手のような一塁専門の強打者を獲得するというのも面白いです。
正捕手の甲斐拓也選手がFA移籍しないと確信できた場合は、野口選手と石伊選手が残っていた場合でもスルーする可能性はありますが、よっぽどのことが無い限り指名しないという選択肢はありません。
体の強い甲斐選手ですが、怪我の可能性がゼロとは言い切れないからです。
ドラフト4位以降
1位2位3位で補強ポイントを埋めることができたと仮定すると、4位以降はある程度自由な指名ができます。
ただ、完全に補強ポイントを埋められていないなら、そこを重点的に穴埋めしたいところ。
正直、どのような展開になっているかは全く読めません。
例えば、1位で宗山塁選手を指名しなかった場合は、庄子雄大選手や浦田俊輔選手を指名出来たら最高です。
彼らがここまで残っているか怪しい所ではありますが。
また外野手ではありますが、井上幹太選手がこの順位まで残っているなら是非とも指名したいです。
高校生野手の石見颯真選手も将来性を考えて下位での指名は十分考えられます。
2022年ドラフトではこの選手がまだ残っていたのかと、慌てて6位で吉田賢吾選手を指名する場面がありましたが、2024ドラフトでも同じようなことが起きるかもしれません。
補足
皆さんは高卒、大卒、社卒選手の内、ホークスで活躍する確率が高いのはどのカテゴリーの選手かご存知でしょうか?
活躍の定義は人それぞれですが、1シーズンに野手なら100試合出場、先発なら10先発、中継ぎなら30登板を基準として、2005年以降のドラフト指名選手を私うえでぃーが調べに調べつくしました。
答えを予想しながらこちらをご確認ください。
昨年末に出した記事ですが、ドラフト前の今こそ楽しんでいただける内容になっているはずです。
他にもホークスに関わるデータを用いた記事をたくさん書いているので、暇な時にでも覗いてくれたら嬉しいです。
例えば下記事のデータも面白いですよ。
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