福岡ソフトバンクホークスの2024年シーズンは5月12日現在、2位と4.5ゲーム差をつけて首位に立っており順調すぎるスタートを切ってます。
その為、シーズン途中に外国人選手の緊急補強やトレードといった慌ただしい動きは見られないと推測できます。
ということで、今回のテーマは「2024年シーズン中に支配下登録される可能性が高いホークス育成選手」。
残り5枠の支配下登録の枠を誰が掴むのかに注目していきます。
支配下登録選手のシーズン中の登録期限は7月末まで。
育成選手はそれまでに勝負をかけなければなりません。
アピールできる時間は残りたった3ヶ月弱となるので、支配下に選ばれるとしたら既に二軍である程度アピールできている選手に絞られます。
そんな選手の特徴とライバル選手についても深掘りしていきます。
投手
まずは投手から。
将来的な部分を考えると、井﨑燦志郎投手や藤原大翔投手といった若手投手の名前が当然挙がってきます。
他にもキリがないほどに有望な投手はいます。
ただ、今回のテーマは2024年シーズン中に支配下登録される投手なので、すぐに一軍の舞台でバリバリ投げれる投手、チームのニーズを満たせる投手を中心に選びました。
前田純
前田純投手は左の先発として一軍の戦力になる可能性を秘めてます。
140キロ台前半のストレートと、大きく曲がるカーブ、そして決め球のチェンジアップを軸に投球を組み立てますが、やはりストレートで押せるかが投球の鍵になります。
前田投手の良い所はどんな時でも逃げないところ。
相手打線がストレートを捉えてきていても真っ向勝負を挑みます。
野球は3割打ったら凄いと言われるぐらい打つのが難しいスポーツ。
本塁打以外だと、どんなに良い当たりでも野手に捕られる可能性があります。
ただ四球は100%四球。
そこを前田投手は十分に理解しているので逃げずに勝負します。
その姿勢が私は好きです。
前田投手のライバルは一軍の先発投手全員。
ホークスの一軍先発防御率は2.08、QS率は64.71%。
どちらも5月12日時点でパリーグ2位の好成績です。
この投手達に勝とうとすれば相当の数字が求められます。
ただ、シーズンは長いです。
この最高の調子がずっと続くとは思えません。
全体的に先発投手の調子が落ちてきた時にいつでも上に上がれる準備をしていれば、チャンスは必ずやってきます。
三浦瑞樹
三浦瑞樹投手も左の先発として一軍の戦力になる可能性を秘めてます。
持ち味は140キロ台前半のストレート、スライダー、チェンジアップとあらゆる球種で空振りが奪えること。
ストレートの威力が上がってきたことが全てに繋がっています。
5月10日の登板ではそのストレートを捉えられ5回2失点という結果になりましたが、逆に考えると状態が悪くてもそれぐらいの投球ができるということ。
今年は基本的に球数が少なく、7回8回まで普通に投げています。
ただ抑えるだけでなく、イニングイーターの役割も担えそうな投手なのでハマれば非常にありがたい存在になります。
ライバルはこちらも一軍の先発投手全員。
一軍先発陣の調子が落ちてこないとチャンスが貰えません。
もしくは無失点投球を1ヶ月ぐらい継続させるかです。
どうしても三浦投手を先発起用したい。
そこまで首脳陣に思わせることが出来たら三浦投手の勝ちです。
大城真乃
大城真乃投手は左の中継ぎとして一軍の戦力になる可能性を秘めてます。
持ち味は出所が見づらい投球フォームから繰り出される140キロ台前半のストレートとスライダー&チェンジアップ。
5/12現在、ホークス二軍では替えの利かないリリーバーとして活躍しています。
そもそもあまり甘いコースに投げ込まない大城投手ですが、仮に甘く入ったとしても打者が甘く感じていないような反応を見せます。
同じく育成中継ぎ左腕に渡邊佑樹投手がいますが、渡邊投手が今年29歳で大城投手が22歳。
伸びしろと投球内容を考えても大城投手の方が支配下登録の優先度は高いです。
ライバルは左投げ中継ぎ投手のヘルナンデス投手と長谷川威展投手。
復活すれば田浦文丸投手もです。
左の中継ぎはホークスの中で層が薄いポジションではあるので、大城投手としては今がチャンスです。
野手
続いて野手。
投手と同様に3名の選手を挙げさせてもらいました。
佐藤直樹
佐藤直樹選手はスターターとしても代走&外野守備固めとしても一軍の戦力になる可能性を秘めてます。
持ち味はパンチ力ある打撃、周東選手に匹敵するスピード、肩の強さ。
即ち野球選手が欲しいものを全て持ってます。
佐藤選手は以前は支配下選手、それも2019年ドラフト1位の選手でした。
それなのに、なぜ今年育成再契約ということになったのかというと、理由は2つあります。
1つ目の理由は打撃の確実性。
2023年度は二軍ですら打率.217と結果を残せませんでした。
2つ目の理由は走塁面でのボーンヘッドが多いこと。
代走で出場した際に印象的な打球判断のミスが何度もありました。
今年はその課題を克服しつつあります。
5/12時点のトータル二軍打撃成績が打率.329,出塁率.436,長打率.518,OPS.958。
5月に限ると、打率.389,出塁率.522,長打率1.000,OPS1.522。
圧倒的No.1の打撃成績です。
すべて引っ張りではなく、逆方向への打球が増えてきたことがこの結果に繋がっています。
走塁面では、良い意味で目立っていません。
ガツガツ盗塁を狙うというよりも、場面場面に応じて走っています。
それでチームトップの8盗塁を記録しているので流石です。
佐藤選手のライバルは周東佑京選手と川村友斗選手と柳町達選手。
つまりセンターが守れる外野手です。
この3名に佐藤選手が負けない部分は右打者であるということ。
柳田選手や近藤選手を始め、外野手は特に左打者ばかり。
その中で佐藤選手が存在感を発揮することができれば、大きなアドバンテージを得ることができます。
同じく右の育成外野手で走攻守揃った重松凱人選手というロマンあふれる大型選手がいますが、今年に限っては佐藤選手よりも優先順位が上がることは無いと思います。
山本恵大
山本恵大選手はスターターとしても代打の切り札としても一軍の戦力になる可能性を秘めてます。
持ち味はパワーと人並外れた選球眼。
もしかしたら彼のことを知らない方は多いかもしれません。
主戦場は三軍。
そして、昨季(2023年)は左膝の手術の影響で思ったように出場試合数を伸ばせていませんでした。
ただ彼が打席に入った時のワクワク感は他の選手と比べても別格です。
2023年度のトータル非公式試合打撃成績が打率.360,出塁率.461,長打率.602,OPS1.064。
そして、2024年度の非公式試合打撃成績は打率.473,出塁率.560,長打率.581,OPS1.142。(5/6時点)
一言で言えば怪物です。
今季初の二軍出場試合となった5/11オリックス戦では、日本を代表するリリーバー山﨑颯一郎投手の150キロのストレートを初見で捉えセンター最深部まで伸びるセンターフライを放ちました。
このようにアウトになった打席の内容も良いです。
山本選手は豪快なフルスイングが持ち味の選手ではありますが、ただただ振り回すだけの選手ではありません。
打席をよく観察していると分かる通り、四球=安打と考えている選手です。
だから、厳しい所を投げられても冷静に見逃し四球で出塁します。
逆に甘いコースに投げてきたら一発で仕留めます。
まさに柳田選手や近藤選手のイメージです。
山本選手のライバルはその柳田悠岐選手と近藤健介選手。
山本選手はセンターを守れる脚力は持っているものの、手術明けということで現在はDHもしくはレフト、ライトでの起用が多くなってます。
一軍で主にライトを守っているのが柳田選手でレフトを守っているのが近藤選手なので、必然的にライバルになってしまいます。
正直、壁は相当高いです。
彼らが怪我でもしない限りチャンスは訪れないでしょう。
ただ年齢的にそろそろ次の世代が出てこないといけないとは思うので、川村友斗選手と共に次世代のホークスを俺が支えるぐらいの気持ちでアピールを続けて欲しいです。
同い年の大泉周也選手も二軍でアピールを続けているので名前を挙げようか最後まで悩みました。
どちらも良い選手です。
石塚綜一郎
石塚綜一郎選手はユーティリティプレイヤーとして一軍の戦力になる可能性を秘めてます。
持ち味はパワフルな打撃。
2023年度は非公式試合で22本の本塁打を放ちました。
その打撃を活かすため今季はレフトに本格挑戦しています。
ただ、本職はキャッチャー。
以前の栗原陵矢選手を想起させます。
ホークスは右の長距離砲を長年求め続けていました。
毎年のように戦力補強する際は決まって右の長距離砲。
2024年に新たに加入した山川穂高選手やウォーカー選手がまさにそうです。
そんな右の長距離砲を自前で育成することができたなら、ホークスにとってどれだけのメリットがもたらされるか分かりません。
それもキャッチャーがそのニーズを満たしてくれたら、ホークスはとんでもないことになります。
そういう意味では、リチャード選手や廣瀨隆太選手と共に大きな期待をかけられている選手と言えます。
そんな石塚選手の直近のライバルは正木智也選手。
ホークスの20代の右の外野手は現在正木選手しかいません。
つまり彼よりも結果を残すことができれば、支配下登録にグッと近づくということです。
レフト守備の不安がゼロになったらあとは打撃での勝負になります。
正木選手は今年25歳で、石塚選手は今年23歳。
同じくらいの成績を残せばチャンスはあります。
また、石塚選手には本職が捕手という大きなアドバンテージがあります。
第3捕手&右の代打&外野守備という役割をこなせると首脳陣に思わせることが出来れば、どうしても一軍のベンチに置いておきたいとなるはずです。
特に第3捕手と右の代打は今のホークスに足りないピースです。
コメント
育成だとロドリゲス投手は早めに出てくると思っていたのですが、怪我ばかりは致し方無いですね…
石塚選手は2軍で試合に出すために支配下登録をしてもいいくらいの逸材だと思っていますし、万が一にも長谷川投手のようなことにはならないよう今年中には必ず二桁の背番号をあげてほしいです
個人的にはまず渡邉陸選手とあわせて2軍正捕手の座に挑戦して欲しいのですが、捕手としての出場が減っているのは気になります、球団的には今後石塚選手をどのように起用しようと考えていると思いますか?
石塚選手の起用の幅を広げる為に、今は捕手の出場機会が減っているだけだと思います。
例えば、渡邉陸選手と石塚選手の打撃状態がどちらも良い場合に、石塚選手が外野を守れたら両選手ともにスタメン起用できます。
この外野起用が実を結ぶのはいつになるか分かりませんが、個人的に良いことだと思います。
ホークスの捕手は盛島選手を始め石塚選手よりもさらに若い世代が出てきているので、捕手に拘るよりも複数ポジションを守れた方が生き残りやすいです。