三強に頼ってばかりじゃ優勝はない。ホークス中継ぎ陣、次のピースを探せ!

ホークス考察
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2025年の福岡ソフトバンクホークス。
ブルペン三銃士――松本裕樹投手、藤井皓哉投手、杉山一樹投手の存在は、もはや説明不要です。リードを守りきる力、打者をねじ伏せる球威、どんな場面でも動じない精神力。いずれも、今季のホークスに欠かせない存在となっています。

しかし、だからこそ、あえて言わせていただきます。

「三強に頼ってばかりじゃ優勝はありません」

シーズンは長く、夏の連戦もあれば、秋には優勝争い、さらにはクライマックスシリーズ、日本シリーズが待っています。どれだけ強力な中継ぎでも、登板が重なれば疲労はたまり、いつか限界が訪れます。

だからこそ、いま必要なのは「次のピース」を見つけることです。ブルペンに厚みを持たせることが、ホークスの真の強さに繋がります。

日本ハムとの違い

2025年度の日本ハムファイターズは6月終了時点で先発完投数が12球団ダントツNo.1の15回。これによって中継ぎ陣の負担減に繋がり、夏場の大事な時期に力を発揮できます。そんな投手運用をしながらも首位に立っているので、非常に良い状況と言えます。

対するソフトバンクホークスの先発完投数は6月終了時点で2回。日本ハムに比べると中継ぎ陣の負担はかなり大きくなっています。

そのホークス中継ぎ陣の中で大事な役割を担っているのが松本裕樹投手、藤井皓哉投手、杉山一樹投手の3投手。彼らがいなければ今頃最下位争いをしていることでしょう。なぜなら本当は中継ぎの軸として期待されている投手達(オスナ投手、ヘルナンデス投手、長谷川威展投手等々)が働いていないからです。

ホークスがこれから優勝戦線に生き残るためには、先発投手ができるだけ長い回を投げて松藤杉トリオの負担を減らす、もしくは新たな中継ぎエースを確立する必要があります。

昨年2024年度はシーズン終盤に松本裕樹投手藤井皓哉投手が戦線離脱して、チームがそこで少し慌てました。追っていく立場の今季はそんな事態になった瞬間に「THE END」です。絶対に避けなければなりません。

松本・藤井・杉山という圧倒的な柱に続く存在を、いかに育て、見極めていけるか――そこに、今季の真価が問われているのです。

勝ちパターン候補

松本裕樹投手、藤井皓哉投手、杉山一樹投手に続いて、新たにホークスの勝ちパターンになりうる中継ぎ投手をピックアップしてみました。

「勝ちパターンの背後」にいる男たち

川口冬弥

まず注目すべきは、川口冬弥投手。オールドルーキー(今年26歳)として2024年育成ドラフト6巡目で入団した今季はプロ1年目から二軍で圧倒的な投球を見せ支配下登録を勝ち取る猛アピール。

そして一軍に上がってからも、まだ2試合だけですが無失点投球を継続しています。(2025/6/30時点)

彼の精神面、球威、制球力はどこをとっても勝ちパターンとして相応しいです。あと足りないものと言えば「経験&首脳陣の信頼度」だけではないでしょうか。

カウントを取る130キロ台のスライダー、甘くてもファールが取れる150キロ前後のストレート、130キロ台中盤の落差の大きなフォーク、140キロ前後の高速フォーク、フォークよりも遅い120キロ台後半のチェンジアップ。球速帯変化量も違う球種を数多く持っています。

魂のこもった投球でアウトを積み重ねる姿に、これからさらにファンが増えそうな予感がしてます。

大江竜聖

続いて大江竜聖投手。秋広優人選手と共に読売ジャイアンツからトレードでやってきた今季は、未だ一軍6登板で失点ゼロと好投を続けています。(2025/6/30時点)

彼の魅力は変則サイド左腕であることと、大きなスライダー

ストレートの球速は140キロ前後で、ヘルナンデス投手のように150キロ台をバンバン投げるわけではありませんが両サイド低めにしっかり投げ切れていることがこの結果に繋がっています。

2024年度は左の変則サイドとして長谷川威展投手がいて、2025年度初めは左のパワーピッチャー松本晴投手が中継ぎとして投げていましたが、これからシーズン終了までは大江投手の活躍次第でチーム順位が1つ2つ変わるかもしれません。

勝負所の「左キラー」として期待が集まります。

復活を期す実力者たち

又吉克樹

かつてのセットアッパー、又吉克樹投手の存在も忘れられません。今季は主に先発として調整を続けており、先発中継ぎ中ロング何でもやれるという状況で一軍登板を窺っています。

先発調整を始めた頃は、又吉投手自身の状態が悪く二軍防御率が悲惨なことになっていましたが、ここ最近は曲げ球主体の新たな投球スタイルを確立し、安定して試合を作ることができています。

又吉投手はチーム内で1位2位を争うコントロールを持ち、投げ間違いがほとんどありません

球威は衰えていませんし、今ならどこで投げても一軍で勝負できます。もちろん中継ぎでも。

津森宥紀

津森宥紀投手は本来、松本裕樹投手、藤井皓哉投手、杉山一樹投手の3投手と肩を並べていてほしい投手。昨季まで4年連続40試合登板というタフさがあるだけに彼の復活はチームが好転する鍵となります。

彼の魅力はストレート。そのストレートが今季序盤は本来の強さではありませんでした。

ただ、二軍調整の際に投球フォームを一度上げた足を停止する二段モーションから一段モーションに変更したことにより、効率よく球に力が伝わり本来の球速を取り戻しました

ここから彼が前半戦とは違った姿を見せてくれるかに注目です。

育成からの“サプライズ”にも期待

宮﨑颯

今季、ファームで存在感を示している若手や育成投手たちも侮れません。その筆頭が宮﨑颯投手。

180cm93kgの恵まれた体格から繰り出される150キロ前後のストレートが魅力の左投手です。

元々コントロールはアバウトでしたが、その荒々しさを適度に残しつつ制球が安定してきました。

変化球は140キロ前後のカットやチェンジアップがありますが、料理で例えると塩コショウのようなもの。メインディッシュの肉(ストレート)で美味しくねじ伏せる為に軽く味を付ける程度の塩コショウ(変化球)です。このストレートが一軍で通用するとフロント陣に思わせることができれれば支配下登録を勝ち取れるでしょう。

宮里優吾

育成投手で言えば宮里優吾投手も見逃せません。150キロ前後のストレートと130キロ台のフォークボール。ほとんどこの2球種で打者をねじ伏せます。

高めのボール気味のストレートで空振りが取れるぐらい球は強いです。

彼の課題は決め球の精度カウント球の変化球。せっかく良い形で追い込んだのに決め球のフォークボールが甘くなってハードヒットされることがあります。また、打者が真っすぐ&フォークをイメージしている中で初球にスライダーを投げるもストライクが取れないことがよくあります。

これらの課題を改善できたら、一軍の舞台で十分活躍できます。

優勝には「層の厚さ」が不可欠

ペナントを戦い抜く上で求められるのは、単なる力のある選手ではありません。むしろ、「いざというときに代われる選手」がどれだけいるかが、チーム力を左右します。

“松藤杉”に頼りきっていては、真の強さは生まれません。

大事なのは、「その先」を見据えること。
ブルペンは日々変化し、登板状況やコンディション、相手との相性で顔ぶれも流動的になります。そうした中で“もう一枚”“あと一歩”の戦力が、チームを救う場面が必ずやってきます。

「三強に頼ってばかりじゃ優勝はない」――この言葉を現実にしないために。
ホークス中継ぎ陣の“次のピース”を、ファンも首脳陣も、見逃すわけにはいきません。

コメント

最近のコメント

うえでぃー
うえでぃー
2025.04.19
エラルさんの選出を見る感じ、今すぐ支配下というわけではなく数年後に出てきそうな有望株を選んだらいいんですね。そうなると、この3名以外だと岡田晧一郎投手が面白い存在だと思います。彼は変化球(特にフォーク...
2025年度ホークス育成選手アピール度チェック(3年目以上限定)
エラル
2025.04.18
うえでぃーさんいつも面白い記事をありがとうございます今回の記事は3年目以上の育成選手の評価を載せていましたが、逆に2年目以内の育成、特に新人の育成選手の有望株を教えてください!僕は新人では木下外野手、...
2025年度ホークス育成選手アピール度チェック(3年目以上限定)
うえでぃー
うえでぃー
2025.04.12
お心遣いありがとうございます。ベルトンさんは私の記事にコメントしてくださる数少ない方の1人なので当然知ってます。いつもありがとうございます!!!今後もホークスファン「だけ」に興味が湧くような記事をどん...
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ベルトン
2025.04.11
普段あまりコメントはあまりしてませんが毎回記事見てる者です。うえでぃーさんの感想記事は、試合の次の日に見るのが日課になっていたので見れなくなるのは正直悲しいですが、今後もブログが更新されると知り安心し...
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うえでぃー
うえでぃー
2025.03.29
貴重なご意見ありがとうございます。いつも記事を見てくださってるからこそのコメントですよね。文字からその熱さが伝わってきます。是非参考にさせていただきます。次回以降の記事にご期待ください!!!
【一軍公式戦2025】3/29ホークス対マリーンズの結果&感想
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