2024/12/16、福岡ソフトバンクホークスがレッドソックス傘下3Aウースターからフリーエージェント(FA)となった上沢直之投手(30)を獲得するという報道が出ました。
今回はこの件について私見を述べます。
評価を選択
上沢投手に関してはこちらの記事で述べていたことが全てです。
日本ハムへの恩義を感じて復帰するか、評価の高いソフトバンクへ移籍するか、それとももう一年夢を追ってアメリカで挑戦するか。
この3択の中で評価を選択した。
ただそれだけのことです。
他人の人生
この上沢投手の決断に対して、多方面から厳しい声が聞こえてきますが、私はなぜそんなことを言ってしまうのかが分かりません。
もちろん気持ちは分かります。
相対的に見て安いポスティング移籍金で移籍しておきながら、1年で日本に戻ってきて、しかも戻ってくるのが古巣の日本ハムではなくソフトバンク。
そして人的補償が無い。
球団に対する恩を仇で返すのかと思われても仕方ありません。
ただ、冷静に考えるとポスティングでのメジャー移籍は、所属球団の許可が下りないとできません。
日本ハム球団が移籍をさせないということもできました。
現にホークスの千賀滉大投手はポスティングでの移籍を認めてもらえず、海外FA権を行使してメジャー移籍を果たしました。
海外FA権を行使しての移籍金は当然ゼロ。
千賀投手を戦力として大事にしていたからこそ、ポスティングによる移籍金よりも千賀投手を優先しました。
日本ハムがポスティング移籍を認めてしまったら、その後の野球人生は上沢投手次第。
アメリカに行こうが、メキシコに行こうが、日本の他球団でプレーしようが、誰も止められません。
それを分かっていながらポスティング移籍を認めたので、もし批判の矛先が向かうとしたら日本ハム球団です。
プロ野球選手は普通のサラリーマンと違って何十年も仕事ができるわけではありません。
もちろん中にはそういう選手もいますが。
限られた時間の中で、最大限稼ごうと思うのは普通のことです。
上沢投手が2024年シーズンも日本ハムのエースとして君臨していたら、上沢投手のFAランクはAランク。
もちろん獲得に動く球団もあったとは思いますが、人的補償が必要ということで獲得に動かない球団も出ていたでしょう。
そういった意味では、夢を追えて、さらに日本に戻ってきた際はフラットに評価をしてもらえるメジャー挑戦を決断したことは非常に賢い選択です。
今のルールが継続するのであれば、試しにメジャー挑戦してみようという選手が続々と現れるに違いありません。
ポスティング制度は見直すべきか
今回の上沢投手の件は日本ハム球団がポスティング移籍を認めたことで起きました。
それは間違いないですが、このポスティングのシステム自体に問題提起する声が出てきました。
これついて私見としては「どっちでもいい」です。
当然、日本国内は日本のやり方、海外は海外のやり方で移籍は進みます。
ただ、日本から海外、海外から日本へ移籍する際に、海外のやり方で進めているのを日本のやり方に変えてほしいというのが問題提起する声です。
これは簡単に言えば「球団ファースト」の制度か「選手ファースト」の制度かの違いです。
メジャー(海外)は選手ファーストの制度。
人的補償が発生しないので、高い評価をしてくれる球団に選手が自由に移籍できます。
良い選手が取られるから、オファーを出さないでおこうという球団はありません。
欲しいか欲しくないか、ただそれだけです。
それによって資金力が乏しい球団はとんでもなく弱くなる場合がありますが、そんなことは気にしません。
それに対し、日本は球団ファーストの制度。
AランクBランク選手がFAで移籍する際は人的補償が発生し、戦力の均衡を図ります。
これによってどんなに資金力があっても、とんでもなく強くなる弱くなるということが起こりません。
ただそれによって選手が青天井の評価を受けれなくなるというのも事実。
選手にとっては残念な制度と言えるでしょう。
もし日本からメジャーに挑戦した選手が、もう一度日本でプレーする際に元いた球団としか交渉できないというルールができた場合、それは間違いなく「球団ファーストの制度」です。
それをどう捉えるかは人それぞれです。
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