2024/11/3、SMBC日本シリーズ2024福岡ソフトバンクホークス対横浜DeNAベイスターズ第6戦が行われました。
結果は11-2でベイスターズが勝ちました。
今回はこの試合の全体的な感想をホークス目線で述べます。
ホークス投手&野手も個別に取り上げます。
野手に関しては、2024年ポストシーズンのホークス選手打撃成績も載せてます。
全体的な感想
まずは1年間戦い抜いたホークス選手、監督コーチ、球団関係者全てに拍手を送ります。
投打に渡って圧倒的な成績を残し4年振りのリーグ優勝。
この戦いぶりに文句を言う人は誰もいないでしょう。
日本シリーズに関しては、一度渡してしまった流れを最後までホークス側に引き寄せることができなかったという印象です。
第6戦は第6戦だけの問題ではなく、全ての試合が繋がってます。
勝ちきることができなかった理由は挙げようと思えばいくらでも挙げれます。
ただ、その中で1つに絞るとしたら、第2先発の準備不足ではないでしょうか。
もちろん準備はしていたと思います。
ただ、そこに向かう心の準備が完璧にできていないような気がしました。
そうなってしまった理由は、シーズン中に先発陣が安定していたからです。
先発が試合を作り、中継ぎが繋ぎ、抑えが締める。
この王道パターンで勝ちを積み重ねたことで、シーズン中に先発投手を第二先発として試す機会が物理的にありませんでした。
大山凌投手と石川柊太投手に関しては2024年シーズンの貴重な第二先発としても活躍したものの、大山投手は不調で石川投手は第4戦の先発。
経験のある第2先発がベンチにいないので、先発が試合を作れなければガタガタっと崩れてしまう環境が整ってしまいました。
小久保監督は日本代表監督時代、2015年のプレミア12で「中継ぎ」というポジションを軽視して、先発&抑え投手を揃えたことで優勝を逃したという過去があります。
今回は結果的に「第2先発」を軽視してしまいました。
先発、第2先発、中継ぎ、抑え。
どのポジションも大事です。
正直、仕方ない部分もありますが、石川投手を後ろに回すという采配が最初からできていれば戦いやすさは全然違ったと思います。(結果論)
2025年シーズンは、レギュラーシーズン&ポストシーズン共に隙の無い戦いを期待します。
投手
有原航平
有原航平投手は3回4失点の投球でした。
全61球の内、ストライク39ボール22。
印象としては「勢いに飲まれた」です。
エース有原投手でさえも、ベイスターズ打線の勢いに飲まれてしまいました。
初回は無死一二塁のピンチを抑えたものの、2回は先頭筒香選手に痛い先制本塁打。
それだけで終わればまだ望みはあったものの、さらにチャンスを作られ桑原選手に2点タイムリー。
このタイムリーが試合を決めたと言っても過言ではありません。
あそこで粘れるのがエースです。
今シーズン最終戦がこのような悔しい登板になったということで、来季はより成長した姿を見せてくれるでしょう。
沢村賞期待してます。
尾形崇斗
尾形崇斗投手は1回無失点の投球でした。
全17球の内、ストライク13ボール4。
印象としては「メンタル強い」です。
ベイスターズ打線はパワプロで言えば全員ノリノリ状態。
隙がありません。
その中でも特に調子が良い上位打線に対し、無失点投球ができたということで尾形投手は自信が付いたと思います。
先頭の桑原選手へのスライダーの精度や、牧選手へのストレートの精度等、改善点はあるものの、勝負所では制球を間違えませんでした。
最後筒香選手を三振に打ち取ったストレートをど真ん中でしたが、1球前のフォークで空振りが取れて1ボール2ストライクという投手有利のカウントだったことで何とかなりました。
あの球を捕手の要求通り高めに投げ切れるようになれば、来季はより良いポジションで投げれるはずです。
スチュワート
スチュワート投手は0.1回5失点の投球でした。
全30球の内、ストライク16ボール14。
印象としては「ストレート&スプリットの2択」です。
1死後、戸柱選手にはうまく外のストレートを弾き返され中安。
森選手には粘られ四球。
佐野選手には1ボール1ストライクからの甘いスプリットを見逃してくれず右安。
桑原選手は甘めのスプリットで空振りが取れていたものの、最後まで制球が定まらず四球で押し出し。
梶原選手には2球連続空振りで追い込んだものの、そこから2球連続でボール球が続き、5球目の低めのスプリットをうまく拾われてセンターへのタイムリーヒット。
試合が壊れてしまいました。
首脳陣の理想としては、ここからスチュワート投手に打席が回るまでイニングを稼いでもらいたかったはず。
ただ、スチュワート投手の2024年シーズンの登板は全て「先発」なので、中継ぎ&第2先発には慣れていません。
こうなることも十分考えられました。
そんな状況でもスチュワート投手に託さなければならないほどに、危機的状況だったということです。
岩井俊介
岩井俊介投手は0.2回2失点の投球でした。
全14球の内、ストライク8ボール6。
印象としては「経験」です。
1死満塁で対するは、牧,オースティン,筒香,宮崎。
控えめに言って最悪です。
そんな最悪の状況で登板できた岩井投手は非常に恵まれてます。
おそらく首脳陣も、完璧に抑えてくれるだろうと岩井投手を送り出した訳ではありません。
岩井投手の将来を見据えての登板です。
結果的に打たれて完全に試合が決まってしまいましたが、この登板を次に繋げて欲しいです。
筒香選手と宮崎選手にタイムリーを打たれた球はどちらもしっかり低めに投げ切ったストレート。
投げミスではないのに打たれたということで完全に力負けです。
前回登板でも投げ切った上で打ち込まれたので、来季はさらなるパワーアップが必要です。
杉山一樹
杉山一樹投手は1回無失点の投球でした。
全14球の内、ストライク10ボール4。
印象としては「オアシス」です。
どんなに流れが悪くても力でねじ伏せる。
杉山投手の成長を感じます。
今季はおそらくチーム内でも最も低い評価からスタート。
春季キャンプから地道にアピールを重ねてきました。
評価が低い分、キャンプでの登板数は多かったです。
シーズンが開幕し、最初は負けてる場面での登板。
そこから徐々に接戦時でも投げさせてもらえるようになり、松本裕樹投手や藤井皓哉投手が戦線離脱するとセットアッパーを任されることも増えました。
戦力外もあるかもというところからセットアッパーへ。
成長スピードが凄まじいです。
来季はそこからさらに成長して、1年間勝ちパターンを任されるような投手になることが求められます。
守護神になってくれたら何も言うことはありません。
ヘルナンデス
ヘルナンデス投手は1回無失点の投球でした。
全16球の内、ストライク10ボール6。
印象としては「安定の三者凡退」です。
ヘルナンデス投手はシーズン最終登板も良い形で締めくくることができました。
8月は調子を落として三振が取れなくなっていましたが、何も心配はありませんでした。
2025年シーズンから新たに2年契約を結んだということで、来季以降も彼の快投に期待です。
津森宥紀
津森宥紀投手は1回無失点の投球でした。
全13球の内、ストライク9ボール4。
印象としては「来季に繋がる」です。
シーズン終盤は思い通りの投球ができなかった津森投手ですが、今シーズン最終登板は三者凡退投球と良い形で締めくくることができました。
スライダーと力強いストレートを全体的にコースに集める投球でした。
彼のようにシーズン40登板を安定して投げてくれる存在はチームにとって非常にありがたいです。
来季の投球にも期待です。
野手
2024年ポストシーズンのホークス選手打撃成績がこちら。(2024/11/3時点)
<スタメン>
<スタメン外>
4回に柳田悠岐選手が2点差に迫る本塁打を放ったものの、得点はその2点だけ。
打線が繋がりませんでした。
ベイスターズ打線は絶好調。
ホークス打線は絶不調。
そうなるとホークスが勝てないのも頷けます。
ただ、良い所に目を向けましょう。
今宮健太選手は初回に桑原選手の打球に何とか追いつくも投げられず。
栗原陵矢選手は4回に牧選手の強烈な打球に飛びつくも投げられず。
この2つのプレーは普通のショート&サードなら外野に抜けてます。
久しぶりにレフトの守備に就いた近藤健介選手も、2回に戸柱選手の左安を二塁打にしないための見えない好守備がありました。
ホークスの守備の洗練さは日本シリーズでも光り輝いていました。
コメント
鷹ファンの心がざわざわする中、冷静で素晴らしい考察だと思います。小久保監督は常に頂点しか許されない立場です。来年に持ち越された試練なのでしょう。若い世代も目白押しなので来年も楽しみしかありません!
ありがとうございます!